Thoughts and Notes from CA

アメリカ東海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

体重は減らすものではなく、生活習慣についてくるもの

「外食は控える」、「万歩計をつけ、一日に一万歩は歩く」、「筋肉をつけ、基礎代謝をあげる」、「炭水化物をとらない」、「毎日体重をはかる」などダイエットのコツというのはあげればきりがない。私は社会人になってから増えた体重をずっと減らすことができないまま、十年近く過ごしたが、いくつかの生活習慣を改善することにより、学生の頃と同等、並びにそれ以上の体型を最近は維持することができている。未だに色々苦労や努力はしているが、自分の保ちたい体型を維持することが、最近ようやく上手にできるようになった。体重や体脂肪率の増減を繰り返しながらようやく今にいたるわけだが、その経験を通して、私が大事だと思う点をいくつか共有したい。

 

1. 「〜すれば痩せる」式の単体のソリューションで解決しようとしない

人にどうやって痩せたのか、と聞かれたら、「週に2〜3度ジョギングをする」、「ビールの代わりにホッピーを飲む」、「野菜中心に食生活を心掛け、あまり外食しない」、「間食をしない」など色々私がやっていることを共有することはできるが、それをやったからと言って誰もが痩せることができるわけではない。体重や体型に影響を及ぼす要素は多岐に渡り、誰もに普遍的に当てはまる黄金の法則なんてものは絶対にない(だからこそ、ありもしない黄金の法則を売ろうとするダイエット商法が成り立つのだろうが、、、)。ダイエットのスタートポイントは、何か一つのことをすることにより、劇的な成果をえようとすることをまず諦めることだと思う。

 

2. 体重をコントロールするのではなく、生活習慣をコントロールする

「今62キロの体重を58キロにする」という目標設定をから入り、体重を減らす努力を重ねるタイプのダイエットをして、うまくいった試しが私にはない。短期的に目標に近付くために、運動をしたり、食事制限をしたり、怪しげなサプリを飲んだりするが、大抵は続かない。肝入りで始めたことが、思ったより成果があがらないことに落胆し、気づいたら何もしない生活に逆戻りしているということを何度繰り返したことか。
最近は少し考え方を変え、生活習慣の何かを変え、体重が減るかどうか、そしてそれが持続可能かどうかを確かめ、上手く機能するようなら、それを新しい生活習慣として取り入れるようにしている。普通のダイエットと同じように聞こえるかもしれないが、体重を減らすために何かをするという考え方と、目標体重に見合った生活習慣を作り込んでいくという考え方は、私は全く別物だと考える。減量というのは追い求めるものではなく、生活習慣についてくるものだ、というように発想を転換してから、いわゆるリバウンドをしなくなったし、こんなに努力しているのに体重が減らない、とストレスを感じることも少くなった。


3. 体重は点で管理しないで、面で管理する
目標体重を達成することよりも、その体重を常にキープすることは十倍以上難しい。私が求めているのは、瞬間最大風速で過去最軽の体重を実現することによる達成感ではなく、望ましい体型をずっとキープすることなので、最近は体重を月単位の平均でみるようにしている。体重をこのように面で管理をすると、日ごとに増減する体重ではなく、生活習慣にもっと目を向けやすくなる。また、体調を崩したり、出張が入ったり、急激に仕事が忙しくなったりするようなダイエットのリズムを壊す突発的なイベントで、ダイエットを継続できなかったことが以前はあったが、体重を面で管理するようになってから、あれやこれやが起きてもリズムを崩すことなく、継続的に体重と体型の管理ができるようになった。


4. インとアウトではなく、生活環境に目を向ける
摂取するエネルギーを減らし、消費するエネルギーを増やすという算数によって体重はめでたく減っていくわけであるが、本当に一番力を注がないといけないことは、摂取するエネルギーを減らすことでも、消費するエネルギーを増やすことでもなく、その二つを管理・コントロールしやすい環境を作ることだと思う。例えば、仕事が忙しく、ストレスの多い生活をしていれば、どうしても運動する時間がとりにくいし、ストレスが引き金になって暴飲暴食をしてしまう。また、ジムやジョギングができる公園などの運動施設が家のそばになければ、やる気があってもなかなか運動を継続することはできない。私は、今は外食は殆どしないし、週に4〜5回はジョギングをしているそれは自分の努力と我慢によるところもあるが、殆どの日は5〜6時に仕事を切り上げることができる環境によるところが大きい。現在のライフスタイルを所与としてインとアウトを無理矢理コントロールをしようとするのではなく、生活環境を変えていくことが持続的な体型維持には一番必要なことだと思う。


4年前にアメリカに移り住んで、生活環境が大きく変わった。車通勤になり運動の機会が劇的に減り、高カロリーの外食産業に囲まれ、ホッピーが売ってない代わりに、安くて最高に美味いクラフトビールが溢れている、などダイエットに取り組む上でチャレンジもあれば、信号に阻まれることなく気持ち良くジョギングできる環境が家のそばにあったり、オフィスにジムがあってそこで運動ができたり、外食が高い上にあまり美味しくないので家で食事をとることが多くなったり、などポジティブな面もある。アメリカの環境にあわせて生活習慣を作りこんできたが、繰り返しになるが、体重というのは生活習慣についてくるものだと思う。短期的な無理なやり方で体重を減らそうというのではなく、自分の求める体重と体型に見合った生活習慣を時間をかけて作り上げていくことこそが大事だということを私の経験から強調したい。Good Luck!

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