Thoughts and Notes from CA

アメリカ東海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

Column

スティーブ・ジョブズ氏の訃報に寄せて

今年は原因不明の消化管出血を患い、検査のために病院に通う日々を一時期過ごした。「お前は若いから癌なら進行が早くポックリいく」なんて激励を周囲から受けつつ、可能性としてなくもないよなぁと死について考える貴重な機会をえた(幸いにも癌ではなかった…

時間の管理についての4つの金言

「時間ってこんなにないものか」と最近感じることが多い。決して多くの時間を無駄にしているわけではないし、時間の管理もかなりきちんという自負もある。だが、とても新しいことには着手ができないし、今手元にある中で何かを捨てようとしても、容易に捨て…

『日経ビジネス3月28日号 311 企業がすべきこと』日経ビジネスへの期待

今週の日経ビジネスは「311 企業がすべきこと」という特集でなかなか面白かった。冒頭で「復興に貢献する使命と決意」というタイトルで編集長の寺山さんの決意表明が掲載されており、非常に力のはいった文章で読み応えがあった。 誰が未曾有の難題に挑むのか…

リアルタイムで人とつながるということ Twitterの力

Twitterを使用しはじめてかれこれ半年ほど経つ。ブログ同様つぶやきの頻度は低いものの情報収集、発信のツールとして重宝している。先週の大震災の際になかなか得がたい経験をし、「リアルタイムで人とつながる」というTwitterの力を実感することがあったの…

ぶれるGoogleとぶれない任天堂

日経ビジネスの2011年2月11日号の「ゲームのデフレを突破」という任天堂岩田社長のインタビュー記事と「大企業病に挑むグーグル(原題:Larry Page's Google 3.0)」という記事が何とも対照的でなかなか面白かった。 3〜4年前はGoogleの記事というと飛びついて…

「話を聞かない夫」に「話」を聞いてもらうのに大事な5つのこと

なんてタイトルをつけるといかにも自分自身が「話を聞く夫」かのようだが、私はどちらかというと「話を聞かない夫」の部類に入る。「聞かない」というより納得感が一定以上に達しないと「話」として知覚できないというほうが正確な表現ではあるが、世の女性…

産後女性のコモンセンスとパートナーシップへの雑感

先日マドレネットワークサロンという会に妻と一緒に参加をしてきた。マドレボニータという主に産後の女性を支援するNPO法人が主催するもので、妻もその活動の参加している。二組の夫婦をパネラーにして子育てというより夫婦間のパートナーシップについて色々…

何をもってオープンソース・カンパニーとするのか?

Montyの"What is an Open Source Company?"というエントリーが面白い。世に自社のことをオープンソース・カンパニーとうたう会社は多いが、じゃぁオープンソース・カンパニーって一体何なのかということを問うている。エントリーの中で引き合いにだされたの…

「gifts(持って生まれたもの)」と「choices(自ら選択したもの)」

“The power of Words“ 経由で知ったジェフ・ベゾスのプリンストン大学での卒業式のスピーチがなかなか面白い。プリンストン大学というと2009年の世界大学ランキングでスタンフォードやマサチューセッツをおさえ、堂々の8位にランクされる俊英揃い(なお、日…

「仕事はできるが英語はできない」なんて考えはそのうち無くなる

楽天やファーストリテイリングが社内公用語を英語にしたことについて、議論が百出している模様。遅ればせながら私もこのネタに便乗してみたい。 英語が公用語という環境では、「仕事はできるが英語はできない」という人間よりも「仕事はできないが英語ができ…

大手SIer(インド)の収益向上がとどまることを知らない件

"大手SIerの利益悪化がとどまることを知らない件"で紹介されている表をちょっと拝借し、営業利益率を加えてみた。 #sier-report { width:550px; border:1px solid #ccc; } #sier-report th,td { border:1px solid #f1f1f1; text-align:center; } #sier-repor…

Googleの"The meaning of open"の要点

Google の Jonathan Rosenberg が"The meaning of open"というエントリーを書いたのは、話題になったのでご存じの方は多いと思う。色々なリアクションを見ると、検索と広告のプログラムを"Open Source"にしない理由に対する突っ込みが非常に多いように思うが…

日本とインドのシステムインテグレータの決定的な違いと日本の行く末

前回のエントリーで日本とインドのシステムインテグレータは非常に似通っているという話をしたが、今回は決定的に違う点を1点指摘したい。既にぶくまのコメントでも頂いているが、その違いは使用言語、もっと俗っぽいいい方をすれば英語力だ。インドのシステ…

インドの巨大システムインテグレータのはなし

以前、"インドのIT業界の階層構造事情"というエントリーを書いた際に、とある人気ブログの管理者の方から下記のような質問を受けた。 会社全体の組織体系はどのようになっているのか プロジェクトの進め方、チーム構成はどのようになっているのか プロジェク…

自動化、システム化についての雑感

現在アメリカ出張中で、先週1週間は自社の様々な業務の改善、改革についてアメリカの各担当者と情報共有、意見交換を行った。その中で再認識したのが、アメリカ人の自動化に対する飽くことのない欲望。「テクノロジーを活用すれば、機械に置き返ることできる…

Googleゼロ成長 2009年第2四半期決算考

Googleの第二四半期の決算が発表された。数字を見る限り、完全に成長は止まったという感じだが、C-Netは"グーグル、第2四半期決算を発表--広告売り上げが好調"なんて記事を書いており、びっくり。具体的に数字を見てみると、売上は前年同期比では確かに3%増…

物事を習慣化するための泥臭いステップ

本を読んだり、ウェブを徘徊していると、目から鱗が落ちるようなアイデアやLife Hacks術に出会うことは非常に多い。一方で、出会いの機会は多い反面、そういったものが自分の中で習慣化し、血となり肉となるケースというのは我ながら驚くほどに少ない。「あ…

便乗して岡田女史に釣られてみる

岡田女史の釣り記事(その1、その2)で、結構盛り上がっている模様。盛り上がりに花をそえているのは「釣り場の解説師」切込隊長。普段は岡田さんの釣りっぷりを揶揄し、釣られている諸氏に実況解説を加えるというのが彼のスタンスだが、今回は釣られサイド…

日本産業の重層的な階層構造の歴史

以前、"日本のIT業界はなぜ重層的な階層構造をとっているのか"というエントリーを書いたら大きな反響を頂き、その反響の中で「本件は歴史を遡らなければ本当のことはわからん」というコメントをいくつか頂いた。おっしゃる通りと思いながらも、なかなか調べ…

文系でも参加可能なオープンソース型プロジェクトに30代集まれ

先日誕生日をむかえ、なんと34歳になってしまった。もちろん、まだまだ34歳という気持ちはあるが、自分より年下の社会人の層が十二支一サイクル分の厚みがあることを考えると、結構自分も年をとったなぁと思う。そして、年をとるにつれ、自分が上の世代から…

クラウド・コンピューティングは大企業でも適用可能か?

マッキンゼーが"Clearing the air on cloud computing"というレポートの中で、企業が自身のデータセンターを抱える際のコストとAmazonのEC2を利用する際のコストを比較しており、なかなか興味深い。 Current cloud computing services are generally not cos…

ハードウェア事業を手にしたOracleはどこへゆくのか?

OracleはSun Microsystemsを買収することによりハードウェア事業を手にしたこととなる。ハードウェア企業がソフトウェア企業を買収したことは多々あれども、その逆はかつて例がない。ソフトウェアがハードウェアのおまけだった時代から、ソフトウェアそのも…

OracleのSun買収 気になる海外の反応

"IBMのSun買収考"なんてエントリーを書いてから1月も経たないうちにIBMが買収をやめてしまい、Oracleによる買収が決まってしまった。何かエントリーを書こうと試みているのだが、解釈が難しくなかなかまとまらない。頭を少し整理するために、本件についての…

Google初の減収 2009年第一四半期決算考

Googleが2009年の第一四半期の決算を発表した。売上は前年同期比で6%増加しているものの、前四半期比では、3%減少と初の減収。かろうじて前年同期比でプラスをキープしたものの2008年第一四半期の前年同期比は42%増、2008年第4四半期の前年同期比は18%増だっ…

マッキンゼーのクラウドコンピューティングの定義

Nich Carrのエントリ経由で知ったのだが、マッキンゼーが"Clearing the air on cloud computing"というレポートを発行しており、そこに諸説あるクラウドコンピューティングの定義がのっており、流石にきれいにまとまっているので紹介したい。 1.Hardware man…

IBMのSun買収考

IBMによるSun Microsystemsの買収がいよいよ大詰めにはいっている模様。2000年のピーク時には時価総額が2,000億ドルをこえたこともあった(尚、現在IBMの時価総額は1,372億ドル)Sun Microsystemsが、10年も経たないうちに、その価値をわずか63億ドルほどに…

芯のあるジャーナリストとないジャーナリスト

日経ビジネスの2009年3月31日号の「敗軍の将、兵を語る」がかなり面白い。 ネットによる言論も大いに結構です。ただ、教養に裏打ちされた文章ばかりというわけではありません。このように言論状況が玉石混交となっている時だからこそ、論壇誌として健全な論…

『暴走する資本主義』にみるアメリカ企業の限界

『暴走する資本主義』は話題になっただけあって、現代の資本主義に対する考察として質はかなり高いし、興味深く読むことができた。ただ、企業に求められる社会的な責任に対するライシュの結論に対しては、私はかなり違和感を覚える。 暴走する資本主義作者: …

IBMとAmazon提携にみるIBMのCloud Computing時代の戦略

久しぶりにNich Carrのエントリーを紹介したい。"Another little IBM deal"というエントリーでIBMとAmazonの提携について考察しており中々面白い。ポイントをかいつまんで書くと、 IBM DB2、Informix Dynamic Server、WebSphere Portal、Lotus Web Content M…

アイデアを行動にうつすためのもう一つのアイデア

本を読んだり、ネットを徘徊したりすると目から鱗が落ちるようなアイデアと出会うことは非常に多い。一方で、「読んで目から鱗が落ちただけではだめ」とか、「何冊も自己啓発書を読むよりも、2〜3冊に書かれていることを確実に実行するほうが大事」とか、頭…

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