Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

グリーンカードの再入国許可証

日本の大学に進学する子どもの永住権

私の娘は日本の大学を受験するために現在日本に滞在している。娘はアメリカ永住権、いわゆるグリーンカードを持っているのだが、アメリカ国外に6ヶ月以上滞在するとグリーンカードの保持意思を疑われ、場合によっては没収となる。
まだ、日本で就職するか、アメリカで就職するかはわからないが、学生の間は将来の選択肢を増やすためにグリーンカードを維持することを親としてはサポートしてあげたい。あれこれ調べてみると「再入国許可証(I-131 Reentry Permit)」というのを取得すると、アメリカ国外に少なくとも2年は滞在でき、場合によっては2年間の延長も可能とのこと。受験期間を含めると結局4年間を越してしまうのだが、将来の選択肢は多いほうがよいので、取得することにした。このエントリーでは、同じ境遇で同じことを考えている方のためにわが家の経験をまとめたい。

 

「再入国許可証(Reentry Permit)」とは

「再入国許可証(I-131 Reentry Permit)」について要点をまとめると下記のとおり。

  • 目的: 1年以上アメリカ国外に滞在がする場合、グリーンカードの維持するために申請する手続き

  • 有効期間:通常2年間有効。

  • 再申請の可能性: 有効期間が切れる前に新たに申請し、受理されればさらに2年間更新が可能だが、審査の上却下される可能性もある。

 

「再入国許可証」の申請手続き

移民局のサイトでアカウントの作成

以下が「再入国許可証」の申請のための移民局のサイト。まずは娘にUSCISのサイトでアカウントを作ってもらった。

Application for Travel Document Use this form to apply for a reentry permit, refugee travel d www.uscis.gov  

作成日:2024年3月24日

申請書類の作成と提出

申請は移民局のサイトでオンライン申請できるので便利。

Forms Available to File Online | USCIS This page lists the USCIS forms that are currently ava www.uscis.gov  

上記のサイトで「I-131 | Application for Travel Document」という箇所の「File Online」というボタンをクリックすると申請フォームがでてくる。それ程難しくなく、30分もかからず提出できる。
耳慣れない言葉で、「Refugee Travel Document」と「Advance Parole Document」という言葉がでてくる。それぞれ、「難民渡航許可証」、「事前渡航許可証(GCやVISAが手続き中の人のためのもの)」といった感じのものでグリーンカード保持者には関係ないので、この部分は無視して構わない。

アカウントを作成すればすぐに申請できる。

作成日:2024年3月24日

申請料の支払い

「再入国許可証」の取得には申請料が発生する。これが思いの外高い。わが家が申請した際は、申請料が$575であり、後に指紋を取得するのでその際の「生体認証サービス料」が$85と合計$660。が、これはわが家が手続きをした際の値段であり、2024年10月時点では申請料が$630に値上がりしているようだ。なかなか強気な価格だが、No Optionなので仕方がない。オンラインでの支払いができず、チェックを郵送した。不便。

送付日:2024年3月24日

申請料の受取通知受領

移民局の手続きはご丁寧に経過報告や通知が書面にて届く(”Form I-797C, Notice of Action”)。今回は申請料と生体認証サービス料の受領書を受け取った。
2024年3月24日にこちらから書類を郵送したものを、3月27日にUSCISが受領し、受領通知書類が4月2日に発送され、4月9日にわが家に到着した。2週間と少しで届いたのでこれはかなり早かったのではないか。

受領日:2024年4月9日

予約通知書の受領

上記の受取通知書と同じ日に生体認証の予約通知書が届く(これも”Form I-797C, Notice of Action”)。ここには、ACS(Application Support Center - 申請手続きセンター)の住所と予約日時が記載されている。「この日、この場所に来い!」というピンポイント指定。一応予約変更もできるようだが、予約変更にどのくらいかかるかわからないし、その変更手続きもきちんとなされるかわからないので、「予定を調整して、指定日時に行く」の一択だと思う。
持参する持ち物として下記が記載されている。

  • 送付された予約通知書

  • 写真付きのID(グリーンカード、パスポート、運転免許証、など)

  • 記入済みのAIS (Application Information Worksheet - 申請書)

AISは予約通知書に同封されている。氏名、性別、生年月日などのかなり基本的な内容なので、恐れるに足らず。

生体認証の取得

予約通知書で指定された場所と日時に行き、指紋をとる。死ぬほど待たされることを覚悟していったが、30分もかからずスムーズに終わった。この際に予約通知書は回収されてしまったので、事前にコピーなどをとっておくと後々安心。

手続き日:2024年4月19日

申請開始から指紋の取得まで1ヶ月弱で終わり、正直思ったよりスムーズであった(他で散々な目にあっているので)。

その後の話

こちらでできる手続きをとりあえず全て完了させ、娘は日本に旅立っていった。次にアメリカに戻ってくるのはいつのことやら。大学受験頑張れよ。
娘の帰国に伴うばたばたで、しばらく本件のことを失念していたが、よくよく思い出して見ると、そう言えばその後音沙汰ない。
それこそ、半年近くたっているので、流石に何もないのは不安なので調べてみた。

ステータス確認ページ

下記で自分の申請のステータスを確認できる模様。

https://egov.uscis.gov/casestatus/landing.do

その際に”Receipt Number"の入力が求められる。I-797C(申請料の受取通知書と予約通知書の両方)に記載されているので、それを上記のウェブフォームに入力すれば良い。”Receipt Number"を入力し、えいやぁ、とボタンを押すと下記のステータスが表示された。

Case Was Updated To Show Fingerprints Were Taken
As of April 19, 2024, fingerprints relating to your Form I-131, Application for Travel Document, Receipt Number LINXXXXXXXXXX, have been applied to your case. If you move, go to www.uscis.gov/addresschange to give us your new mailing address.
ケースステータス:指紋取得済み
2024年4月19日時点でForm I-131(再入国許可証)についての指紋は手続きされました。もし、お引越しの場合は新しい住所を提出してください。

一応、指紋は取得済みとなっているのは安心。が、それ以上の情報はない。この後どれくらいかかるんだよ。

通常処理時間確認ページ

おそらく、「どうなってますか?」という問い合わせが多いのだろう。下記のページで大体どのくらいの時間がかかるのか確認することができる。

https://egov.uscis.gov/processing-times/

色々な申請内容の通常処理時間が表示できるようで、選択肢が色々ある。とりあえず、該当する「I-131」と「Reentry Permit」を選択する。おや、「処理センター」の選択も求められる。どこで手続きされるなんてこちらの知るところではないが、Nebraska Service Centerしか表示されないので、その一択を選択して、”Get Processing Time”ボタンを押す。すると、

I-131は通常14.5ヶ月かかります

ちーん、えっ!?14.5ヶ月ですか?えらいかかりますね。同じページ下部に”Receipt Date"を入力して、見込みの時間を確認できる箇所がある。どの日付を入力すれば確かではなかったが、指紋の取得日である4月19日を入力すると。

要するに、

  • 2025年7月30日より前に問い合わせをすることはまかりならん

  • 処理時間は状況によって変わるのでたまにチェックしてね

とのこと。結局、出国後1年経っても、再入国許可証が発行されない可能性が高いということらしい。その間に娘がアメリカに帰国することがある場合は、下記の文書のコピーは持たせたほうが良いな。

  • I-797C:申請料の受取通知書

  • I-797C:予約通知書

  • 上記のステータス確認ページのプリントアウト

  • 上記の通常処理時間ページのプリントアウト

U.S. Customs and Border Protection(アメリカ合衆国税関・国境警備局)による入国審査は担当官のさじ加減が経験上大きい。私は比較的丸腰で行って、別室送りに二度ほどなっている。きちんと準備をしていけば、誠意が伝わって入国を許可してくれやすくなる、というのは人間同士なので、かなりあるように思う。娘には鉄壁の準備で臨んでもらおう。

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