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">アメリカの日本食レストランというのは、大都市と地方都市で2極化している。ニューヨークやロサンゼルスのような大都市は、日本人も多いし、マーケットの規模が大きいので、居酒屋スタイルの日本食レストランで、なかなか美味しいものを食べることができる…
「もしトラ」最近、日本のメディアでよく耳にする言葉だ。これは「今年の11月の米国大統領選挙でトランプ前大統領が再当選する」シナリオのことだが、勿論女子高校生の野球部のマネージャーがドラッガーを読むより、はるかに実現する確率は高い。 日本のメデ…
「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~ 年末年始の休暇中に小川さやかさんの『「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~』を読んだ。 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~ (光文社新書) 作者:小川 さやか 光文社 A…
私はノンフィクションが好きだ。大宅壮一ノンフィクション大賞や開高健ノンフィクション賞は定期的にチェックし、琴線に触れたものは必ず読むようにする。だが、改めてノンフィクションの魅力は何かと問われると、「フィクションでは出せないリアリティや臨…
2022年の日本の合計特殊出生率は1.26と過去最低とのこと。1989年に1.57という出生率がを記録し、「少子化」という言葉が広がってから、30年以上改善の兆しの見られない。本日紹介する『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』は、タイトル通り殆ど効果のみ…
先日、子供から「『くまのプーさん』のホラー映画ができたらしいよ」と聞いた。「なんじゃそりゃ?」と思ったが、どうやら「プー あくまのくまさん」という映画が公開されているようだ。 映画『プー あくまのくまさん』公式サイト 時が経ち、婚約者のメアリ…
この6月にノースカロライナからカリフォルニアに引っ越すわが家。引越し先の住まいをどこにするかが、今の一番の家族の関心事。アメリカの家選びは、子供が学校に通う場合は、まずは学区選びから始まる。”Great!SCHOOL.org”というサイトは、アメリカの公立学…
オードリー・タン、その名前や彼女の功績は何度も耳にしたことがあった。35歳の若さで台湾のデジタル担当大臣に就任し、コロナ禍でマスクの供給が逼迫する状況で、マスクの在庫管理・供給管理システムを迅速に作り、問題を一気に解決した人物として名高い。…
『ヒルビリー・エレジー』というと、前々回の大統領選挙でトランプ旋風が巻き起こった際に話題になった本だ。「ヒルビリー」というのは、アメリカ南部の貧しい白人労働者階級の人びとを指す言葉で、同じエスニシティでありながらもアイビーリーグの大学出身…
とある討論番組に自民党の下村博文氏が出演し、民主主義をどのようにアップデートするかについて討議がなされていた。若い世代の声をどのように政治に反映させるかが大事と説く下村氏にとある出演者から、 「投票者の年齢・平均余命から票数に重み付けをする…
私はアメリカでマネージャー職につき、5年以上経つ。はっきり言ってアメリカのマネージャー職は大変で、面倒臭い。何が大変かというと、 リーダーとして自分の指針を指し示すことが常に求められる 自分のチームの仕事が、如何に価値があり、キャリア形成にど…
アメリカの研究機関が「中国と言われて、一番始めに頭に浮かぶのは?」という問いを通して、アメリカ人がもつ中国に対するイメージの調査をしている。 検閲や人民統制などの人権問題 世界の工場や高い経済成長などの経済力 独裁国家や全体主義という政治シス…
健康志向の高まりを受け、健康系のパワーワードを製品に入れるというのは、デフォルトになりつつある。その中で「低糖質」、「糖質オフ」、「ロカボ」というのは近年最も目につく売り文句であり、もはやバズワードと言っても過言ではない。いつの時代から「…
本日紹介するのは『会計と経営の七〇〇年史』。あまりに重厚なタイトルで思わず尻込みしてしまいそうになるが、ご安心頂きたい。やれ貸方だの、やれ借方だのの会計知識は、本書を楽しむ上では一切必要はない。エピソードと人物の織り成す面白おかしいストー…
アメリカ社会の分断は深刻な状況にまで至っている こういった言説はドナルド・トランプがヒラリー・クリントンを破り、大統領に就任して以降、お決まりのものとなっている。広がり続ける経済格差、健康保険加入者の減少、未だにくすぶる人種差別、などの様々…
「ウクライナの歴史をおおざっぱでも良いので理解したい」 ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、そういう興味を持った人は多いだろう。 おおざっぱに歴史を理解する際に誰もがまずは参照するのがウィキペディア。『ウクライナ』の項目にその歴史がまとめら…
私は仕事が嫌いではない。若干前近代的ではあるが、仕事の高いハードルを超えた時の達成感というのは格別であるし、仕事を通して築いた人脈というのはかけがえのない資産だ。また、培ってきた専門性を活かしながら成果を出すのは楽しくもある。だが、「好き…
このコロナ禍で否応なく「保健所」に注目が集まっているが、本日紹介する『保健所の「コロナ戦記」』は、保健所管理職としてコロナ第一波から、最前線で獅子奮迅の働きをしてきた関なおみさんの独白。東京都に住む方は必読とも言えるオススメの本だ。 保健所…
「保育園に預けた子供の迎えにいかなければならない、せめて夫に連絡させてほしい」 と懇願しても、◯◯◯は、 「早く帰りたいなら、早く認めて楽になれよ」 と迫ったという。 上記の文章の◯◯◯の中に漢字三文字を入れなさい、と聞かれたらどう答えるだろう。殆…
「あなたが日本の大企業に勤めていたら、今頃離婚していたと思う」 ある晩妻とワインを飲みながら話していたら、不意にそんなことを言われて驚いた。幸い、私は新卒の頃から外資系企業に務め、現在はアメリカの現地企業に勤めているので、離婚を免れることは…
読書の醍醐味の一つは、自分の先入観や固定観念、常識を覆され、視野が広がり、新しい目で物事を眺められるようになることいわゆる「目から鱗が落ちる」体験をすることだろう。<中略>まさにそのような醍醐味を満喫させてくれるのが本書『サピエンス全史』…
金融庁検査局と言うと、どうしても半沢直樹のオネエ検査官の黒崎駿一が頭に浮かんでしまうが、「霞が関のジローラモ」との異名を持つ異色の金融庁官僚が実在するらしい。ノンフィクション作家大鹿靖明氏の新作『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』…
衆議院選挙の投票をしにボストンの領事館に行ったというエントリーをあげた。民主主義への能動的な関わりとして清き一票を投じるという義務感は自分に備わったものとしてあるのだが、一方で「一票投じたらそれで良いのか」という疑問が浮かんでくる。なので…
多様性というのはアメリカ社会で生活をする上で、常につきまとう悩ましいテーマだ。出身国も文化も違う人たちのるつぼの中で生活すると、自らの常識が世界の常識か、相手の常識に感じた自分の違和感は正常かどうかを自問自答することに常に迫られる。 他愛も…
アメリカに住むわが家にとって夏の日本への一時帰国は一年の最大のイベントだ。コロナ禍で日本への一時帰国がしばらくできていないが、日本に住む家族と一緒に時間を過ごし、日本の美味しい料理の数々を堪能することを、家族全員がとても楽しみにしている。…
「あなたのどの宗教を信仰していますか?」 というのは、アメリカに住み始めて8年近く経ち、未だに直接的に聞かれたことはないがが、いつも「聞かれたらどのように答えよう」と頭の中であれこれ答えを考えている問いだ。アメリカは、キリスト教のプロテスタ…
ソニーが1.1兆円という過去最高益を20年度の決算で叩き出したらしい。2010年から2014年までは、殆ど純利益赤字という状況からすると見事な復活劇と言って良いだろう。これは2012年にハワード・ストリンガー氏からCEOのバトンを受けた平井一夫氏の手腕の成果…
「世界はどうしてできたのか、また世界は何でできているのか?」、「人間はどこからきてどこへ行くのか、何のために生きているのか?」という問いに対して、人間がこの三千年の間にどのように取り組んできたのかを一冊にまとめてしまおう、本日紹介する『哲…
「本要約動画」というのは、YouTubeで確固としたカテゴリーを築いたと言っても過言ではない。アメリカ在住の私は、新聞や雑誌などの日本の書評が身近にないので、YouTubeの「本要約動画」は散歩中に聞き流すお気に入りのコンテンツだ。 が、その一方で最近の…
政治家としてやりたいことはない、政治家をやりたい人 4年に渡る取材とエジプト時代の同居人からの情報を始めとする貴重な一次情報。そういった事実の積み上げで、都知事小池百合子の実像を浮き彫りにしようという意欲的なノンフィクション作品が『女帝 小…