私は正直、23年間のカナダ生活をはじめ、アメリカやイギリスでも英語を勉強したのですが、決してうまくありません。それはどうしても習得できない分野があるのです。私の考える英語上達のエッセンスとは三つのカテゴリーがあります。
一つは一般に学校で習う文法や語彙などの知識量
一つは音として英語をとらえる能力。
三つめは欧米流の慣習からくる文章構成上の英語であります。
23年間英語圏で生活されているというだけはあり、非常に的確に日本人のぶち当たる壁をとらえている。今回のエントリーでは「音として英語をとらえる能力」という点について書いてみたい。
私はまだ渡米して半年くらいしかたっていないが、本格的に英語を仕事などで使い初めてから10年弱くらいになる。その間、私よりずっと英語でのコミュニケーション能力に長けた人を見てきたが、それでも発音がいわゆるカタカナ英語の人はかなり多い。こちらに20年近く住んでいるという人でも、話すのはカタカナ英語という人は珍しくない。
いわゆるジャパニーズ・イングリッシュだとこちらの言うことが「通じにくい」ということもあるが、それに加えて頭がカタカナで捉えようとするので、Nativeの人の言うことが「聞き取れない」という問題も出てくる。「L」と「R」の違いという話はよく出てくるが、「A」と「O」なんかは、ジャパニーズ・イングリッシュの回路だと聞き分けるのは至難の技だ。音として英語をとらえられず聞き取れないというのは、日本人の英語の永遠のテーマだ。
が、その永遠のテーマについても解決策が実はある。リスニング力をあげつつ、カタカナ英語を脱出するための勉強方法としてPhonicsはもっと日本で注目されるべきだ。私はアメリカ人の同僚にアクセントがよくないのでPhonicsを学ぶことを勧められて、コツコツと学んできたが、アメリカに来ても「君のアクセントはすごく良い」と言われることがとても多い(「日本人にしては」という但し書きがついてはいるだろうが)。音読などの学習効果ももちろんあるが、こと発音については、Phonicsの恩恵に大いにあずかっている。
で、Phonicsというのは何かと言えば、英語のスペルと発音の間にある規則を学ぶ勉強法というのが簡単な説明だ。例えば、dogは「ドッグ」と言うとカタカナ英語になってしまうが、「d」と「o」と「g」をPhonicsの規則に従ってそれぞれ発音すると、よりNativeっぽいdogとなる。それぞれの音を、「どういう舌の動き」で「どういう空気のはき方」で、発するのか理解し、目の前の綴りをそのルールに応じて口から出すことをPhonicsではひたすら学ぶ。カタカナ英語が体に染み付いているので一朝一夕ではいかないが、地道に練習を続けるとかなり効果がある。
勉強の素材は色々あるが、私がいくつか試した中でお勧めなのは下記の本。
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