...ということで、昨日ようやく、はてなダイアリーをさくらインターネットのデータセンターへ移転しました。恒例の写真で振り返る移転レポート、はてなダイアリー移転編です。
あまり技術には詳しくないが、興味深くはてなダイアリーの移転レポートを読ませてもらった。最も興味深かったのは、はてなのエンジニアはコードを書くというVirtualな世界の仕事だけではなく、深夜にバンを借りてサーバを運ぶというかなりPhisicalな世界の仕事もしているという点。
そして、これからのソフトウェア企業にはVirtual世界でコードをエレガントなコードを書く能力ととPhisical世界で堅牢かつ安価にデータセンターを構築維持する能力の2つが求められるとしているのがNicholas Carrの"Software companies are building their way to a very material future"というエントリー。英語もかなり易しいので、上述したような内容に興味のある人にはおすすめ。尚、要旨は以下の通り。
- 最近、GoogleやMicrosoftを初めとしたIT企業が巨大なデータセンターを次々と構築しているが、この流れの根底にはソフトウェアビジネスの大きなパラダイム変化がある。
- ブロードバンドの普及を受けて、買い手は購入したソフトウェアを自分のPCにインストールするのではなく、インターネットを通じてソフトウェアをサービスとして購入するようになってきている
- なのでソフトウェア企業は、走るコードだけでなく、そのコードが走るための環境を構築・維持することも求められている
- 美しいコードを書けるだけでなく、巨大で複雑なハードウェアシステムを美しく構築し、効率的に維持することがこれからのソフトウェア企業の競争力の源泉である
言われてみると当然なのだが、そういう視点では今まであまり見たことはなかった。Amazonがウェブサービスに力をいれ、Amazon S3やAmazon EC2などでディスクスペースや処理能力をOnDemandに提供している。これは上記の流れの中で、Virtualな世界でエレガントなコードを書くことに特化したいソフトウェア企業に、Phisical部分のアウトソースを請け負うサービスを提供し、ビジネスにしているとみることができる。
ソフトウェア企業がこのパラダイムシフトに直面し、どの企業が生き残り、またそれを下支えするどんな企業があらわれるのか注目してみていきたい。