Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

世界を旅する心で転職活動を考える

私の転職・移住歴

私は日本で20年働いた後、アメリカに移住してアメリカで10年働いている。転職は日米でそれぞれ1回ずつした。勤めていた会社が、日本でもアメリカでもIBMに買収されてしまい、買収と統合の荒波にももまれたきた。
今までの海外移住、転職、買収などの経験から、「住んでいる国を変えること」と、「勤めている会社を変えること」は、結構似ているものなんじゃないかと思っている。
海外移住をすると、国をリードする政治家や政治システムが変わり、文化も異なり、住んでいる人もがらりと変わり、収入や福祉制度や使用言語ももろもろ変わる。
一方で、転職や別会社に統合されてみると、勤め先の経営者や経営方針は変わるし、企業文化も異なるし、一緒に働く人も変わり、給与や福利厚生や社内の主要言語も変わったりすることもある。転職と海外移住は、両方とも大きな環境変化であり、類似点が多いのだ。

自由を求めて:私の選択

私は生まれた日本という国を離れ、アメリカに住んで、自分の人生をより自由に生きることができている。また、幸いなことに勤め先にも恵まれ、自分の性分にあった自由な中くらいの外資系企業で仕事をしてきた。IBMという巨大企業に2度も買収されてしまったので、そこから脱出すべく、自分の選択として日本でもアメリカでも転職をした。なお、IBMは素晴らしい会社だと思うし、勉強も沢山させてもらったが、私にとっては一生勤める会社ではなかった。
この資本主義社会においては、住んでいる国と同じくらい、勤める会社っていうのは私には重要な選択だ。今やグローバル企業は一つの国より大きな力を持ちえ、会社が変われば文化も雰囲気も一緒に働く人も180度変わりうる。私にとってそのマグニチュードは住む国を変えるくらい大きかった。それだけ、勤める会社が自分の人生にもたらすインパクトは私には大きいのだ。

転職の可能性:新たな文化との出会い

私は、自分のアメリカ移住経験を開陳し、海外移住に興味を持っている人の少しでも参考になればと思い、こんなNOTEをつらつらと書き連ねている。でも、住んでいる国を変えるなんてハードルが高すぎる、という人が多いのもわかる。海外移住というのは人生のオプションに全くないという人もいるだろう。
でも、海外移住までしなくても、転職によって異なる文化、異なるリーダー、異なる人たちと人生を織りなすことも可能だ。少なくとも、現状に某かの不満があったり、閉塞感を感じている人には、転職は検討すべき、人生における重要な選択肢だと思う。
仕事に重きを置かなくたって、資本主義社会を生きる上で、少なくとの会社員には勤め先が与える自分への影響は大きい。

海外旅行は、転職活動に実は似てる

「知らない土地に行って、知らない文化や人に触れてみたい」という理由で海外旅行をする人は多いだろう。私も海外旅行好きだからよくわかる。
私は、転職活動をしたことがない人は、海外旅行をする感覚で転職活動してみることをすすめたい。なぜなら、転職活動は、「知らない環境に行って、知らない企業文化や人に触れる」ことができるからだ。別に海外旅行に行ったからってその国に移住しなくてよいように、転職の面接を受けたからって、その会社に転職しなくても良い。転職活動は海外旅行くらい気軽にできるもののはずだ。相手に選ばれるだけでなく、自分自身も選び取る力をもっている台頭な関係なのだから何も臆することはない。
転職活動をすると、否が応でも自分のキャリアや仕事観と向き合うことになる。それは自分の人生を振り返るようなものだ。そういう自問自答をしながら、「この人たちと仕事したいな」って思える会社を探すのが転職活動だ。面接で触れた人たちと仕事を楽しくするイメージができたら、その会社の企業文化は自分にあっていると考えてよいと思う。海外旅行をする感覚で、是非気軽に転職活動をしてみて頂きたい。

出会いと環境が人生を形作る

移住や転職が私にもたらした変化を色々あるが、一番大きかったのは何と言っても「人」だ。前の環境では全くいなかったタイプの人との出会いは、良きにつけ悪しきにつけ私の人生に新しい彩りを与えてくれた。そして、新しい「人」との出会いは、ロールモデルの発見にしても、反面教師との対峙にしても、自分に成長の機会を与えてくれる。
「人間は環境の奴隷」だ。自分が気づかないうちに、人というのは残念ながら環境によって多くの制約に縛られ、そして影響を受けている。もし、現状に不満があったり、閉塞感があるならば、「環境」を変えるというのは、最も有効な手段の一つだ。なので、世界を旅するような心で転職活動をして知らない会社を覗いてみれば良い
私自身は転職や移住を通して、「この人との出会いのない自分の人生は想像できない」というような素晴らしい出会いに幸いなことに恵まれた。転職というワードが気になって本記事を読んている方が、転職活動や転職を通して、そういう出会いを見つけ、新しい人生の扉をひらくことができたら、これほど嬉しいことはない。

Creative Commons License
本ブログの本文は、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 非営利 - 継承)の下でライセンスされています。
ブログ本文以外に含まれる著作物(引用部、画像、動画、コメントなど)は、それらの著作権保持者に帰属します。