ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

新聞社の数は今の10分の1で充分

ブログなどのアマチュアメディアの台頭とCraigslistなどのサイトの台頭に伴う収入の減少により、

  • 大手新聞社は十分な取材編集体制を整備することができなくなり、その結果として良質な記事を発信することができなくなる。
  • 結果としてアマチュアの作った石ころみたいな情報にまみれ、良質な情報の入手が極めて困難になるという形で我々自身に跳ね返ってくる。

というのが"the cult of amateur"のメインの主張。

San Francisco Chronicleは一週間につき$1M(100万ドル)の損失を見ており、スタッフとして働くジャーナリスト全員を解雇してもまだ収支は合わない。だが、だからといってそのような対策を試みるのを思いとどまるわけではなかった。今夏の終わりまでに、リポーター80人、カメラマンとコピー編集者たちそれに管理職20人が解雇される予定。

新聞社でリストラが吹き荒れ、取材・編集費用が削りに削られるという肌感覚は日本にいると殆ど感じないが、TechCrunchの上記のエントリーを読むと、アメリカではかなりの勢いで新聞社のリストラ・淘汰が進んでいることがわかる*1。上記だけみると新聞社から発信される情報の質が今以上に下がるというのはあながち間違いではなさそう。

そして、優秀なレポーターたちは「解雇されるのは誰か」と事態を静観しているわけではなく、より良い職を目指して自ら立ち去っているのである。


Jessica GuynnとDan Fostはすでに退職している。二人とも、これまで定期的に関連イベントに参加、テク企業のエグゼクティブ達やディベロッパー達と話したりして、興味深いストーリーをものにしてきた記者だ。すでに両記者とも自主的に辞職している。Fostはフリーランスとして活動予定。Guynnは、「L.A. Times」紙でシリコンバレーをカバーするという新しいポストに就き、昇給も手にしている。

興味深いのは新聞社を代表する一流の記者は食いっぱぐれることはなく、他の新聞社に雇われたり、独立したジャーナリストとして一流の仕事を続けることができたりして、生活の糧をえることができるということ。まぁ、エンジニアだって、コンサルタントだって同じだが、一流の腕を持った人は一流の仕事をする場をえることはできるものだ。


Andrew Keenの懸念というのは新聞社が現状の変化に対応した適切な戦略転換ができなかったらそうなるというだけの話で、矛先をむけるべきはアマチュアではなく、各メディアの経営者であるべき。外部からの新規参入、現状の収益の柱の衰退、競争の激化という荒波にもまれながら企業は競争力を養っていくのが常なのに何故新聞社だけがそれができないのか。


今や日本の銀行ですら統廃合がすすみ、適正な数に収斂している・・・。新聞社の数を10分の1にして、Top10の優秀な記者・ジャーナリストだけが全国的に良質な記事を発信できるような体制を整え、地域特性を活かしたハイタッチな情報はブログなどのアマチュアメディアに任せるという構図で困る情報の消費者はいるのだろうか?少なくとも私は困らない。

*1:日本がなぜそれ程進んでいないのかはかなり疑問だが

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