Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

アメリカ移住するにはどのくらいの英語力が必要か

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この度、”自由に生きる海外移住”という新ブログを立ち上げました。より多くの日本人が海外で活躍できるように、アメリカでの仕事や生活についての情報発信をしています。興味のある方は是非御覧ください。新ブログでの”アメリカ移住するにはどのくらいの英語力が必要か”という記事をこちらにも掲載させて頂きます。

 

アメリカ移住に必要な英語力はTOEIC600点

私は、外資系企業の日本法人に勤めて、2013年に米国本社に転籍をしてきた。なので、同じ会社の日本法人に勤める人から、アメリカ移住について相談を受けることは少なくない。海外移住を人生の一つのオプションと考えている人から受ける質問の中で最も多いものがある。


アメリカ移住するためにはどのくらいの英語力が必要か?

アメリカで仕事や生活をしていくために、コミュニケーションというのは全ての基盤となるために、必要な英語力のおおよその目安を何とか知っておきたい、英語勉強の目標の参考値を知りたい、という気持ちはよく分かる。これはよく聞かれる、いつも答えに窮するのだが、敢えてこの難問に思い切って答えるとすると「アメリカ移住に必要な英語力はTOEIC 600点」というのが私の答えになる。この点数を聞いて、「そんなに低いのか?」と疑問に持つ人もいれば、「それは高すぎる〜」と思う人もいるだろう。もちろん、TOEICで600点というのは、こちらで仕事をする上でも、生活をする上でもかなり苦労を強いられる英語力だ。とりあえずの英語力は満たしているが、アメリカで仕事の成果をだし、より楽しくストレスのない生活を送るにためには十分とは言えない。が、とりあえずアメリカ生活を始めるには必要十分と私は考えており、本稿ではその理由を説明していきたい。


TOEIC600点とはどれくらいの点数なのか

以下はTOEICを運営しているIIBCのサイトで紹介されている海外出張や赴任に求められるTOEICの点数の基準だ。

570点から810点というのが日本企業が海外部門の社員への期待値となる。600点というのは「レベルC:日常生活のニーズを充足し、限定された範囲では業務上のコミュニケーションができる」の中央値であり、上述の海外部門社員の期待値の範囲ではボトムの数値となる。「買い物に行ったり、レストランで食事をしたりする日常生活を送る上では大きな問題にはならないが、仕事を適切にするためにはもうちょっと向上が求められる」という感じと思うが、これは私の感覚値ともかなり近い。

次にアメリカ移住を始めるためには、TOEIC 600点という英語力が必要十分と私が考える理由をあげていきたい。先にポイントだけあげると下記のようになる。

  • アメリカは英語が母語でない人への支援制度が非常にしっかりしている
  • アメリカで生活を始めれば、英語力はそれなりにあがる
  • 勉強する習慣こそが、英語力向上の鍵となる

アメリカは英語が母語でない人への支援制度が非常にしっかりしている

アメリカという国は、社会全体の活力を上げるために移民を多く受け入れている国だ。なので、受け入れた移民がアメリカ社会に馴染み、生活力をつけ、そして付加価値を生み出すために多くの投資をしている。コミュニケーションは何事においても要となるために、英語が母語でない人のために様々な語学支援制度がある。

ESL(English as Second Language)は、その中心となる制度で、文字通り英語が母語でない人向けの英語クラスである。小中高のどの学校でも、アメリカにきたばかりの生徒を支援するためにESLのクラスは設置されているし、学校だけでなく市や教会も大人向けの様々なESLクラスを運営している。クラスに参加する前にテストをしたり、講師と実際に話すことによって、レベルに応じたクラスにアサインしてくれるため、授業の内容が難しすぎて全くついていけないということもない。

また、子供が学校に通っていると各種の連絡がSMSで送付されてくるのだが、私が住んでいる市では自動翻訳ではありながらも、そういう内容も日本語で送付してくれるサービスがある。"Good Morning! Parents!"が「おはよう!親!」とか訳されているので苦笑してしまうが、意味が通ればよいので、英語が苦手な人にはかなり助けにはなると思う。また、病院にもよるが、大手の病院では日本語への翻訳サービスなどもあり、英語が母語でない人も基本的な生活が遅れるようなインフラやサービスがかなり整っている

以上述べたようにアメリカには英語が母語でない人への支援制度が整備されているので、こと生活についてはあまり心配しすぎる必要はない。実際のところTOEICで300−400点くらいの英語力の移民がアメリカでは沢山生活をしているというのが私の肌感覚だ。


アメリカで生活を始めれば、英語力はそれなりにあがる

TOEIC600点というのは、とっかかりとしては良いが、楽しく生活や仕事をするためには十分な英語力ではない。が、皆さんが想像、期待している通り、アメリカに住んでいると、英語力は必要に応じてそれなりにあがっていくことは間違いない。幅にもちろん差はあれど、少なくともアメリカに住んで英語力が下がったという話は聞いたことがない。

私は、英語が母語でない人の英語力というのは「学習量」と「環境」の掛け算で決まると考える。一定以上の「学習量」はもちろん必要であるが、「環境」の要素もかなり大きな割合を占めるのも事実で、仕事や生活で周りの殆どが英語話者という環境に放り込まれれば、ある程度までは「環境」に引っ張られて自ずと英語力はあがっていく。私も、移住したばかりの頃は、仕事で一日中英語の会議や議論に参加して、夕方ころには毎日頭が痛くなっていたが、慣れるに従いそういう悩みもなくなっていった。

少し視点を変えると、英語を話したり、聞いたりする機会の限られた日本では、同じ「学習量」をこなしていたとしても、英語力向上の効果は「環境」が原因で限定されてしまう、という見方もできる。勿論、一生懸命勉強すれば日本に住んでいたとしてもTOEICを900点以上とることは無理なことではない。ただ、600点を700点に、700点を800点に、800点を900点にあげるためには、アメリカに住んで日常生活や仕事の中で自然と英語を使う環境のほうが、より少ない「学習」でより大きな学習効果を実現することが可能になるのは間違いない。


勉強する習慣こそが、英語力向上の鍵となる

ここまでのところで、アメリカ移住する上で、TOEICで900点レベルくらいの英語力がないと仕事も生活も立ち行かないなんてことはない、という話をしてきたが、次に400点や500点では何故十分でないのかという話をしたい。上述した通り、英語が母語でない人の英語力というのは「学習量」と「環境」の掛け算で決まる。即ち、「環境」による「英語力向上」というのも同様に限定的であり、「勉強する習慣」というのも英語力の伸びを左右する大きな要素だ。つまり、「勉強する習慣」が身についていない人は良い環境においても、学習効果は残念ながら限定的なのだ。

日本企業に勤める夫の海外赴任に帯同して、家族でアメリカに数年住むという人は結構多い。いわゆる駐在妻の方々の多くは、一点目で紹介したESLクラスなどに通うのだが、私の経験上、途中でドロップ・アウトしてしまう方というのは結構多い。勿論、公的なESLクラスを修了し、お金を払ってコミュニティ・カレッジに通って、さらに英語を学ぶという人もいる。が、「子供には内緒だが、ESLクラスは途中でやめちゃった」という人も少なくないのが現状だ。当たり前だが、アメリカ人はきれいな発音、きれいな言い回しで英語を話す。そういう人に囲まれている環境というのは英語を勉強するには最適なのだが、途中で挫折してしまう人が多いのは何故か。それは、勉強をする習慣が身についていない人は、どんな良い環境におかれても向学心を持って「継続的」に学習に取り組むことができないのだ。まして、異国地で暮らすというのは、初めの頃はささいなことでも相当なエネルギーを要するので、日々の生活を乗り切りながら、英語の勉強に取り組むというのは、勉強慣れしていない人には決して簡単なことではない。

「勉強する習慣」が大事ということを述べてきたが、私にとってはTOEIC600点あたりは「勉強する習慣」が身についているかどうかをはかる一つの基準となる。TOEIC900点というのは座学だけで達成するにはかなりハードルが高いが、TOEIC600点は日本で普通に仕事をし、普通に生活をしながらでも、それなりに勉強しさえすれば誰でもとれる点数だ。一日英語の勉強に1〜2時間くらいあてる地道な努力を1年間続ければ、勉強方法さえ間違えなければ600点はそれほど難しい点ではない。逆に、アメリカに移住したいという思いがありながらも、そこまでの勉強はとてもできないという人は、諸事苦労が伴うこちらの生活にプラスして、さらに勉強をするという苦労を乗り越えることは難しいように思う。


まとめ

以上、アメリカ移住に必要な英語力はTOEIC600点と私が考える理由を説明させて頂いた。もちろん、もっと低い英語力でも私はアメリカ移住をした人もいれば、もっと高い英語力でも苦労してうまくいかなかったという人もいると思うし、そもそもどこを到達点とするのかによっても求められる英語力は変わってくるのは重々承知している。が「その人の状況や何を目指すかによるので一概には言えない」で片付けてしまうと、あまり参考にならないと思うので、敢えて一つの見方を提示させて頂いた。参考になれば幸いである。

組織の論理より大切なこと

「ねばならない」より大切なこと

アメリカで仕事をしていると、「この人たち、本当に自由だな」と感じることが多い。

  • 子どものお迎えは当然のこととして、犬の散歩を理由に定時前に帰宅する
  • 期限内に仕事が終わっていない場合でも、「他の優先事項があったので」とあまり悪びれない
  • より魅力的なポジションを社内で見つけると、引き継ぎ二週間くらいでささっと異動してしまう

というようなことは日常茶飯事であり、そういう例をあげるときりがない。彼らは「定時の間は会社にいなければならない」、「約束した仕事は残業してでも期限内に終わらせなければならない」、「会社員である以上、自分の希望よりも組織全体の利益を優先しなければならない」などの、沢山の組織の「ねばならない」に縛られていない。そういった組織の論理よりも、自分の人生の価値判断基準や優先順位をもって、「自分はどうしたいのか」というところに強い重きをおいている

 

組織の論理が軽んじられても、組織は回る

そういう話を聞くと、「そんなことで組織が回るのか?」と疑問を持つ方がいるかもしれないが、これが意外と回るのだ。アメリカの一般的な雇用形態では、雇用者が一ヶ月前に通知をすることで従業員を解雇することができる。それは本人のパフォーマンスが低かったことが原因の場合もあれば、業績不振によるリストラという会社都合の場合もある。そういう意味では、会社に対しての価値を提供することができなければ、直接的であれ間接的であれ職を失うことになる。なので、大事なのは

  • 定時に会社にいなくても、仕事できちんと成果をだす
  • 頼まれた仕事を期限内に終わらせなくても、それ以外の仕事で高い価値を提供する
  • より自分の能力が発揮できる環境で、活躍をし続ける

ということである。生活の支えとなる仕事を確保することを「ジョブ・セキュリティを維持する」というような言い方をこちらではするが、ジョブ・セキュリティ、自身のキャリアアップ、そして私生活の充実を常にバランスをとりながら、日々自分自身で選択をしているのだ。

 

私自身が社内異動をした時のはなし

かく言う私も、2年ほど前に、渡米してから5年ほど働いていた部署を離れ、今の部署に社内異動をした。たまたまタイミングが重なってしまったのだが、私が異動の希望をだしたのと同じタイミングで、私の直属の上司が転職してしまい、その上司の抜けた穴を私に埋めてほしいというのが、所属していた部署の希望であり、組織の論理的には非常にやめにくい状況にあった。CFOに呼び出されて慰留されたりして、かなりすったもんだあったのだが、3ヶ月間というアメリカ人的にはクレイジー、日本人的には普通の引き継ぎ期間を確約することで、晴れて社内異動を果たすことができた。

とは言っても、直属の上司が辞めたタイミングというのは私も引っかかっており、結構後ろめたい気持ちがあった。3ヶ月という長い引き継ぎ期間に内密のはずの私の異動話は瞬く間に社内に広がり、色々な方に「異動するらしいじゃん」と声をかけられることになった。「いやぁ、このタイミングで異動かよ」という誹りは免れないという覚悟はあったのだが、

  • Congratulations for your new challenges!
  • Great choice! Well deserved transition!

というような、非常に前向きなコメントのシャワーを浴びることはあれ、嫌味や誹りを受けることは一切なかった。そこにあったのは、個人の選択と決断への尊重、簡単に選択する権利を手放さなかった勇気への称賛、そして自分の人生の決断をしていく同士へのエール、であったと思う。

 

「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」

本当は最近読んだ『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする』の書評を書こうと思っていたのだが、2014年刊行にも関わらず、既に自己啓発書の古典に名を連ねつつあり、書評と解説動画の溢れる本書に今更私の評をつけることに気後れを覚え、本書からの学びと私の経験を上述させて頂いた。最後は本稿を書く上でインスパイアされた本書の一節を紹介して、締めくくりたい。

 

選ぶ力は自分だけのものであり、何者にも奪えないということを理解しなくてはならない。<中略>エッセンシャル思考の人は、選ぶ力を無駄にしない。その価値を理解し、大切に実行する。選ぶ権利を手放すことは、他人に自分の人生を決めさせることだと知っているからだ。
『エッセンシャル思考』 〜第2章 選択ー選ぶ力を取り戻す〜

 

『投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント』 若者が読むべき3つの理由

シックで重厚な表紙、「投資の大原則」という背筋の伸びるタイトル、バートン・マルキールとチャールズ・エリスという著書の厳つさから、とっつきにくそうな印象を受けるが、本日紹介する『投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント』は、誰にでも実現可能な資産形成の原理原則が、わかりやすく簡潔にまとめられている名著だ。時空を超えて賢人から学びをえることができるという読書の素晴らしさを再認識させられるような本であった。

 

老後に向けた資産形成というワードが頭にちらつき始めた私のような中年にも参考になるが、本書はむしろ若い世代に是非手にとって頂きたい。本エントリーでは、内容を紹介しつつ、私が何故若い人に本書を推すのかを説明していきたい。

 

投資の王道を学ぶことができる

日本では株式投資というと、何故かデイトレードやビットコインのような投機的なイメージがつきまといがちだ。内容が刺激的で注目が集まりやすいからだと思われるが、そういう「邪道」の投資のイメージが先行し、株式投資を敬遠する人が多いのは本当に残念なことだ。学びの入り口は「王道」であるべきで、本書は文字通り投資の世界の賢人が指し示す「投資の王道」である。

  • インデックス・ファンドを活用した分散投資の重要性
  • 定期定額長期積立投資の有効性

などの大原則が非常にわかりやすく、データを元に説明されているので、若い人が投資を学ぶための最高の教科書といっても過言ではない。また、本書では、バートン・マルキールとチャールズ・エリスが「王道」からそれた投資をしていることも正直に語られていることも見逃せない。杓子定規な原理原則だけでなく、賢人たちが脇道へ逸れる際の判断基準を学べるのは本書の売りの一つだ。

 

投資で大事なのは時間を味方にすること

「もっと早くこの本に出会いたかった」、それが本書を読んで一番初めの感想た。何故かという、本書は、投資の中でも「長期投資」を前提に書かれており、本書の学びは若ければ若いほど有効に活かせるからだ

投資をするのにタイミングは大切だ。しかし、タイミングよりも、いつから投資を始めるかというほうが重要だ。

『投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント』 驚異の72の法則

 本書は投資をするのであれば早ければ早いほうが良いという立場をとっている。何故か、それは投資のリターンを再投資し、それを長く続ければ続けるほど複利の力を利用することができるからだ。その一例として「72の法則」というシンプルな法則が紹介されている。これは非常に単純だが示唆に富む法則で「”お金が2倍になる年数” X ”リターンの年率”=72」という等式だ。例えば、年利が6%の投資をし、そのリターンを全て再投資に回すと12年で元本が2倍になるということが導き出せる。若い頃からこつこつと貯めるだけでなく、そのリターンを再投資し続けることで雪だるま式に資産を増やすという考え方を簡潔かつわかりやすく教えてくれる。私も、若い頃から貯蓄はしていたし、個別銘柄投資はしていたが、銀行貯金の利率は皆無、そして配当はそのまま銀行預金口座に貯蓄していたので、複利の恩恵を受けることができなかった。若い人ほど時間を味方につけることによる効果が高いので、「複利の力」を理解して、資産形成に活かしてほしい。

 

節約と貯蓄の重要さを学ぶ

『投資の大原則』という投資の本でありながら、本書で取り扱われる一番初めのテーマは、投資の仕方ではなく、節約と貯蓄の仕方であることが何とも心憎い。筆者たちは、余計な出費を抑えることが、長期投資を成功に導く一丁目一番地であることを知っているのでこういう構成にしているのだろう。「こうすれば儲かる」という投資理論を記載した本はあれど、その前に「種銭を作るための節約の考え方」、「再投資を実現するための蛇口の締め方」を懇切丁寧に説明している本は少ないのではないか。理論より実践に重きを置く、筆者たちの質実剛健な姿勢が良く表れている。若い時は、とかくあればあるだけ使ってしまいがちであるが、節約という習慣が長期的には人生を豊かにするという教えからスタートするというのが何とも教育的ではないか。



本書は高校生でも十分に読める内容であるため、高校生の課題図書などにすると、日本人の金融リテラシーの大幅な向上につながるであろう。本エントリーでは、若者に推す理由を中心に記載したが、「王道」を理解し、早く始めることが大事なのは、別に若者に限った話ではないので、広く多くの方に手にとって頂きたい。

『その後のとなりの億万長者』富と収入の違いを理解し、富を築く

「お金持ちになりたい」、そう思っている人は世の中に沢山いるだろう。野村総合研究所の調べによると、日本の全世帯の中での億万長者(純金融資産1億円以上)の割合は2.5%ほどの模様。50人いたら1人は億万長者というのはそんなに悪い数字ではないが、少数派であることに変わりはない。一方で、アメリカの億万長者比率は9%と日本よりはるかに高い。それを聞いたら、

  • 年収数十億円のプロスポーツ選手や大企業の経営陣
  • 大きくインターネット事業であてた起業家
  • 巨額の報酬をえる医者や弁護士

などのいかにもアメリカンドリームのイメージが浮かぶ人が多いかもしれない。本日紹介する『その後のとなりの億万長者』はそんなイメージを良い意味で壊してくれる良書だ。

 

本書は、アメリカで高い金融資産を保有する層にアンケートに回答してもらい、そこから彼らに共通する行動パターン、特性を導き出している。そして、その調査結果が示している行動特性は、

  • 規律ある消費
  • 堅実で長期間にわたる貯蓄
  • 地道かつ勤勉な資産管理

といった手堅いものばかりで、アメリカンドリームのイメージとは程遠い。本書で紹介される億万長者たちは「年収数千万円稼ぐ」といった手の届く感の薄い遠い世界の人々ではなく、それこそ隣近所にいるおとなしめの老夫婦のような親近感のわく人物像が多い。超高収入、一攫千金という飛び道具を使わずに「お金持ち」になるための基本が凝縮されており、「億万長者も決して夢ではない」という勇気を与えてくれる。

 

富とは収入ではない、また収入は富ではない。

 この言葉を聞いて、目が泳いだ方は、飛び道具を手にしない限りお金持ちになるのは難しい。ここでいう富とは、資産から負債をひいた純資産のことで、筆者は本書で

  • 収入と富をきちんと分て考えるべき
  • 収入と富は相関を示す傾向にはあるが、イコールではない
  • 「お金持ち」かどうかは、収入ではなく、富によってはかられるべきである

ということを何度も強調している。日本では「年収1千万円」という数字はよくでているが、「純資産3千万円」のような数字はあまりでてこない。自分の年収を答えることができない人はいないと思うが、自分の資産額はいくらなのかを把握していないという人は、結構多いのではないだろうか。「お金持ち」への第一歩は富と収入の違いを理解して、富を築いていく意識を持つことから始まる。

 

本書では、蓄財優等層と蓄財劣等層という二つの言葉が良く出てくる。収入がいくら多くても、それらをそのまま派手に使ってしまえば、決して「お金持ち」にはなれなく、そういう人たちを蓄財劣等層と呼んでいる。転職を繰り返してスキルアップと年収アップを重ねていくアメリカ人は、収入の増加にあわせて生活レベルをあげ続ける人が非常に多い。大量消費社会で、日本よりお金がものをいう世界なので、あればあるほど使ってしまう誘惑は高い。高級な住宅街に住み、高い車に乗り、高価なワインを嗜む、というように収入を消費にそのまま回してしまい、富を蓄えない人は瞬間最大風速の生活を楽しむことができるかもしれないが、お金持ちにはなれない。規律を守って富を蓄え、地道かつ勤勉に資産を管理運用した人の中にこそお金持ちがいると言う事実が本書では繰り返し実証研究から語られている。

 

「年収2000万円問題」で政府に批判が巻き起こる反面、NISAやiDeCoの認知度が40%にも満たない日本人は決して資産形成のリテラシーが高いとは言えない。だが、貯金額の多い日本人が、長期かつ勤勉な資産運用という最後のステップにさえ踏み込めば、お金持ちへの道が大きく開けるという点で本書は勇気を与えてくれるだろう。「富と収入の違いを理解して、富を築いていく意識」をまだ持っていない方は是非本書を手にとって頂きたい。

『スマホ脳』 時間泥棒から身を守るための脳科学

スマートフォン、略してスマホを使わない日は私は一日もない。朝はスマホの目覚ましで起き、眠気ざましにSNSをベッドの上でだらだらチェックし、起きぬけに計った体重と体脂肪率を登録し、顔を洗ったりヒゲを剃ったりしている間に音楽を流し、YouTubeで朝ヨガの動画を流して軽く体を動かし、カレンダーアプリでその日の仕事の予定を確認し、朝食をとった後は教育系のYouTubeの動画を視聴し、仕事前に英語発音練習アプリでウォーミングアップをし、いざ仕事を開始すると矢のように各種連絡がテキストやチャットアプリに入るなど、朝起きてから休むことなく稼働し続けている。私の一日の使用時間は3ー4時間ほどであり、平均より少ないのではないかと思うが、それでも起きている時間の多くをスマホと向き合っていることには変わりはない。

 

2人の子供にもスマホを買い与えているが、親としては彼らの使用頻度の方も気になる。高校生になる娘は、一時期目が飛びでるような時間をスマホに費やしてきていたが、自分なりにコントロールする術を模索して、決して少なくはないが、ティーンの平均よりは少ない時間におさめ上手く付き合っているが、中学生になる息子は伸び盛りの時期にスマホの利用時間も伸び盛りのようで、少し助けが必要なようだ。

 

本日紹介する『スマホ脳』は、本棚に平積みされているベストセラーであるが、自分自身、並びに家族のスマホ利用に頭を悩ませている方は必読の書と言えるだろう。本書が面白いのは、スウェーデンの精神科医であるアンデシュ・ハンセン氏が、ドーパミンが人間の脳の中で放出される仕組みを解説した上で、時間泥棒を企む企業がその脳の仕組みを如何に活用しているかを、説得力をもって語っている点だ。また、本書で語られているドーパミン放出のメカニズムは、決してスマホ利用時間という特定のトピックに限定した知識ではなく、自分の感情やストレスのコントロールに活用できる汎用的な知識だ。

 

もう少し内容を深堀する。本書で語られている脳とドーパミンの関係を私なりにまとめると下記のような感じだ。

  • ドーパミンは、人を何がしかの行動に駆り立てるために放出される
  • 現代の人間の脳は、サバンナで狩猟をしていた頃の原始人の頃から変化は特に無く、サバンナで生き抜くことができるような行動を駆り立てるようドーパミンを放出する
  • 具体的には、環境の変化を見逃さないために、感知した新しい情報の内容を確認させるよう仕向けたり、集団からの孤立を避けるために人との繋がりを維持するような行動を駆り立てる、などの働きをする

太古の昔は、周囲の環境を理解すればするほど、より早く危険を察知することができ、また生き延びるための食糧を手に入れることができた。なので、新しい情報を探そうとする本能が人間にはあるのだという。また、技術の全く発展していなかった時代は、人は集団で暮らさなければ生き延びることができなかった。集団から外れるということは、それそのものが死を意味していたため、社会的な繋がりを作る行動を駆り立てるように脳は機能するのだという。

 

Facebookのアイコンに赤い更新通知が表示される、Twitterのアイコンに未読の通知が表示される、投稿した内容に知人や友人が「いいね!」を押してくれる、ブログで書いた記事がバズる、などのことに微弱ながらも刺激を受け、ついスマホに手を伸ばししまう、というのは脳科学的には理にかなった行為であり、その脳の仕組みを理解した上で頻繁にユーザがアクセスしたくなるような仕掛けを各SNS企業がかけている、というのが本書の肝である。この現代人の脳の仕組みが狩猟時代から変わっていなく、それが現代社会に適合していないというのは、ダイエット関連の書籍にはよくでてくる話であるが、それをスマホと結びつけたというのが私には新しかった。

 

新しい視点を提供してくれたという点で読んだかいがあったのだが、少し物足りなさも残る。本書の中盤は、スマホが如何に集中力や記憶力を削ぐのかが、各種の実験結果と共に語られている。それはそれで興味深いし、感覚的にもわかるのだが、原典がきちんと表示されていないので、アカデミックさが欠けており私には物足りなかった。また、後半部では、いよいよ解決策が語られるのだが、その内容が「運動しよう」であったため、正直こけてしまった。運動の効果を否定するものではないが、本書の骨子からの論理の飛躍感が否めない。もっと、「逆に脳のこういう特性を利用して、このように利用時間を減らすのが良い、時間泥棒からこのように身を守ればよい」、などの提案があったほうがより面白くもあり、参考になったと思う。

 

最後は若干勝手な見解を述べたが、本書は一読の価値あり、ということには何ら変わらない。本書で、紹介されている時間泥棒から身を守るための脳科学は、スマホの利用に少しでも悩んだことのある人は、必修事項だ。本エントリーを読んでいるスマホは横において、本書を手に取ることをお勧めしたい。

『歴史を活かす力』 「何故、歴史を学ぶのか?」のかという問いへの答え

「何故、歴史を学ぶのか?」、そんなシンプルな問いを子どもから問いかけられたら、小難しい説明はおいておき、「まぁ、この本でも読んでみなさい」と取り敢えず渡してしまいたい、『歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A』はそんな本だ。

歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A (文春新書)

歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A (文春新書)

  • 作者:出口 治明
  • 発売日: 2020/12/17
  • メディア: Kindle版
 

 筆者は、本ブログでお馴染みの出口治明氏。本書は、「織田信長が明智光秀に討たれたのは、どこに失敗があったのでしょうか」、「スペイン風邪が第一次世界大戦を終わらせたというのは本当ですか」、「ローマ帝国がキリスト教の迫害から一転して、国境としたわけは」などの歴史をからめた80の質問に筆者がテンポよく答えていく、という形式で進んでいく。わかりやすく平易な言葉を使いつつ、関西弁の口語も交えながらのユーモラスな文章が展開されるので、中学生や高校生でも楽しみながら読め、「あぁ、歴史って面白いなぁ」と感じることもできるだろう。

 

どの質問も単なる歴史の知識の開陳で終わることなく、筆者の膨大な歴史の知識を元に「タテ思考(ある歴史の事柄を他の時代の似たような出来事と関連づけて類似点と相違点に着目しとらえる考え方)」を最大限に活かした独自の着眼点で解説されるている。個別の歴史の出来事が、新な物語りとして語られる小気味良さが味わえ、一度読み始めたら、なかなかやめられない本であった。目次をみればわかるが、あげられている80の質問は、まとまりがあるようでない雑多なテーマの集合体だ。それらが、矢継ぎ早に投げられても、常に軸をぶらさず的確に、そして楽しそうに打ち返す筆者の姿をみれば、歴史を学ぶ理由は「自分の頭で考えるための思考軸を自分の中に作る」ことにあることを読者は自ずと実感できるはずだ。「連合王国(イギリス)の歴史で、最大の失敗といえば何でしょうか」に対する答えが2020年の1月のEU離脱(ブレグジット)と断じ、それを「ナポレオンによる大陸封鎖令を自ら実施するようなもの」と喝破しているが、現在進行形の事象を独自の思考軸でとらえている好例だ。色々な意見がありうる内容についても、「私はこう考えますよ、でも他の見方があれば、是非教えてください」というオープンなスタンスで臨んでいるのも、勉強を続けて思考軸を磨き続けている筆者ならではの余裕だろう。

 

本書は、その他にも「消費税10%増税と徳川吉宗の享保の改革」、「毛沢東と西郷隆盛」、「ラグビー日本代表と鎌倉新仏教」など意外な取り合わせで現代社会を読み解く多様な視点を提供してくれる。発想を自由に飛躍させながら、自分の頭で考えた視点を読者に問う筆者の姿は、「あぁ、歴史を勉強すれば、こんなに色々な物事の見方ができるんだ」と若者もきっと向学心を持つことだろう。『歴史を学ぶ理由は、自分の頭で考えるための思考軸を自分の中に作ることにある』なんて、偉そうに子どもに説教するより、自由に楽しそうに語る筆者の姿をみせることが、子供の向学心をかきたてるにははるかに効果的だろう。

 

そんな、出口氏、本年1月上旬より病気療養中とのことで心配だ。今は治療に専念され、また元気な姿で活躍を頂きたい。くれぐれもお大事にしてください。

在宅生活で健康体を保つ上で重要な三つのこと

コロナ禍で在宅・テレワーク生活をしている人も日本でも大分増えてきた模様。が、その結果として「コロナ太り」や「おこもり太り」なんて造語ができるくらい体重が増えてしまった人がかなりいるようだ。理由は様々あるようだが、運動量の減少がどうも一番の原因だろう。日本で働いていると、通勤でそれなりの歩数を稼げるので、通勤がなくなったことによってその分の運動量がぽっかりなくなってしまい、それが体重増という形ではね返ってきた方が多いのは理解できる。

 

ステイホーム生活が始まって1年くらいたち、私はこの1年間一度も会社には行っていない。私は、元々通勤で500歩くらいしか歩かないアメリカ生活を送りながらも、ランニングなどをして健康体を保っていたが、ステイホーム生活のおかげで、体脂肪率は14%から12%台に落ち、ますます健康になった。筋トレの成果で貧弱な上半身にも筋肉がかなりついてきたし、開脚ストレッチで肘もつかないくらいガチガチの体であったが、今は顎が床につくようになり、コロナ禍のおかげでより健康な身体をつくることができている。

 

増えた体重を「コロナダイエット」に勤しんで減らそうと努力されている方やコロナが沈静化したら体重を元に戻そうと目論んでいる方も多いようであるが、そういう方々の少しでも参考になればと思い、どうやってステイホーム生活でも健康体を保っているのかを共有したい。

 

1. 目標体重にそった生活習慣を作り上げる

「今62キロの体重を58キロにする」という目標設定から入って、ダイエットに成功した試しが私には一度もない。瞬間最大風速で目標に近付くことはあるが、強烈な引力で元の62キロにいつも吸い寄せられてしまう。体調を崩して定期的に実施していた運動が継続できなくなったとか、出張が入ってリズムが崩れたとか、それこそ在宅生活が始まって運動の機会が減ってしまったとか、人生の至る所に「体重コントロール型」のダイエットを阻む罠が仕掛けられている


何度となく失敗した結果、「体重ではなく生活習慣をコントロールする」、「目標体重にそった生活習慣を作り上げる」というように発想を切り替えたら、体重と体脂肪率の管理が容易になった。体重というのは現在の生活習慣の結果である。短期的に摂生をして体重を減らせば、元の生活様式に戻ってもその体重をキープできると思っている人がいるが、それは間違いだ。それぞれの生活習慣に紐づいた体重があるため、目標体重を実現するために大事なのは、短期のダイエット施策をうつことではなく、自分が継続でき、自分が望む体型にそった生活習慣を作っていくことである。


この発想は在宅勤務下でもあてはまり、私も状況の変化にあわせて細かな調整を重ねている。例えば、在宅生活が始まった当初は散歩などをして、一日の歩数は通常の1万歩よりも多い、1万2千歩くらいを維持していたのに体脂肪率が増えがちになった。会社に行くと会議と会議の合間に会議室を移動するためにちょこちょこ動くが、自宅でテレワークをしているとリモート会議から別のリモート会議に入るだけなので一日座りっぱなしになってしまっていた。まとめてどかっと体を動かすのにプラスして、ちょこちょこ体を動かしたほうが良いように思い、会議の合間に逆立ちをしたり、筋トレや柔軟体操をするようにしたら体脂肪率が元に戻っていった。一日の歩数を8千歩ほどに抑えても、隙間時間に頻繁に体を動かせば、体重を維持できるし、筋トレの効果などで体脂肪率も低く抑えることがわかり、今はそういう生活習慣にしている。体重や体脂肪率を毎日測り、生活習慣を常にチューニングしていくことだ大事だ。


2. 生活習慣をコントロールしやすい在宅生活のメリットを活かす

体重や体脂肪率ではなく、生活習慣をコントロールすることの重要性を述べたが、在宅勤務のメリットはより生活習慣をコントロールしやすいことにある。自分のありたい身体にそった生活習慣を作り、維持するためには、この「コントロール」という考え方がとにかく大事だ。例えば、運動する暇も気力もないくらい仕事が忙しいと、とりうる生活の選択肢が狭まり、コントロールがききにくくなる。また、出張や病気の時も、生活の自由度がせばまるので、コントロールが難しい。常時激務で中々運動の時間がとれないという人は、その忙しさを解消することが細かなダイエット施策をうつよりずっと大事だ。


在宅勤務というのは、よくよく意識してみると、選択肢と自由度を大幅に広げてくれる。会議と会議の合間に逆立ちするとか、空いた10分間で散歩や筋トレをするというのは在宅であるからできることであり、やはりオフィスでおもむろに逆立ちや筋トレをするのは難しい。在宅勤務開始当初は、「きちんとした仕事はきちんとした身なりから」というポリシーに従い、襟付きシャツとスラックスで仕事をしていたが、その格好だと逆立ちはしにくいし、ちょっとできた隙間時間に軽く散歩にいくということも難しいので、最近はランニングシャツとパンツにパーカーをはおるみたいな格好で仕事をして自由度を高めている。


会社にいかなければ、付き合いでランチや飲み会にいく機会も減るので食事をコントロールすることも容易になる。自宅の冷蔵庫にすぐにアクセスできるので、作り置きしているサラダチキンをお昼に食べたり、そこに野菜をちょい足ししたり、プロテインを補給したり、オフィスにいる時と比べて色々な調整がしやすい。


上記の通り、在宅勤務というのは、自分が作り上げていく生活習慣の選択肢を広げ、コントロールをきかせやすい。通勤を通して半強制的に一定以上の運動を意識することなくしていた人は、惰性に流されるとその分の運動量が減るだけなので、テレワーク下の生活スタイルを作り上げようとする意識を持つことが第一歩だろう。

 

3. 家族と一緒に運動を習慣化する

何かを継続する時に、自分一人でやるのではなく、誰か他の人とやる方が継続率が高くなる、ということは良く言われる話だ。YouTubeで紹介されている10分くらいのエクササイズなどは、2〜3日続けることは容易いが、一人で1年以上続けることは私には至難の技であった。が、家族と一緒なら思った以上に習慣化しやすいことがわかったのは収穫であった。

アメリカの学校に通うわが家の子供たちは全てオンライン授業であり、その運動不足が大きな心配事であった。なので、昼ご飯の前にYouTubeに投稿されている腹筋と開脚ストレッチの動画を二本こなすことにした。細かな調整はしつつも、昨年の3月に在宅生活が始まってから1年間継続できている。きっかけは子供の運動不足解消であったが、この手のちょっとした運動をここまで継続できたことは私自身が今までなかったので、私もその恩恵を受けている。自分以外の人と一緒にやるこの効果に加えて、「子供の手前さぼれない」という意識が私の場合は働いたようだ。

始めた当初は、開脚して前屈するも、肘と床の間に無限の広がりがあり、家族から「お父さん、本気!?」と馬鹿にされていたが、地道に続けることによって、今ではおでこどころか顎まで床につくくらい柔らかくなった。また、腹筋も40秒間で8種類のサーキットトレーニングを1年続けているので、かなり引き締まってきた。在宅生活というのは、家族との時間が増え、何かを継続的に取り組み、良い習慣を作る絶好の機会なので、運動に限らず是非何かに取り組むことを勧めたい。

 

以上、在宅生活で健康体を保つ上で、私が重要と考え、実施している三つのことを紹介させて頂いた。日米の環境の違いというのは勿論ある(例えば、アメリカには色々な美味いものが手軽に買うことのできる「日本のコンビニ」がない!、とか)が、「体重ではなく、生活習慣をコントロールする」、「理想の体型に紐づいた生活習慣を作り上げる」という原理原則はどこでも変わらないことは最後に強調したい。皆さまがより健康な身体を手に入れるための少しでも参考になれば。

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