『中田敦彦のYouTubed大学』は、私が購読している数少ないYouTubeチャンネルの一つだ。扱われるトピックが多岐に渡り、特に自分が勉強不足の内容については、散歩やランニングをする時に聞き流すのに調度良い。そのチャンネルで先日、英語の勉強方法について触れられていた。
【英語を話す②】中田の結論は英語字幕つきの会話動画をシャドーイング
私は英語の勉強を思い立ったのが30代前半で、中学・高校・大学とそれなりに勉強したのに、「多少は読めるが、聞き取れないし、話せない」という日本人の典型的なパターンだったので、英語にいよいよ取り組もうという中田氏の心意気はよくわかる。自分の英語コンプレックスを惜しげなく開陳しながら、勉強に取り組もうとする勇気と勤勉さには感心させられる。
私は30歳になってから一念発起し(と言っても3度目くらいの一念発起でようやくモノになったというのが実情だが)、ビジネスで使える英語の勉強を始めた。その勉強方法は本ブログでも
ktdisk.hatenablog.comというエントリーで紹介したが、奇しくも中田氏の薦めている方法は、私が英語勉強のバイブルとして活用した『英語上達完全マップ』の内容と似通っている。有象無象の英語学習本の中から、正しい解導き出せるのも氏の勉強慣れによるものであろう。
私の英語の勉強の経験上、「繰り返しの音読」は決定的に重要だ。2つ目の動画で勧められているシャドーイングは、耳から入った英語の内容を理解し、その理解を口からアウトプットする、という練習法で、私も文字通り死ぬほどやった練習だ。それによって、ネイティヴの流暢な英語でも、その言い回しについて確実に聞き取れるようになるし、繰り返し口から発した言い回しというものは会話の中で徐々に発することができるようになる。
が、動画を見る限り、中田氏がシャドーイングを理解しているか少し疑問に思った。字幕に表示されている英文を動画に少し遅れて読んでいくといくだけではシャドーイングの練習効果は私の経験上半分以下になってしまう。繰り返しになるが、シャドーイングは、耳から入ってきた英語の内容を理解して、その理解に基づいて口から発することが胆であり、これにより英語のインプットとアウトプットの基底力が養われる。私の経験上から英語の初学者が、いきなりシャドーイングをするのは不可能だ。
シャドーイングをしたことが無い人には、日本語の動画をまずシャドーイングすることを私は勧めたい。アナウンサーのきれいな日本語がわかりやすいので、テレビのニュースを日本語でまずシャドーイングしてみると良い。自分が、耳から入ってきた個々の文節を理解し、口にだしながらも、並行して耳からさらに新しく入ってくるインプットを理解と消化できていることがよくわかると思う。これは日本語が母語であるから、練習なしでできる芸当であり、英語の初学者がいきなり英語でやるのは、無理がある。
中田氏のシャドーイングの動画では、「リピーティング」というステップと「繰り返しの重要性」についての説明が抜けていたが、この二つがシャドーイングの学習効果を高めるためには決定的に重要だ。
「リピーティング」は、ざっくり言うと
- 練習対象の英文を読み込み理解する
- 読み上げられる英文を文節で区切り、その文節のみを音読する
- 2が難無くできるようになったら、その範囲を文節から文章に広げる
という感じで、「繰り返し」は文字通り、3のステップをスポーツ選手が黙々と筋トレやランニングをやるように繰り返すのだ。ここまでして、ようやく次のシャドーイングのステップにすすむことができる。氏の説明はエクストリームが売りなので、細かい部分ははしょっただけかもしれないが、上記のポイントは非常に大事なので、動画のみを見た人の為に補足させて頂いた。
若干の指摘をさせて頂いたが、英語初学者にとって氏の動画はとても良いスタートポイントである。ただ聞くだけで話せるようになる、何て教材を買おうかと悶々としている人は、その時間を「リピーティング」と「シャドーイング」に費やしたほうが絶対に良い。
氏のチャンネルを見たところ、何とDMM英会話でのレッスン風景を公開している。自分の英語の勉強プロセスを、臓物までさらすが如く、ここまで公開している人は初めてみた。勉強の方向性は正しいので、是非このまま頑張っていただき、「よし、自分も英語を勉強し直すぞ」という人が増え、ひいては日本全体の英語力があがると良いと思う。頑張れ、中田さん!