リーダーはある特定の分野の「専門家」「知識人」である必要はない。ただし、このことはリーダーが世界に関して、人間に関して、あるいは自国の歴史、自国の文化、自国のアイデンティティに関して、無頓着であってもよいということではない。愚直に実行せよ! 人と組織を動かすリーダー論 (PHPビジネス新書)
- 作者: 中谷巌
- 出版社/メーカー: PHP研究所
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少なくとも、グローバルな舞台で仕事をしているリーダーにとっては、自分の国のことがよくわかり、かつ、先方の国の文化や歴史がよくわかっているということは必須であろう。・・・<中略>一般に、歴史や文明に関して無関心であることほどリスクの大きいことはないのに、日本人は驚くほどこのことに無頓着であったのではないか。
他国の事情はあまり知らないということに加えて、おそらくより大きな問題は、自国のことをしっかりと勉強していないということだ。自分たちのよって立つ文明的基盤について何の関心もなく、根無し草のように外国で商売していても相手からは決して尊敬されないし、むしろ警戒されるのがオチである。
『愚直に実行せよ!』 〜第3章 「説明能力」と「大局観」 P.98〜
というような文章を読むと耳が痛い。私は正直「教養」を問われると甚だ自信がない。海外の人間ともビジネスをする人間の素養として、日本の文化や伝統について基本的な理解と知識を持ち、それを簡単に自分の言葉で説明できるようになるべきという論には強く同意できるが、勉強不足がたたり自分ができるかと言われると心もとない。
同僚のアメリカ人と昼飯を食べている時に、日本文化について結構小難しいことを聞かれ、答えに窮することもよくあるし、日本に出張で来た外人を寿司屋に連れて行ったりした時には、「日本人はすしをいつくらいから食べ始めているのか?」とか、「シャリは普通のご飯とは何が違い、それにはどういう目的があるのか」とか、小ネタをはさむと、間延びせず、会食も盛り上がるが、勉強が足りておらず今ひとつネタにバリエーションがない。
そんな悩みを抱える私だが、4ヶ月ほど前に、それを解決するのにぴったりの"トラッド ジャパン"というNHKの教育テレビの番組を発見した。毎回、一つの日本に関する一つのテーマを選び、そのテーマについての短い英語の解説文と、日本の文化を紹介する上で重宝する英語の言い回しと単語を紹介するという優れた番組。テキストとあわせてCDも販売されているため、音読の教材としても最高に役に立つ。
最近、英語の勉強も若干マンネリ化し、停滞していたところに、非常に良い教材にめぐり合うことができ大変満足。NHKの番組を定期的に録画するというマメなことができなないため、テキストとCDを全て購入しているが、日本文化についての勉強もできて一石二鳥。
「西陣織と友禅は何が異なるのか」とか、「弁当とLunch Boxは何が異なるのか」とか、「より使いやすいフォークやナイフでなく箸を日本人が使い続けるのは何故か」とか、海外の人と日本の文化について話す小ネタが詰まっており、勉強にもなるし、改めて自分で考えてみる良い機会にもなる。海外の方と食事などをしながら話すことが多い人には是非お勧め。
NHK テレビ Trad Japan ( トラッドジャパン ) 2009年 09月号 [雑誌]
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