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ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

父親が読むべき3冊の子育て本

本日はトーンを変えて子育ての本の紹介を。こんなブログに雑考を不定期に書きなぐっていながらも、私は実は2児の父だ。ビジネス書以外にも子育てに関する本もよく読んだりする。その経験から思うに、世の中に子育てほど、それ相応の学習と修練が必要にも関わらず、その2つを十分にすることなく多くの人が実践を強いられている物事はないのではないか。


はっきり言って子育ては難しいし、大変だ。新生児という生き物は育児雑誌の想定の範囲をはるかに超えた様々な挙動をみせるし、子供が片言を話すようになると躾というものをいつからどの程度すべきかという悩ましいテーマに直面するし、さらに大きくなると子供が集団や社会に適応するためにはどのような助けを親としてすべきか、など新しい課題が続々と浮上する。


生き物である子供を動くこともままならない状態から大きくし、社会に属する一個人として成長させ、家庭全体の幸せの最大化をはかるというのは、私にとってはとてつもない偉業であり、友人や知人からのアドバイスももちろん重要であるが、先人達の知の結集である本なしにこれを成し遂げるのは不可能に近い。前置きが長くなったが、本エントリーでは、私が助けてもらった子育ての本を3冊ほど紹介したい。

『私は赤ちゃん』

私は赤ちゃん (岩波新書)

私は赤ちゃん (岩波新書)

新生児を育てるための知識というのは『Baby-mo』、『ひよこクラブ』、『赤すぐ』などの雑誌を読んだり、それぞれの出版社が運営しているサイトにいけば、ある程度手に入る(むしろ多すぎるくらいだ)。だが、赤ん坊というのは育ち方のバリエーションは千差万別であり、前提となる知識に基づき、状況に応じた判断を日々積み重ねていかなければならず、育児というのは容易なものではない(例えば、ベッドから赤ちゃんが墜落して泣き叫んでいる場合、医者に連れて行くべきかどうか、という類の判断をいつも求められる)。
この『私は赤ちゃん』は小児科医である松田道雄氏が、「夜泣き」、「はじめての熱」、「離乳」などの0歳から1歳くらいの間によくあるテーマについて赤ちゃんの目線で随筆形式でつづっているもの。赤ちゃんの育ち方、嗜好なんてものは千差万別で育児書・育児雑誌などによって型にはめることができるものではない、という赤ん坊の心の叫びがコミカルに描かれており、読み物としてもかなり秀逸。私は読みながら何度も爆笑した。0歳から1歳くらいの子供を育てる知識というより、心意気が学べる一冊であり、そのくらいの年のお子さんのいる方には是非手にとって欲しい。また、その時期をすでに子供が過ぎてしまったという方も、読み物として最高に面白いため、強くすすめたい。

『お父さんのための 子どもの心のコーチング』

お父さんのための 子どもの心のコーチング

お父さんのための 子どもの心のコーチング

子育てというのは夫婦の共同作業であり、父親の子育てへの協力というのは私の世代では当たり前になっている。私は同年代の知人の中で、子供のおむつをかえないという人は見たことがない。まれに大きい方はかえないと白状する父親がいると、容赦なく軽蔑の眼差しがむけられるというのが最近の風潮であろう。私も、おむつはかえるし、風呂にもいれるし、食事もたべさせるし、一緒に遊ぶし、娘の髪を結んでやったりもし、「できないことは授乳くらい」という密かな自負がある
そんな感じでもちろん妻と共同で子育てはするのだが、では子育てにおいて父親と母親の間の役割に違いはないのかと言えばそうではない。男性と女性は生物学的に異なり、乳がでるでないという体の機能以外にも、男性は父性を発揮し、女性は母性を発揮して子供を育てるという役割の違いはある。この『お父さんのための 子どもの心のコーチング』は、父性を備えた父親の役割とは何か、子供の成長段階に応じてどのような形でそれを発揮すべきか、そしてその中で子供の自立を促すためにはどうすればよいのか、ということがつづられている。初めて本書を読んだとき、自分がいかに子供の成長の機会を奪っているかについて愕然としたのをよく覚えている。子供の躾などの悩む父親には是非読んで欲しい一冊。

『お母さんの「敏感期」』

お母さんの「敏感期」―モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる

お母さんの「敏感期」―モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる

子育てをしていると、子供の行動が全く理解できないことがよくある。財布の中にあるカードを一枚一枚抜き出すことに没頭したり、折り紙を何十枚も同じ形に折ったり、大人には理解できないひとつのことに黙々と打ち込み、子供なり強いこだわりを見せることがよくある。そういった子供こだわりは、出かけるための準備を遅らせたり、部屋の片付けの手間を増やしたり、親にとっては時としてストレスがたまるもの。
そんな、大人にとっては理解に苦しむ子供の行動をモンテッソーリ教育という切り口で解説し、そういった子供のこだわりが、子供が成長するためには欠くことのできない大事なものであり、それを奪い去ることは子供の成長を奪い去ると同義であることを本書は教えてくれた。以下にそのさわりを一部紹介する。下記を見て、より深く知りたいと感じた方には、本書は強く勧めたい。

おとなしく何かをしているとき、「なんで、そんなに夢中でするの?」と不思議に思って見つめること、あたたかく見守ること、それをやり終わったときの表情から心の中にあるものを読み取ること、そこにじつはモンテッソーリ教育をわかる糸口があります。
『お母さんの「敏感期」』 〜第一章 P.41〜

発育とか成長というと、とかく外にあらわれる経過で見ようとします。しかし、本当は、外から見える経過の内面にある、特別な感受性やエネルギーが重要なのです。生物の幼少期には、周期的にあらわれる本能が、発育のある段階に、ある精力を強烈に使うようにその生物に強制します。その、内面から押し上げてくる強い感受性で幼少期にある生物は、自分にとって必要なものを環境の中に見つけ、エネルギーを燃え上がらせ強烈にかかわり始めるのです。
『お母さんの「敏感期」』 〜第一章 P.50〜


ちなみに、番外編として産後白書プロジェクトというプロジェクトで作成をした『産後白書』という小冊子も紹介したい。産後女性620人へのアンケートとインタビューから構成される冊子。実は、私の妻がかかわっているプロジェクトなので、公平性の点であまり褒めることは避けるが、知人・友人に子供が産まれた時に私はプレゼントをしている。興味のある方は是非どうぞ。

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