ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

Column

情報大洪水時代を生き抜くために大事な2つのこと

過去2回のエントリーでNich Carrの“Is Google Making Us Stupid?”を取り上げたが、私なりの考えも混ぜながら要点をまとめ直すと下記のような感じになる。 モノを読み、考えるという行為・能力は後天的に形作られるものであり、神経学・生物学的レベルで脳の…

“Is Google Making Us Stupid?”考 その2

前回に引き続き、Nich Carrの“Is Google Making Us Stupid?”の要点の紹介とコメントを。 Wolf worries that the style of reading promoted by the Net, a style that puts “efficiency” and “immediacy” above all else, may be weakening our capacity for…

“Is Google Making Us Stupid?”考 その1

Nich Carrの“Is Google Making Us Stupid?”という雑誌への寄稿を読んだ。「Googleは我々人間を愚かにするのか?」とかなりあおったタイトルだが、中身を読んでみると実はGoogleはあまり関係ない。「インターネットの普及に伴う情報の大洪水とそれを効率的に…

「孤高の脳」を持ったプロフェッショナルの有り様

梅田さんの棋聖戦観戦記を読んだ。将棋の観戦記を可能な限りリアルタイムでウェブにあげていくという企画面の目新しさはそれはそれで面白いのだが、むしろ「孤高の脳」が激しくぶつかり合いながらも、世界で一番難しい課題を共同で解いていくような様に深く…

RSSリーダーとジェットスキー

RSSリーダーで大量の情報を拾い読みするということが習慣づいてしばらく経つ。 タイトルで瞬時に読む、読まないを判断し、読むと決めたものもざっと読み、文書に引き込まれるものがなければ、途中であってもそのエントリーは終わりにし、次のエントリーへ。…

「悪の帝国」にならないためのGoogleの巧妙な作戦

id:yomoyomoさんの”MicrosoftからGoogleに受け継がれる「悪の帝国」の座"というエントリーを読み、"Relax Bill Gates; It's Google's Turn as the Villain (ビル、リラックスしていいよ、悪役はGoogleの番だから)”というNYTの記事を思い出した。 Googleの…

Yahoo!買収断念考 Ballmerの選んだ「土俵」のはなし

MicrosoftがYahoo!の買収を断念した。3ヶ月でその実現可能性を見極め、迅速に意志決定を下したBallmerのその経営者としての「基礎体力」の高さにまず驚いた。買収に向けての用意周到さ、株主と世論に対し定量的に企業価値をコミットメントするその姿勢、「本…

ウェブにおける「文化」と「文明」

今、司馬遼太郎の『アメリカ素描』を読んでいるのだが、「文化とはなんぞや、文明とはなんぞや」という問いかけがなされており、あまりそういうことを真剣に考えたことのない私には大変興味深い。本書の冒頭で、司馬遼太郎は「文化」と「文明」を下記のよう…

宮大工に学ぶウェブ時代の学びの姿勢

最近仕事が非常に忙しく、帰りの電車の中で英語などを勉強しようとしても疲れからか中々みが入らないので、勝間本などの読みやすい仕事術系の本を読むことが多い。しかし、仕事術系の本というのは諸刃の剣で、相当に注意をしていても、読んだだけでなんとな…

Nich Carrの久しぶりの爆発と音楽産業

久しぶりにNick Carrネタを。 Nick Carrと言えば、日本のBlog界隈でもかなり知名度の高い辛口IT批評家。"The amorality of Web 2.0"というエントリーでWEB 2.0熱に対して理性的に冷水を浴びせ、かなりの非難・反論を受けながらも、同時にその論旨に対し多く…

マイクロソフト技術資料公開のニュース考

マイクロソフトのOSは複雑怪奇なAPIの使用をプログラムの開発者に強要し、そのプログラムを他のOSに移植することを極めて困難にしており、非常にけしからんという下記の話を読んでいるところに、 [rakuten:book:10784257:detail] 新しいもの作りの支障となる…

はてなの京都移転とウェブサービス事業の評価指標

はてなの京都移転が方々で議論をよんでいる模様。トヨタ自動車が名古屋から東京に移転するというのならそれなりに話題になるのはわかるが、とあるベンチャー企業の引越しがこんなに色々賛否をよんでいることはなかなか面白いことだと思う。 中でも私が面白い…

SalesforceのOracleへの身売の噂に覚える青臭いげんなり感

M&Aの噂が飛び交う季節だが、Tom Foremskiが情報源から聞いたところでは、SalesforceがOracleに1株あたり$75で売り込んでいるそうだ。Oracleがこの申し出に乗れば、Salesforceの価値は$9B(90億ドル)弱ということになる。 噂の域をまだでていないが、Sales…

オープンソースでなければ誰か保証してくれるのか

恥ずかしい限りなのだが実は"The Cathedral and the Bazaar"(日本語訳:伽藍とバザール)は名前はよく聞くのだが読んだことがなかった。新しい会社はオープンソースを取り扱う会社なので、「『伽藍とバザール』くらいは読んでおいてね」と会社の人に言われ、…

ビルゲイツの引退と一つの時代の終焉

Nicholas Carrが自身のブログの"Exit Gates"というエントリーで、FINANCIAL TIMESに掲載した自分の長文のコラムを紹介している。 When the founder of Microsoft retires this year, it will not only mark the close of a remarkable business career. It w…

資本の支配からの開放

今回も読み途中の『WIKINOMICS』から。本質的かつ重要な指摘が第3章でなされている。 For starters, the economics of production have changed significantly as we have moved from industrial to an information-based economy. In the industrial econom…

企業の中と外の線引き

『WIKINOMICS』でRonald Coaseの「取引コスト」の話がでてきて非常に興味深かった。 All this leads to what we and our colleagues call "Coase's Law":A firm will tend to expand until the costs of organizing an extra transaction within the firm be…

市場における支配企業の独占を崩す方法

かなり前の記事だがJoel Spolskyの"Strategy Letter III: Let Me Go Back! - Joel on Software"というエントリーを読んだ。取り扱われているトピックは、圧倒的なシェアを保持し、独占状況にある企業の支配を崩し、自らが覇権を握るにはどうしたらよいかとい…

日本の雇用規制と下請け丸投構造

重層的な下請け構造だって情報サービス産業の悪弊ではなく日露戦争後から広範に観察される産業構造で我が国の職業倫理や雇用規制に深く根ざしている。・・・ 多くのユーザー企業が要件定義から丸投げするのは、要件定義できる人材を内部で抱えておらず、中途…

Googleの会議術考

梅田さんの"鈴木健著「究極の会議」"というエントリーで紹介されていた、" How to Run a Meeting Like Google"というGoogleの会議術を読んでみた。会議術としての基礎の基礎がある一方で、仕事術にも通じるものがありなかなか興味深い。要点を私になりにまと…

Googleの抱える本当のリスク

New York Timesの"As Its Stock Tops $600, Google Faces Growing Risks"という記事に、タイトルどおり株価が$600を超えたGoogleに対し、更なる成長をする上でどのようなリスクがあるのかが記載されている。あげられているリスクは 急激な雇用の拡大に伴い品…

これからのEngineerに求められる素養

"Re-engineering Engineering"というNYTの記事を読んだ。伝統的なEngineeringの教育を否定し、新しいあるべきEngineeringの教育を確立するために奮闘しているOlin Collegeの特集記事。そこで語られる教育方針というのは、ある意味ではこれからのEngineerに求…

無邪気なGoogle礼賛を超えて

"グーグルが起こす第二の革命"はかなり読み応えのある良エントリーだった。 Googleのマネジメントシステムの特徴は、資源配分を経営者による階層構造の定義によってトップダウンでするのではなく、現場に権限委譲をし、マーケットメカニズムによって最適化す…

ポジティヴな想像力につなげる

"ローレンス・レッシグ、Web 2.0批判本に反論"で取り上げられている通り、『The Cult of the Amateur』で名指しで批判を浴びているLawrence Lessigが"Lawrence Lessig - Keen’s “The Cult of the Amateur”: BRILLIANT!"というエントリーで反撃をしている。ポ…

新聞社の数は今の10分の1で充分

ブログなどのアマチュアメディアの台頭とCraigslistなどのサイトの台頭に伴う収入の減少により、 大手新聞社は十分な取材編集体制を整備することができなくなり、その結果として良質な記事を発信することができなくなる。 結果としてアマチュアの作った石こ…

『the cult of amateur』と『デジタル音楽の行方』の衝突は不発

The Cult of the Amateur: How blogs, MySpace, YouTube, and the rest of today's user-generated media are destroying our economy, our culture, and our values作者: Andrew Keen出版社/メーカー: Crown Business発売日: 2007/06/05メディア: ハードカ…

"the cult of amateur" 浮かび上がる対立軸

The Cult of the Amateur: How blogs, MySpace, YouTube, and the rest of today's user-generated media are destroying our economy, our culture, and our values作者: Andrew Keen出版社/メーカー: Crown Business発売日: 2007/06/05メディア: ハードカ…

"the cult of amateur" ユーザ参加型を懐疑的にとらえなおす

本屋に溢れかえるWEB 2.0本の増殖傾向はとどまるところを知らないが、その大半は礼賛本であり、骨の太い批判本というのはあまり見たことがない。WEB 2.0の大きな可能性をうたった解説本や礼賛本のみではなく、気合のはいった中身の濃い批判本を是非読みたい…

「政府の知的財産戦略」考 まず壊すことが大事

ICPFセミナー第19回「政府の知的財産戦略」に参加してきた。政府の知的財産戦略推進事務局の方が「知的財産推進計画2007」の骨子を前半部分で説明してくださり、後半部分は参加者がディスカッションをするという形式だったが、この領域について不勉強な私に…

「何ができますか?」「部長ができます」

中小企業から大企業に諸般の事情から転籍し、たまに感じるもやもやとした私の違和感をid:essaさんがうまく表現されている 誰も食わないラーメンを作っているのに収入が保証されている仕事が世の中には多いなあと私は不思議に思うのだが、身分が明確でないの…

ネット徘徊時のOnとOff

はてなブックマークのホットエントリーは最近凡庸 今月のMonthly newsingが非常に低俗 という意見はたまに目にするし、私も同じような印象を持っている。ただ、それがイコール「そこに集まっている人が凡庸で、低俗」となるかというと、一概にそうでもないか…

『フューチャリスト宣言』と"We Are the Web"

『フューチャリスト宣言』の中でインターネットが実現する未来を最も大胆かつドラスティックに予想しているのは下記のくだりだろう。 フューチャリスト宣言 (ちくま新書)作者: 梅田望夫,茂木健一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/08メディア: 新…

猶予期間より駆り立てれる外圧が大事

米国ではこれを指標に20年くらい経営されてきたのだが、わが国では企業経営者が本気で株主利益を考え始めたのは、ほんの数年。だから、新しい「株主利益を最大化する」というルールのもとでの経営が定着するまでは「下駄をはかせる」必要があると考える。 岩…

機関投資家資本主義

「真の実力(曖昧な定義だが・・・)」が5倍というわけではなく、「時価総額という指標で図るゲーム」の中での実力が5倍ということ。同じような事業をやっていても、よりフリーキャッシュフローが出やすいのような戦略を取り、資本効率を高めるような財務リ…

投資家のリテラシー

中島さんが"Life is beautiful マザーズへの提言"というエントリーで、下記のことを書かれているが、少し釣りすぎ、煽りすぎで正直あまり感心できない。 まずは、京都大学のコミュニティサイトのこの書き込みを見ていただきたい(日付に注目)。 1. あ 2006/…

ドリコム業績下方修正にみるベールの下の装い

ドリコムが伸び悩んでいるとのこと。 連結業績における売上高は前回予想の15億円に比べ、42%減の8億7000万円、経常損失は1億8000万円(前回予想は4億円の経常利益)、純損失は1億1000万円(同2億3000万円の純利益)となる。 あまり過敏にこの手のことで騒ぎ…

ビジネスに対する"テネーシャスネス(Tenaciousness)"

川崎さんの"虚構−堀江と私とライブドア"の書評を読んだ。淡々と本書の要点を語るスタイルの書評ながらも、そこかしこにベンチャーの経営者としての川崎さん自身の問題意識が透けて見えてくる非常に力の入ったエントリー。 利益をあくなく追求するビジネスパ…

ブログの書籍化考

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門 [ソフトバンク新書]作者: 白田秀彰出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/07/15メディア: 新書購入: 9人 クリック: 223回この商品を含むブログ (152件) を見る先日読み終えた『インターネ…

日本的経営がうまくいった訳

日本的経営三種の神器といわれた「終身雇用・年功序列・企業別労働組合」って、今となっては悪い方のイメージを持たれることが多いワードたちなんだけれど、成長市場で活動する成長企業においてこの3つともを併用するとたいへん理にかなった組織運用が可能に…

村上ファンド事件報道についてのありきたりな日経新聞批判

「マスメディア」の村上ファンドインサイダー取引事件に対する反応は、ライブドア報道の時と同じでどこもかしこも下記のような同じ内容となっている。 村上ファンドの行動は倫理観を欠いた市場を欺くものだ もの言う株主として日本の資本市場に緊張感を与え…

「通信と放送の融合」とは?

毎日のように声高に叫ばれている「通信と放送の融合」。市井のユーザーからすると,韓国のようにテレビ放送が終了した後で,前回までのドラマが放送局のサイトからビデオ・オン・デマンド(VOD)で提供されるとうれしい。それこそが「通信と放送の融合」の身…

公共性・中立性は参入障壁ではない

実際、自分としてもブログを日々書いている中、「ジャーナリズムたるには、中立性とか不偏不党がうんぬんかんぬん」とやられてしまうと、あまりに恐れ多いし、なんか話がややこしくなって、ブログを書く手も止まってしまうという感じがあります。 http://blo…

バーチャルな企業統合のもたらす経営のパラダイムシフト

カスタマーエコノミー革命―顧客中心の経済が始まった作者: マイケルハマー,Michael Hammer,福嶋俊造出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る 顧客中心の経済では、社内の…

決算早期化考

カスタマーエコノミー革命―顧客中心の経済が始まった作者: マイケルハマー,Michael Hammer,福嶋俊造出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る オールアメリカの採用した方…

顧客に発生するコストの構成要素は?

カスタマーエコノミー革命―顧客中心の経済が始まった作者: マイケルハマー,Michael Hammer,福嶋俊造出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る ETDBWを実現することの重要性…

「システム導入ではなくBPR」という言葉の意味

リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新作者: マイケルハマー,ジェイムズチャンピー,野中郁次郎出版社/メーカー: 日経発売日: 1993/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る ビジネスリエンジニアリングの簡単な定義を問われたら…

フジテレビ・ライブドア問題から考える電波の公共性

http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u105.html テレビ局は「映像コンテンツを製作して、それを日本中にあまねく配信する」ために存在しており、そのためには、編集機材から放送設備まで莫大な投資が必要だった。 フジテレビ・ライブドア問題…

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