Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

Column

Googleの抱える本当のリスク

New York Timesの"As Its Stock Tops $600, Google Faces Growing Risks"という記事に、タイトルどおり株価が$600を超えたGoogleに対し、更なる成長をする上でどのようなリスクがあるのかが記載されている。あげられているリスクは 急激な雇用の拡大に伴い品…

これからのEngineerに求められる素養

"Re-engineering Engineering"というNYTの記事を読んだ。伝統的なEngineeringの教育を否定し、新しいあるべきEngineeringの教育を確立するために奮闘しているOlin Collegeの特集記事。そこで語られる教育方針というのは、ある意味ではこれからのEngineerに求…

無邪気なGoogle礼賛を超えて

"グーグルが起こす第二の革命"はかなり読み応えのある良エントリーだった。 Googleのマネジメントシステムの特徴は、資源配分を経営者による階層構造の定義によってトップダウンでするのではなく、現場に権限委譲をし、マーケットメカニズムによって最適化す…

ポジティヴな想像力につなげる

"ローレンス・レッシグ、Web 2.0批判本に反論"で取り上げられている通り、『The Cult of the Amateur』で名指しで批判を浴びているLawrence Lessigが"Lawrence Lessig - Keen’s “The Cult of the Amateur”: BRILLIANT!"というエントリーで反撃をしている。ポ…

新聞社の数は今の10分の1で充分

ブログなどのアマチュアメディアの台頭とCraigslistなどのサイトの台頭に伴う収入の減少により、 大手新聞社は十分な取材編集体制を整備することができなくなり、その結果として良質な記事を発信することができなくなる。 結果としてアマチュアの作った石こ…

『the cult of amateur』と『デジタル音楽の行方』の衝突は不発

The Cult of the Amateur: How blogs, MySpace, YouTube, and the rest of today's user-generated media are destroying our economy, our culture, and our values作者: Andrew Keen出版社/メーカー: Crown Business発売日: 2007/06/05メディア: ハードカ…

"the cult of amateur" 浮かび上がる対立軸

The Cult of the Amateur: How blogs, MySpace, YouTube, and the rest of today's user-generated media are destroying our economy, our culture, and our values作者: Andrew Keen出版社/メーカー: Crown Business発売日: 2007/06/05メディア: ハードカ…

"the cult of amateur" ユーザ参加型を懐疑的にとらえなおす

本屋に溢れかえるWEB 2.0本の増殖傾向はとどまるところを知らないが、その大半は礼賛本であり、骨の太い批判本というのはあまり見たことがない。WEB 2.0の大きな可能性をうたった解説本や礼賛本のみではなく、気合のはいった中身の濃い批判本を是非読みたい…

「政府の知的財産戦略」考 まず壊すことが大事

ICPFセミナー第19回「政府の知的財産戦略」に参加してきた。政府の知的財産戦略推進事務局の方が「知的財産推進計画2007」の骨子を前半部分で説明してくださり、後半部分は参加者がディスカッションをするという形式だったが、この領域について不勉強な私に…

「何ができますか?」「部長ができます」

中小企業から大企業に諸般の事情から転籍し、たまに感じるもやもやとした私の違和感をid:essaさんがうまく表現されている 誰も食わないラーメンを作っているのに収入が保証されている仕事が世の中には多いなあと私は不思議に思うのだが、身分が明確でないの…

ネット徘徊時のOnとOff

はてなブックマークのホットエントリーは最近凡庸 今月のMonthly newsingが非常に低俗 という意見はたまに目にするし、私も同じような印象を持っている。ただ、それがイコール「そこに集まっている人が凡庸で、低俗」となるかというと、一概にそうでもないか…

『フューチャリスト宣言』と"We Are the Web"

『フューチャリスト宣言』の中でインターネットが実現する未来を最も大胆かつドラスティックに予想しているのは下記のくだりだろう。 フューチャリスト宣言 (ちくま新書)作者: 梅田望夫,茂木健一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/08メディア: 新…

猶予期間より駆り立てれる外圧が大事

米国ではこれを指標に20年くらい経営されてきたのだが、わが国では企業経営者が本気で株主利益を考え始めたのは、ほんの数年。だから、新しい「株主利益を最大化する」というルールのもとでの経営が定着するまでは「下駄をはかせる」必要があると考える。 岩…

機関投資家資本主義

「真の実力(曖昧な定義だが・・・)」が5倍というわけではなく、「時価総額という指標で図るゲーム」の中での実力が5倍ということ。同じような事業をやっていても、よりフリーキャッシュフローが出やすいのような戦略を取り、資本効率を高めるような財務リ…

投資家のリテラシー

中島さんが"Life is beautiful マザーズへの提言"というエントリーで、下記のことを書かれているが、少し釣りすぎ、煽りすぎで正直あまり感心できない。 まずは、京都大学のコミュニティサイトのこの書き込みを見ていただきたい(日付に注目)。 1. あ 2006/…

ドリコム業績下方修正にみるベールの下の装い

ドリコムが伸び悩んでいるとのこと。 連結業績における売上高は前回予想の15億円に比べ、42%減の8億7000万円、経常損失は1億8000万円(前回予想は4億円の経常利益)、純損失は1億1000万円(同2億3000万円の純利益)となる。 あまり過敏にこの手のことで騒ぎ…

ビジネスに対する"テネーシャスネス(Tenaciousness)"

川崎さんの"虚構−堀江と私とライブドア"の書評を読んだ。淡々と本書の要点を語るスタイルの書評ながらも、そこかしこにベンチャーの経営者としての川崎さん自身の問題意識が透けて見えてくる非常に力の入ったエントリー。 利益をあくなく追求するビジネスパ…

ブログの書籍化考

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門 [ソフトバンク新書]作者: 白田秀彰出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/07/15メディア: 新書購入: 9人 クリック: 223回この商品を含むブログ (152件) を見る先日読み終えた『インターネ…

日本的経営がうまくいった訳

日本的経営三種の神器といわれた「終身雇用・年功序列・企業別労働組合」って、今となっては悪い方のイメージを持たれることが多いワードたちなんだけれど、成長市場で活動する成長企業においてこの3つともを併用するとたいへん理にかなった組織運用が可能に…

村上ファンド事件報道についてのありきたりな日経新聞批判

「マスメディア」の村上ファンドインサイダー取引事件に対する反応は、ライブドア報道の時と同じでどこもかしこも下記のような同じ内容となっている。 村上ファンドの行動は倫理観を欠いた市場を欺くものだ もの言う株主として日本の資本市場に緊張感を与え…

「通信と放送の融合」とは?

毎日のように声高に叫ばれている「通信と放送の融合」。市井のユーザーからすると,韓国のようにテレビ放送が終了した後で,前回までのドラマが放送局のサイトからビデオ・オン・デマンド(VOD)で提供されるとうれしい。それこそが「通信と放送の融合」の身…

公共性・中立性は参入障壁ではない

実際、自分としてもブログを日々書いている中、「ジャーナリズムたるには、中立性とか不偏不党がうんぬんかんぬん」とやられてしまうと、あまりに恐れ多いし、なんか話がややこしくなって、ブログを書く手も止まってしまうという感じがあります。 http://blo…

バーチャルな企業統合のもたらす経営のパラダイムシフト

カスタマーエコノミー革命―顧客中心の経済が始まった作者: マイケルハマー,Michael Hammer,福嶋俊造出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る 顧客中心の経済では、社内の…

決算早期化考

カスタマーエコノミー革命―顧客中心の経済が始まった作者: マイケルハマー,Michael Hammer,福嶋俊造出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る オールアメリカの採用した方…

顧客に発生するコストの構成要素は?

カスタマーエコノミー革命―顧客中心の経済が始まった作者: マイケルハマー,Michael Hammer,福嶋俊造出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る ETDBWを実現することの重要性…

「システム導入ではなくBPR」という言葉の意味

リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新作者: マイケルハマー,ジェイムズチャンピー,野中郁次郎出版社/メーカー: 日経発売日: 1993/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る ビジネスリエンジニアリングの簡単な定義を問われたら…

フジテレビ・ライブドア問題から考える電波の公共性

http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u105.html テレビ局は「映像コンテンツを製作して、それを日本中にあまねく配信する」ために存在しており、そのためには、編集機材から放送設備まで莫大な投資が必要だった。 フジテレビ・ライブドア問題…

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