Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

旅行の予約でやっちまった話 ~返金不可から返金を勝ち取る10日間~

私:
The Towers at Pueblo Bonito Pacifica – All Inclusive を予約しました。念のために確認ですが、こちらはAdults Onlyではないですよね?

Chat GPT
ご安心ください。
The Towers at Pueblo Bonito Pacifica – All Inclusive は、親ホテルである Pueblo Bonito Pacifica Golf & Spa Resort と同じく、Adults Only(大人専用、18歳以上)リゾート です。

私:
おーい、話が違うじゃーん!!

先々週の月曜日。
私は年末の休暇に、妻と17歳の息子と一緒に行くロス・カボスにあるリゾートホテルの選定作業に勤しんでいた。以前宿泊したカンクンのホテルは、ビュッフェで子供が走り回り、少し落ち着かなかった。リゾートホテルには「Adults Only」という制限を設けている所があるが、どこも18歳未満は宿泊不可。つまり、17歳の息子はぎりアウト。
なので、17歳の息子も宿泊でき、あまりファミリー色を前面に出していないホテルをChat GPTに探してもらっていた。

 

1日目:予約を完了するも、、、

Chat GPTに条件にあうホテルのランキングを作ってもらい、Expediaで予約をすることに。Expediaでは、大人専用のホテルはホテル名の横に「***Adults Only***」と明記されている。リストの一番上にきた良さそうなホテルには、「***Adults Only***」の表記がないことを確認し、息子を「Child - 17歳」と登録して予約完了。トータルの値段が$700くらい異なるのでNot Refundable(返金不可)で予約をしたのだが、これが痛恨の一打となる。予約完了後に一応Chat GPTに「Adults Onlyじゃないよね」と確認した結果が冒頭のやりとりだ。

もちろん速攻でExpediaに電話で連絡をする。どうせ20分はかかるだろうと踏んでいたのだが、何と2分くらいで人につながるではないか。「カスタマーサービスに繋がらない現象」が一般的なアメリカでは驚異的な短さ。この時は暢気に「Expediaやるなぁ」と思っていたが、これがとんでもない思い違いであることに後々気づくことになる。

電話で確認をしたところ、

ご要望はごもっともです、ですがNon Refundableでの予約となりますため、ホテルへの確認が必要になります。もう夜が遅いので、明日ホテルに確認をさせて頂きます
Expedia担当A

とのまともな回答。

一応ホテル側にも電話をし、状況の説明と宿泊できないのであればキャンセルしたい、という意思を伝えるが、明日電話して欲しいとのこと。少し不安を抱えたまま、その日は床につくことに。

 

2日目:Expediaとの格闘のスタート

翌日、Expediaから早速メールがくる。仕事早いなぁ、と思いつつメールを開くと。

ホテルの担当と電話で話をしましたが、Non Refundableで予約をしているので、返金はできないとのことです。多くのホテルが非常に厳格なポリシーで運用をしており、お力になれなくて残念です。

Expedia担当B

という「がーん」というメールが届いているではないか。早速、Expediaに電話で連絡をしたところ、

こちらから確認しましたが、受け入れらませんでした。
Expedia担当C

の一点張り。本当かよと思い、仕方がないので自分でホテルに電話をすることに。ホテルの予約担当にすぐにつながり、下記の通り事情と要望を説明する。

  • 17歳の息子も一緒に宿泊できるのであれば予約はそのままにする

  • もし、ホテルが滞在を許可しないのであれば、返金して欲しい

  • そもそも予約の段階で同伴者が17歳であることは通知済み

そうするとExpediaから聞いたのとは異なる下記の回答を得る。

まず、残念ながら17歳のお客様滞在できないルールとなっております。また、状況を鑑み返金も対応したいと思いますが、Expedia経由で予約をされているので、Expediaから当ホテルにキャンセル・返金依頼がないと対応できません
ホテルの予約担当

とのこと。Expediaの担当者からホテルに連絡がいっているはずだと言っても、再度必要の一点張り。ホテルの担当の名前を控えて、再度Expediaに連絡することに。

 

連絡済みがいっているはずなのだが、どうせ上記のような事情を説明しなかったのだろう。次の担当Dが言うには

以前のこちらの担当に内容を確認した所、個別の事情を説明していなかったようです。私の方から、お客様の個別の事情を鑑みたフォローをさせて頂きます。
Expedia担当D

案の定前の担当は、単に返金して欲しいとだけリクエストしたらしい。そして、しばらくしてからその担当からメールで連絡がくる。

予約担当につながりましたが、フロントデスクに回され、フロントとはつながりませんでした。特別対応チームに引き継いでフォローします。
Expedia担当D

という今一つ要領のえない回答。その後、再度電話をし、別の担当Eに話すも、ホテルと連絡がとれないので、特別対応チームが対応と言うばかり。
あぁ、これははまったやつだ、こいつら、多分解決する気がねーな。私の懸念は確信に変わった。

 

3日目:微妙な進展を見せるも、、、

翌日、Expediaに再度連絡し、またまた別の担当Fに事情を説明する。ゾンビのように湧いてくる各担当に何度説明をすれば済むのだろう、と途方に暮れたが、ようやく今回の担当は少し進展をみせる。

お客様が話をされたホテルの担当と話をしました。状況を理解してもらいましたが、上の判断が必要なのでメールで正式に依頼を送って欲しいとのことなので、これからメールを送ります。
Expediaの担当F

あまり期待はしてないが新たな進展を見せる。メールに私を私に入れるように頼んだが、ポリシーでそれはできないが、送信した文面は転送可能ということで、メールを送ってもらうことに。

 

4-5日目:膠着状態が続く

翌日、翌々日と半信半疑で返信を待つも、特にホテルから音沙汰なしという連絡しかこない。5日目にこれはさすがにもう無理だろうと観念し始めたが、カスタマーサービスのスーパーバイザーにエスカレートすることに。
何か内部の規定があるのか、Expedia担当Gにはエスカレートすることをかなり渋られたが、「5日間も全く進展がないじゃないか!」と押し切った。

そして、スーパーバイザーと話をするも、やり取りはほとんど変わらず。

ホテルに再度連絡しましたが、メールが正しいところに送付されていなかったので再度送り直しました。また、別の担当にフォローさせます。おそらく土日を挟むので3〜4日かかりますが、最優先で対応します。
Expediaのスーパーバイザー

とのこと。メールが正しいところに送付されていないって、プロでしょ、、、。君たちの最優先は、就活学生の「御社第一希望です」くらいあてにならんよ、、、。

 

6-9日目:待てども待てども進展なし

土日はそれほど進展はなかろうと放っておいたが、明けた週頭にも音沙汰なし。第3四半期明けで仕事もかなり忙しく、仕事に手一杯でフォローをする時間も殆どとることができない。そもそも、8名くらいの別々のカスタマーサービス担当と話したところに、再度同じ話をするのに辟易として、電話をする気にもなれなかった。
同じ担当がついてくれれば、結果はどうであれ、一歩一歩前に前進することはできるが、担当がころころ変わるので対応にばらつきがありすぎて、進んでいる手応えをえることができないのが、かなりしんどかった。

 

10日目:

昼になっても、経過報告もないので、これは放っておかれている可能性もある。昼休みに少しだけ時間がとれたので、Expediaにメールを送る。Expediaからホテルに送った内容は確認で転送してもらっていたので、そのメールも添付し、ホテルから連絡があったのか、ないのであれば私からホテルに連絡をするので状況を教えて欲しい、とだけ書いて送った。

そして、夕方の5時頃に突如待ちに待った連絡がくる。

お客様
ホテルの予約キャンセル、並びに全額の返金について、確認がとれましたことをご報告いたします。返金の内容につきましては、別途メールを送付させて頂いておりますので、そちらをご確認ください。
一連の手続きにつきましてのご辛抱・ご理解頂きましたことに感謝いたします。Expediaの担当H

正直、半ばあきらめており、最悪カード会社に差し止め依頼をするのもやむなしとやりとりの履歴をまとめようか、とも思っていたところだったので、会心の一撃であった。考えてみれば、もっとすんなりいってしかるべきと思うが、粘りに粘ってようやく勝ち取った返金であるので、とにかく嬉しかった。

 

まとめ:振り返っての成功要因

カスタマーサービスとのやりとりで苦労が絶えないのは常だが、今回は10日もかかり過去最大級に大変であった。私はかなりしつこい性格なので、ほふく前進ではあるが、じりじりとにじりよって行き、その上で返金を勝ち取ることができたが、普通は途中であきらめてしまうかもしれない。今後の参考のために何故無事に返金してもらえたのかを以下自分なりにまとめてみる。

素早い初動と履歴の記録

今回は初動が早かったことが一つの決め手であった。予約完了2週間後と予約直後では、依頼をする時のインパクトがやはり異なる。そして、そのやり取りを逐一履歴にとり、ExpediaとHotelに都度確認と連絡をしたことで説得力を増すことができた。

 

Expediaとホテルの間のたらい回しに理屈で対応

今回は、Expediaとホテルとの間のたらい回しで、双方をいったりきたりして大変だった。もちろん、ものすごく腹はたったが、そこで感情的になると進むものも進まなくなってしまう。なので、「ホテルが滞在を許可するのであれば、予約はそのままにするが、許可しないのであれば返金を求める」という1つのロジックを貫き、両者を粘り強くつなげていったことも成功要因だったと思う。

 

粘り強く、丁寧なフォロー

今回のやりとりでは、Expedia側のかかわった人間は10名ほどに及ぶ。徹底的に事実を大事にし、何月何日に誰とどんな確認をした、ということをメールで常に送り続け、前述のロジックに肉付けをするという作業を地道に実施していった。やりとりは、勿論すべて英語になるので、経緯やロジックをChap GPTにインプットし、英語で素案を作ってもらい、手直しして送付するという作業を繰り返した。はらわたは煮えくり返っているが、常に担当の経緯を払う文面づくりを心掛け、個別の担当の共感をえることができるように腐心したのも大きかった。

 

これからホリデーシーズンに入り、旅行の予約をする方も多いと思う。もちろん、私のように迂闊に予約をするのではなく、それなりの金額になるので、予約前の入念のチェックが一番大事だ。だが、その上で不運にもトラブルに巻き込まれてしまった方の参考になれば幸いである。

Creative Commons License
本ブログの本文は、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 非営利 - 継承)の下でライセンスされています。
ブログ本文以外に含まれる著作物(引用部、画像、動画、コメントなど)は、それらの著作権保持者に帰属します。