Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

『僕はイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー2』 多様性と寛容さの話

多様性というのはアメリカ社会で生活をする上で、常につきまとう悩ましいテーマだ。出身国も文化も違う人たちのるつぼの中で生活すると、自らの常識が世界の常識か、相手の常識に感じた自分の違和感は正常かどうかを自問自答することに常に迫られる。 他愛も…

日本のワクチン接種率、米国をやっぱりぶっちぎる

日米のワクチン接種率の比較を本ブログで紹介してから2週間ほどたった。予想通り私の住む米国は、箱根駅伝で抜かれる時に一瞬だけテレビにうつる大学の如く、日本に華麗に抜き去られた。日本は接種率が60%に達し、米国は未だに55%程度なので、あっという間…

アメリカ南部在住日本人のコロナ禍の憂鬱

2021年9月16日時点で日本でワクチンを2回接種した人の数は53.2%。1ヶ月前の37.9%と比較すると+15.3%となる。これは私が住んでいるアメリカから見ると爆速とも言うべきペースだ。我がアメリカ合衆国は、同じ時点で55.0%と辛うじて上回っているが、この1ヶ月…

『安いニッポン 「価格が示す停滞」』 安いけどサービスも製品も人材も一流があふれる日本

アメリカに住むわが家にとって夏の日本への一時帰国は一年の最大のイベントだ。コロナ禍で日本への一時帰国がしばらくできていないが、日本に住む家族と一緒に時間を過ごし、日本の美味しい料理の数々を堪能することを、家族全員がとても楽しみにしている。…

プロテスタントの国アメリカで日本、そして世界の宗教を考える

「あなたのどの宗教を信仰していますか?」 というのは、アメリカに住み始めて8年近く経ち、未だに直接的に聞かれたことはないがが、いつも「聞かれたらどのように答えよう」と頭の中であれこれ答えを考えている問いだ。アメリカは、キリスト教のプロテスタ…

『SONY 平井改革の1500日』 GAFAM本じゃなく、これを読め

ソニーが1.1兆円という過去最高益を20年度の決算で叩き出したらしい。2010年から2014年までは、殆ど純利益赤字という状況からすると見事な復活劇と言って良いだろう。これは2012年にハワード・ストリンガー氏からCEOのバトンを受けた平井一夫氏の手腕の成果…

10秒で仕上げる英文メールの書き出し 会議の要点・フォロー編

仕事で英文メールを書かないといけないという人は多いだろう。本題にさっと入りたいのだが、書き出しで苦戦をしている人は意外に多いのではないか。書き出しの言い回しをググっているうちに、10分〜15分時間を使ってしまったという経験は誰にでもあるだろう…

『哲学と宗教全史』 世界の成り立ちや人間の生きる意味とは何か?

「世界はどうしてできたのか、また世界は何でできているのか?」、「人間はどこからきてどこへ行くのか、何のために生きているのか?」という問いに対して、人間がこの三千年の間にどのように取り組んできたのかを一冊にまとめてしまおう、本日紹介する『哲…

『自己肯定感を上げるOUTPUT読書術』 世界で一番優しい読書のススメ

「本要約動画」というのは、YouTubeで確固としたカテゴリーを築いたと言っても過言ではない。アメリカ在住の私は、新聞や雑誌などの日本の書評が身近にないので、YouTubeの「本要約動画」は散歩中に聞き流すお気に入りのコンテンツだ。 が、その一方で最近の…

『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』 良い文章を書くための道標

「良い文章を書きたい」 文筆家に限らず、こういう想いを持っている人は多いはずだ。特にブログが浸透し、誰でも自分の文章を世に発信できるようになった現在、そういう想いを持っている人はますます多くなっているに違いない。その一方で、 どうすれば文章…

10秒で仕上げる英文メールの書き出し メールの背景・目的編

仕事で英文メールを書く機会が増えている人は多いだろう。慣れないうちは、時間もかかるし、自分の書いた内容に自信が持てないものだ。本題に早く入りたいのだが、導入部でつまづき時間がかかるというのは、よくある悩みだろう。 送るメールの背景を簡潔に書…

『女帝 小池百合子』 政治家としてやりたいことはない、政治家をやりたい人

政治家としてやりたいことはない、政治家をやりたい人 4年に渡る取材とエジプト時代の同居人からの情報を始めとする貴重な一次情報。そういった事実の積み上げで、都知事小池百合子の実像を浮き彫りにしようという意欲的なノンフィクション作品が『女帝 小…

海外生活を通した子どもの英語習得についての3つの誤解

「アメリカに住めば子どもは英語をすぐに習得することができる」は都市伝説 多くの日本人は「アメリカに住めば子どもは英語をすぐに習得することができる」と思い込んでいるが、これは私に言わせれば都市伝説である。アメリカでの子育てと教育は、「誰だよ、…

「人新世の『資本論』」の読み方

本書「人新世の『資本論』」は、進行を続ける環境破壊を止め、真の持続可能な社会を実現するためには、資本主義から脱し、マルクスの『資本論』にならってコミュニズムを導入しないといけない、という壮大なテーマをぶち上げた、大変意欲的な本である。 人新…

アメリカ移住するにはどのくらいの英語力が必要か

この度、”自由に生きる海外移住”という新ブログを立ち上げました。より多くの日本人が海外で活躍できるように、アメリカでの仕事や生活についての情報発信をしています。興味のある方は是非御覧ください。新ブログでの”アメリカ移住するにはどのくらいの英語…

組織の論理より大切なこと

「ねばならない」より大切なこと アメリカで仕事をしていると、「この人たち、本当に自由だな」と感じることが多い。 子どものお迎えは当然のこととして、犬の散歩を理由に定時前に帰宅する 期限内に仕事が終わっていない場合でも、「他の優先事項があったの…

『投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント』 若者が読むべき3つの理由

シックで重厚な表紙、「投資の大原則」という背筋の伸びるタイトル、バートン・マルキールとチャールズ・エリスという著書の厳つさから、とっつきにくそうな印象を受けるが、本日紹介する『投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント』は、誰にでも実現可能…

『その後のとなりの億万長者』富と収入の違いを理解し、富を築く

「お金持ちになりたい」、そう思っている人は世の中に沢山いるだろう。野村総合研究所の調べによると、日本の全世帯の中での億万長者(純金融資産1億円以上)の割合は2.5%ほどの模様。50人いたら1人は億万長者というのはそんなに悪い数字ではないが、少数派…

『スマホ脳』 時間泥棒から身を守るための脳科学

スマートフォン、略してスマホを使わない日は私は一日もない。朝はスマホの目覚ましで起き、眠気ざましにSNSをベッドの上でだらだらチェックし、起きぬけに計った体重と体脂肪率を登録し、顔を洗ったりヒゲを剃ったりしている間に音楽を流し、YouTubeで朝ヨ…

『歴史を活かす力』 「何故、歴史を学ぶのか?」のかという問いへの答え

「何故、歴史を学ぶのか?」、そんなシンプルな問いを子どもから問いかけられたら、小難しい説明はおいておき、「まぁ、この本でも読んでみなさい」と取り敢えず渡してしまいたい、『歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A』はそんな本だ。 歴史を活かす力 人…

在宅生活で健康体を保つ上で重要な三つのこと

コロナ禍で在宅・テレワーク生活をしている人も日本でも大分増えてきた模様。が、その結果として「コロナ太り」や「おこもり太り」なんて造語ができるくらい体重が増えてしまった人がかなりいるようだ。理由は様々あるようだが、運動量の減少がどうも一番の…

『夢を叶えるための勉強法』 受験は自己肯定感を養う絶好の機会

私は都内の中高一貫の私立学校に通っていた。高校受験はしなかったので、高1の時がおそらく学力の底辺であった。全国模試などは中学受験以来受けたことなどなかったのだが、大学受験に向けて自分の位置を把握するのも大事だろうと考え、高1の終わりに河合…

『潜入ルポ amazon帝国』の「潜入ルポ」部分が短すぎる理由

『ユニクロ潜入一年』に引き続いてジャーナリスト横田増夫氏のルポ『潜入ルポ amazon帝国』を手にとる。わが家は家族全員がKindleを持ち、書籍の購入はほぼamazonでし、書籍以外のオンラインの買い物の大半もamazonでするというヘビーユーザだ。幸か不幸かEc…

『16歳のデモクラシー』

本書『16歳のデモクラシー』は、佐藤優氏が埼玉県立川口北高校の2年生を対象に、ラインホルド・ニーバーの『光の子と闇の子』を題材に民主主義について講義をしたものを書き起こした講義録だ。昨今、政治の混乱と民主主義の危機が声高に叫ばれており、「民主…

成田空港の新型コロナウィルス検疫手続きについて

ただいま、日本に一時帰国中で、都内某所で自主隔離生活中。公共の交通機関の利用は控えるようにとのお達しがでているので、基本隔離先でおとなしくしている。入国に際し、抗原検査を成田空港で受けたのだが、どんな検査をどんな手順で受けるのか、事前に知…

『自分の頭で考える日本の論点』 新出口節と元祖出口節

日本に住んでいる時に一度だけ出口治明氏の勉強会に参加したことがある。キリスト教が歴史的に見て、何故世界の三大宗教になるまで発展したのかというテーマについて、氏独特の壮大なスケール感を熱っぽく参加者に語る姿が印象的な会であった。勉強会の後の…

『ユニクロ潜入一年』 実力主義の管理職に求められる資質

在宅生活が始まってからスポーツウェア以外は殆どユニクロ一択となっている。日本人の体にあったサイズが米国で買えるという現実的な事情もあるが、気ごこちとコストパフォーマンスを考えると、部屋着については正直他に選択肢が見当たらない。寒くなってき…

社会人としての仕事の極意はみんなバイトの中華料理屋で学んだ

私は、学生の頃に大学の近くの中華料理屋でバイトをしていた。勿論、聘珍樓のような中華の名店ではなく、大学のある東京都国立に昔からある「町中華」で、多い時でも社員2名、バイト2名体制でまわす、客席30くらいの小さな店だった。友人は家庭教師など…

『FACTFULLNESS』 データに基づいてコロナ禍を読みといてみる

2020年もあと一月で終わろうとしている。2020年のビジネス書ランキングで常に上位を維持している『FACTFULLNESS』は気にはなっていたが、今一つ食指が動かず手にとってこなかったが、やはり話題のビジネス書は目を通しておいたほうがよいだろうという若干後…

『いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』 自分と向き合う時間を作る

ステイホーム生活が始まってからわが家では朝礼を朝食を食べながら毎日実施している。日ごとに子供も含めて担当の家事が決まっているので、その日の家事の内容を確認したり、夜の電話会議の予定を全員と共有したり、週末に皆で決めた晩ごはんのメニューを確…

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