Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

コロナ禍におけるアメリカの在宅生活事情

外出自粛生活が始まってそろそろ2ヶ月ほどがたつ。私の在宅勤務の開始と子供の休校のタイミングが同じだったため、家族そろって新生活に一気に移行し、一緒に作り上げていくことができた。現在、私が住む米国は感染者数が137万人(5月初旬時点)を越す感染大国であり、私が住むノースカロライナ州でも1万5千人ほどの感染者を抱える。州知事からは緊急事態宣言がでており、今年度一杯は学校はリモート授業のみということは既に決定され通知されている。そんな、アメリカの片田舎での外出自粛生活は日本と若干異なる点もあると思うので、備忘録がてらいくつか特徴的な点を記載してみたい。

 

リモート授業への取り組みの速さ

休校開始から2ー3週間ほどで子供の通うと小学校と中学校はリモート授業を開始し始めた。普段からタブレットなどのデバイスを学校に持っていったり、宿題もオンラインで配布されたりしているため、生徒も先生も慣れている模様。Google Classroomを使って動画での授業を視聴し、だされた課題に取り組みつつ、適宜チャットを使って先生に質問をするなど、違和感なく子どもたちが粛々とこなしているので、親にそれほど負担はない。社会科の課題をインターネットで調べごとをしながら、Google Slideにプレゼンをまとめていくことを自然とこなす小6の息子にジェネレーションギャップを感じてしまう。

もちろん、子供が自由にパソコンやタブレットなどを使えない家庭もあろうが、貸与プログラムも充実しているし、親の相談窓口も設定されており、「走りながら形を作っていく」というスタイルが教育を前に進める原動力となっている。機会の平等を、護送船団方式ではなく、遅れをとった船に適切に支援することにより確保しており、教育の高い推進力を目の当たりにし、心強く思う。

 

ドライブスルーと車大国の強み

レストランの店内での飲食は依然として制限されており、テイクアウトのみとなっている。アメリカは車社会なのでドライブスルーは日本より元々充実している。薬局で薬をもらう時も、医者から指定のドラッグストアに処方箋を電子的に送付してもらい、ドライブスルーで受け取ることが定着している。なので、今回のテイクアウトのみという制限への対応も早く、非常に助かっている。いわゆるドライブスルーがないレストランやその他の店であっても、ウェブオーダー時に車の特色を記入し、店の駐車場に着いた時点で電話をすると、店員が食べ物や品物を車まで持ってきてくれるというプロセスになっており、とても便利だ。が、アメリカは全体的にオペミスが多いので、店によっては注文した品がちゃんと入ってなかったりすることが多く、「らしさ」を醸し出している。

 

習慣化したマスク

アメリカ生活を初めてから6年ほど経つが、コロナ禍の前にアメリカ人がマスクを街でしているのは、本当に見たことがなかった。私の住むノースカロライナ州は春先に花粉が大量に発生するのだが、マスクをつけている人は殆ど皆無で、たまにマスクをしているのはアジア系の移民くらいであった。このコロナ騒動の開始当初もマスクをつけている人は稀であり、たまにバンダナで口を覆う人がいるくらいであった。が、1ヵ月前くらいから情勢が逆転し、マスクを着けずに買い物などに行く人のほうが一気に少数派になった。州政府が奨励していることもあるが、変わるとなると一気に変わるアメリカの国民性に非常に驚いた。なお、食料品を買い物にいっても店員も含め殆どマスクをつけているが、大学生くらいの若い女性は未だにマスクを着けていない人が多い。やはり、ファッション性が気になるお年頃だからだろう。なので、奇しくも若い女性が一番近寄りがたい存在である。

ホームセンターが未曾有の混雑

外出制限がかかっているので、ショッピングモールも営業を自粛しており、混雑した店というのは皆無に近い。が、その中で活況を呈しているのはホームセンター(LOWE’SやHOME DEPOTなどが大手)である。先日、風呂場の照明のスイッチが壊れてしまったので、やむなくLOWE’Sに行ったところ、未曾有の混雑を見せており驚いた。大多数はマスクをし、店もすさまじく大きいので、三密ということはないが、駐車場に停まっている車の数は圧倒的に普段より多い。外出制限がされ、家にいる時間が増えたので、これを千載一遇のチャンスとばかりに「いつかはやりたいと思っていた庭の整備やDIY」に精を出す人がきっと多いのだろう。食料品店が混雑することはないのに、ホームセンターがこんなに混むかね、、、というくらい盛況で非常に興味深い。庭仕事に対する並々ならぬアメリカ人の熱意を見た。

家が広いのはやっぱり快適

「徒歩圏内にコンビニが数店あり、大抵のものは徒歩圏内の店で入手できる」、「公共の交通機関が発達しており、外出先で飲酒をしても、車を運転せずに帰宅できる」、「自動販売機がどこにでもあり、いつでも飲み物を買うことができる」など、「あぁ、日本は暮しやすいなぁ」と毎回の帰国の度に思う。「家が広い」ということが住宅事情の唯一の利点であり、その他の利便性は日本に圧倒的に軍配があがる。が、家族4人での在宅生活が長くなり、この「家が広い」という唯一の長所が大いなる輝きをみせている。ノースカロライナ州という片田舎ならではあるが、わが家は建屋で三百平米ほどあり、プラス芝刈りが面倒な程度の広さの庭がある。仕事と勉強部屋は家族4人それぞれが二階部のみで確保できているし、妻の仕事部屋にトレッドミルがあるので、雨の日でも家族全員がそれなりに運動できる。それぞれが無理なくプライベートを保ちながら活動できる空間的余裕があることで快適な在宅生活を過ごせている

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