Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

物事を習慣化するための泥臭いステップ

本を読んだり、ウェブを徘徊していると、目から鱗が落ちるようなアイデアLife Hacks術に出会うことは非常に多い。一方で、出会いの機会は多い反面、そういったものが自分の中で習慣化し、血となり肉となるケースというのは我ながら驚くほどに少ない。「あれこれと色々な本を読むのではなく、1つの本でえたものをきちんと習慣化できてから、次に手を出しなさい」なんてアイデアに目から鱗が落ちても、また次の本についつい手をだしてしまうのが、まぁ人情というものだろう。そういった人情に流されないためには「仕組み」が必要なわけだが、あれこれと試行錯誤しながら作ってきた仕組みが、最近ようやく形になってきたので、本エントリーではそれを紹介したい。

イデアを実現するためのもう一つのアイデアに徹底的にこだわる

知識や頭で理解していることが必ずしも行動に移せるわけではありません。アイディアを生み出すことと、それを発展させ行動を移していくことでは、別のプロセスが必要なのです。
そして、今私たちがもっとも必要としているのは、ユニークなアイディアだけではなく、そのアイディアを行動に移すことのできる、もうひとつのアイディアなのです
コーチング・マネージメント』 〜PART1:WHAT'S COACHING? P.26〜

「アイデアが実現できないのは、それを実現するためのもう一つのアイデアがないから」というのは、禅問答のようではあるが、問題の本質を的確にとらえている。瞬間最大風速的に目から鱗を落としたアイデアが、知らず知らずの間に忘却の彼方に消えていってしまうのは、それを実現するためのもう一つのアイデアが自分になかったからに他ならない。過去に実現・習慣化したアイデアを振り返ってみるに、意識的に考えたわけではないにせよ、そこには習慣化するためのもう一つのアイデアがいつも存在していた。なので、何か良いアイデアにであったら、まずはそれを習慣化するためのもう一つのアイデアがないかどうか探すことから始める、この発想は決定的に大事である。本エントリーでは物事を習慣化するためのアイデアを以後いくつか提示するが、セットであわせてそれを実現するためのもう一つのアイデアも提示していきたい。

読みっぱなしにせず、繰り返し繰り返し読み込む

これは基本的なことだが、非常に重要。記憶し、自分の脳からいつでも取り出し可能な状態にするためには、その情報を繰り返し脳にすり込むのが一番。溢れんばかりのアイデア・考え方が次から次に押し寄せてくる中、情報を読みっぱなしにするのではなく、これはと思ったモノについては繰り返し読むのが習慣化に向けての第一歩。
だが、これは言うは易の典型。一度読んだ本を本棚から引き出し何度も読むというのは、簡単にできることではない。なので、このアイデアを実現するためには、簡単に再読できる状態をつくり出すためのアイデアが必要だ。そのために私がやっているのは下記の3点。

かなり細かいことも含まれるが、習慣化できるかどうかの差はほんの1ミリの工夫の差だったりするので、細かいことも含め、積み上げるのは非常に大事だ。

週単位で習慣化にチャレンジする項目を決め、日に我が身を三省する

これは

道は開ける 新装版

道は開ける 新装版

フランクリンは土曜の晩まで待たず、毎晩自己反省をして、十三の重大な過失を発見した。そのうちの三つを挙げると、時間の浪費、小事にこだわること、他人に難癖をつけたり反駁したりすること、だった。賢明なベンジャミン・フランクリンは、これらの欠点を取り除かない限り、あまり向上できないことに気がついた。そこで彼は、まず第一の欠点と一週間連日戦うことにして、この毎日の激しい戦いで、どちらが勝つか記録をつけた。第二週には、第二の欠点を取り上げて戦いを挑み、終了のゴングが鳴るまで戦いつづけたものだった。このようにしてフランクリンは、自分の欠点との戦いを毎週、二年間つづけたのである。
『道は開ける』 〜私の犯した愚かな行為 P.308〜

という『道は開ける』の一節をみて思いついたこと。
習慣化に向けての次のステップは実際に行動にうつすことだ。ここで大事なのは、やろうとすることを決め、できたかできなかったのか毎日反省すること。私の場合は、月曜日の電車の中で、書庫ブログを見ながら、その週にチャレンジすることをとにかく決める。別にそれは、新しいことでも、最近さぼりがちなことでも、前週と同じものでもよい。そして、その決めた項目を達成できたかどうかを帰りの電車の中で10分ほどチェックし、できなかったことを3つ手帳に書き出す。できていなかった場合は、具体的にどのシーンでできなかったのか、どうすべきだったのか、何故できなかったのかを考える。こう書くと大変そうに見えるが、やってみると10分も時間はかからない。
具体的なシーンを思い出しながら手帳に書き出し、なぜできなかったのかを考えるというプロセスを繰り返し踏むと、自分に向いているものは自ずと習慣化されていく。「吾日に吾身を三省す」という言葉が論語にあるが、よく言ったものだと思う。
このプロセスを実現するためには、なるべく簡単に反復しやすい作業にするためのアイデアが必要だ。そのための私の工夫は下記3点。

  • 1週間の見開きページの中にAwarenessという欄がある勝間手帳を利用
  • 三省は帰りの山手線(乗車時間10分ほど)の中で実施
  • 休みの日や飲み会のある日は割愛

大抵の日本人は通勤時間中に本を読むには短い手持ちぶさたの時間というのはあると思う。そういった隙間時間を見つける、もしくはつくり出すというのが大事な発想だと思う。また、何でも完璧にやろうとしないことも習慣化に向けての大事な考え方と思う。

習慣化に結びつかなかったものは、軽いタッチで諦める

無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法

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どんなにいい方法でも、やることがたいへんだったり、自分の考え方と合わなかったりして、習慣化できるものが少ないからです。すると、どうせ習慣化しないのだがか、ということでやること自体をあきらめてしまうことが多い。
しかし、そこは考え方を転換してください。十の方法を試して、一つでも自分の習慣として残ったら、それはもうけものだということです。
この十に一つというのは私の経験則からきています。試さないものは決して習慣化しませんが、十試せば一つの習慣が、百試せば十の習慣が手元に残っていきます。
『無理なく続けられる年収10倍アップの時間投資法』 〜基礎編 P.35〜

習慣化しなかったものは諦めるというのも大事なプロセス。そもそも自分にあわなかったものもあれば、たまたま期が熟していなかったものというのもある。アイデアなんて溢れる程あるのだから、一つのことに固執しないというのは非常に大事な考え方だ。裏を返せば、その分、なるべく多くのものを試さなければならない。ただ、1週間に3つのあたらしいことを試すだけで、1年で150個のアイデアを試すことになる。じっくり考えて、じっくり取り組むのではなく、さくっと多くを試すのが習慣化に向けての必要なステップと思う。


まぁ、以上あげたプロセスは、非常に泥臭く、お手軽ではないが、このくらいやらないと読みっぱなし、目から鱗落ちっぱなしという状態からは、少なくとも私のような凡人を抜け出せないので、ご参考まで。

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