Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

米国のブロガーは本当に稼いでいるのか?

米国のブロガーはかなり稼いでいるらしいということが、メディア・パブに記載されていた。

そのトップ1%のブログ(つまり上位500ブログ)が1億ドル(5億ドルの20%)を稼いでいると仮定しよう。すると,トップ500クラスのブロガーだと年収1000万〜2000万円近くを稼いでいることになるのかな。これなら,職業ブロガーとして食っていける。


かなり景気のよい話ではあるが、ネタ元のTechCrunchを見るとサンプル数が少ないことが指摘されていたりするため、オリジナルのSurveyなどを少し見てみた。
算出の計算式などが紹介されているが、文系スーツな上に、大学で統計学などをきちんと勉強していない私には目が痛い箇所が多く全て理解することはできなかった(どなたかこの辺りに強い方がいたら、解説して妥当性を評価して頂きたい)。以下、私の視点で気になった点をいくつか記載してみる。

The popularity of a blog was measured by its rank as reported in the Technorati Rank service. Blogs were sampled from within the top 100 rank as well as from medium to low ranks. The highest and lowest ranks in the final sample were 48 and 117,360 and there were a total of 332 data points in the sample.
ブログの人気はTechnoratiのランキングを使用している。サンプル・ブログは中位、及び下位のブログからだけでなく、Top 100の中からも抽出している。サンプルの中で最上位のランクは48位で、最下位は117,360位であり、サンプルの総数は332ブログ。

ロングテールが果てしなく長い、ブログの最下位が117,360位というのはサンプルとして問題あるのではないか少し疑問を覚えるし、またサンプル数の332というのも少ない印象を受ける。

Using Chitika revenue numbers from 2006 and assuming that bloggers will, on average, diversify across. 3 revenue sources, and assuming that they will typically try out other sources that will generate similar revenue streams, it is safe to estimate that the total estimated revenue for their blog will be at least 3 times the revenue attained through Chitika.
Chitikaを通した2006年の売上金額を使用し、下記の条件の元算定。

  • ブロガーは平均的に3つほどの収入源を持っている
  • 3つの収入源からの収入金額は他と同様である

よって、Chitikaを通して得た収入の少なくとも3倍が各ブログの売上であると見積もることができる

ブログのマネタイズを支援するとうたっているChitikaから得ている収入を単純に3倍して"it is safe to estimate that..."というは若干アグレッシブすぎないだろうか・・・。


尚、今読んでいる"the cult of amateur"の中に下記のようなくだりがでてくる。

Then there's Guy Kawasaki, author of one of the fifty most popular blogs on the internet, whose pages were viewed almost two and a half million times in 2006. And how much did Kawasaki earn in ad revenue in 2006 off this hot media property? Just $3,350.
2006年に250万ものページビューをあげたインターネット上で上位50位に入るほどの有名なGuy Kawasakiのブログの2006年の広告売上は$3,350である

これだけみるとChitikaの統計とかなり大きな差がある。まぁ、かたや「ブログは金になる!」ということを大々的に喧伝したいChitikaの統計で、かたやWeb 2.0を徹底的に否定しようとしているAndrew Keenのサンプリングなので、どちらもあまりあてにできそうにないが・・・。

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