Google の Jonathan Rosenberg が"The meaning of open"というエントリーを書いたのは、話題になったのでご存じの方は多いと思う。色々なリアクションを見ると、検索と広告のプログラムを"Open Source"にしない理由に対する突っ込みが非常に多いように思うが、個人的には"Open Information"に対する議論のすり替えのほうが気になる。他にも気になった点があったので、いくつかのエントリーにわけて、思うところを書いていきたい。ただ、あまりの長文の前に途中でくじけた方も結構いるのではないかと思うので、私なりに要点のまとめてみたので、本エントリーではまずそれを紹介したい。*1
- Googleの言うところの"Open"は"Open Technology"と"Open Information"の2つから構成され、"Open Technology"は"Open Source"と"Open Standards"の2つから構成される。
- "Open Standards"について
- "Open Source"について
- インターネット全体の成長を促すコードを作成、サポート、そして公開することがGoogleの"Open Source"への取り組み。
- Googleは800もの"Open Source"のプロジェクト(コードの行数は2000万以上)に貢献しており、世界で最大の"Open Source"への貢献者。
- Chrome、Android、Chrome OS、Google Web Toolkitは、それぞれ100万行を越す規模の"Open Source"のプロジェクト。"Open Source"にすることにより、様々な分家ソフトウェアが発生して、開発の力を結集できなくなってしまうというリスクがあり、それがAndroidでの最大のチャレンジ。
- 検索や広告については、市場の競争も激しく、スイッチングコストも安いため、ロックインは発生しずらい。また、検索や広告結果を不正操作する人がでる可能性もある。なので、これらのプログラムはGoogleは"Open Source"化しない。
- "Open Source"化するかどうかのGoogleの基準は、そうすることによって、インターネットがより開かれた環境になり、競合やイノベーションが促進され、ユーザ、広告主、パートナーの選択が増えるかどうかという点にある。
- "Open Information"について
- 検索、閲覧履歴などGoogleは自身のユーザの情報を収集しているが、何を収集しているか明らかにし(Transparent)、ユーザに価値を提供するためにそれらを活用し(Value)、その情報の削除などのコントロールはユーザに完全に委ねる(Control)というのが"Open Information"への取り組み。
- 個人情報をオンラインにおいた方が利用者にとっては便利ではあるが、Googleはその個人との信頼を築くことを、"Open Information"に対する最優先事項とする。
- ブラウザのサイト訪問履歴を元にそれに関係したAdsenseを表示するInterest-Based Advertisingは、よりその個人に適した広告を表示することによりユーザにValueを与える。
- Googleの提供するサービス毎にどのような個人情報をGoogleは格納しているかを一元的に表示するGoogle Dashboardは、ユーザへのTransparencyを確保している。
- Googleは自分が保持しているウェブの閲覧、検索履歴などはいつでもユーザが削除できるようにしており、Controlをユーザに渡している。
- その他
*1:欄外でなんですが、新年あけましておめでとうございます。昨年の後半は息切れし、更新頻度がめっきりおちましたが、今年はきっちり更新していこうと思いますので、今年もよろしくお願いいたします。