アメリカの中間選挙はいよいよ次の火曜日にせまった。中間選挙関連のニュースを追っているのだが、その中でひっかかっていたのが共和党によるゲリマンダー。これは、自分の政党に有利になるように選挙区割りを変更するという政治手法、アメリカ政治のえげつないところをよく表している。
このゲリマンダーであるが、ニュースで耳にした時から結構なパワーワードだと感じていた。非常に稚拙な視点で申し訳ないが、初めの2文字の語感がどうしても気になってしまう。みんな、表立って言わないだけで、「ん!?、『ゲリ』マンダー?」と思う方は少なくないのではないだろうか。
娘が日本に本帰国し、現在は妻と18歳の息子と私の3人暮らし。男性比率が高くなってしまったせいか、日ごろの会話の品位も少なからず落ちてしまった。このゲリマンダーを息子に言ったらきっと狂喜乱舞するに違いないと思いつつ、妻を交えてあまり下品な会話をするのは自重すべきだ。私の妻はコーラスクラブに所属しており、火曜日の夜は練習で不在。火曜日の夕方は息子と二人で晩御飯の準備をするので、これは絶好の機会と話題を振ってみた。
今度アメリカの中間選挙があるが、共和党が自分たちに有利になるように選挙区割りを変更しているんだけど、それを何て言うか知っている?
息子は政治への関心は低い。間違いなく「いや、全然わかんない」という答えが返ってくるであろうと思っていたのだが、
あぁ、それ授業でやったよ、うわぁなんだっけなぁ!?
という予想外の息子のリアクション。
彼は現地校の選択科目でGovernmentの授業をとっている。きっと、時事性があるので、教師がカバーしたのだろう。が、あの耳に残るパワーワードを聞いて、18歳とは言え男子である息子が覚えていないというのも不思議だ。必死に思い出そうとする息子は
うーん、ちょっとノート見ていい?
と、あろうことか、授業のノートを取り出し、復習まで始めるではないか。「ゲリマンダー!わっはっは」と、盛り上がるつもりだった私にとって想定外の展開だ。そして、該当箇所を見つけた息子。
あ!あった!そうだぁ、Gerrymandering(ジェリィーメェアンダリング)だ。
と、私には真似できないきれいなアメリカン・イングリッシュで発音するではないか。えっ!?「ジェリー」なの?そう言えば英語版のニュースも基本NotebookMLに投げて音声解説させていたので、Native発音を全く聞いてなかった。おまけに、授業で実際にプリントを使って選挙区割りの演習をやったようで、そのプリントの説明をする始末。
そして、ひとしきり私に説明をした後に、
ところで、Gerrymanderingがどうかしたの?お父さん?
ともっともな質問をする息子。もう、現地校できちんと政治の勉強をしていた息子に感服し、そんな雰囲気でなくなってしまったが、仕方がないので、日本語だとゲリマンダーって言うんだぜ、みたいな話をしたところ
へぇ、そうなんだ、サラマンダーの「ゲリ」版みたいな感じ?
と、レベルを落として、話しを合わせられる始末。
息子は現地校の授業でアメリカの選挙制度や仕組みをきちんと勉強し、演習までしているというのに、私と言えば50歳を超えたいい大人であるにも関わらず「ゲリマンダー、わっはっは」と息子と盛り上がろうと画策する体たらく。父親として大いに恥じ入った。
それにしても、アメリカに暮らしていると、そのカタカナ英語はないだろぉ、と首をかしげることがよくある。ThemeとかAllergyとかかなり違うし、以前住んでいたRaleighは日本語表記がなぜか「ローリー」で、どうしてもなじめず未だに「ラーレー」と日本語でも言ってしまう。
これは言葉が違えば起こってしまう仕方ことないことだと、今まで目くじらをたてることはなかった。しかし、今回ばかりは恨まずにはいられない。せめて「ジェリーマンダー」だったら、こんな恥ずかしい思いをしなくてもすんだのに、おのれ。




