Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

測定できないものは管理できない

「測定できないものは管理できない("You can't manage what you can't measure.")」というドラッガーの有名な言葉があるが、それは経営管理の世界に限ったことではなく、我われの個々の時間管理の世界においてもあてはまること。


無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法

無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法

年収十倍アップシリーズで有名な勝間さんは『無理なく続けられる年収10倍アップの時間投資法』の中で、自分の時間を「消費の時間(緊急かつ重要)」、「浪費の時間(緊急だが重要でない)」、「投資の時間(緊急でないが重要)」、「空費の時間(緊急でも重要でもない)」の4つに分解し、浪費と空費の時間を投資の時間に振り向ける仕組みを構築することの重要性を説いている。「測定できないものは管理できない」の原則に従い、とりあえず私も測定することから始めてみた。


勝間さんの著書の中では、予定をまずは作成し、実績と対比するという予実管理がすすめられている。が、きちんとした測定結果が得られれば、管理に向けてのアクションプランは自ずと出てくるという想定の元、とりあえず現状分析のために1ヶ月間、実績を詳細にトラックすることにしてみた。


無理なく続けられる年収10倍アップ手帳2008

無理なく続けられる年収10倍アップ手帳2008

まぁ、術中にはまっている感もあるが、アマゾンで早速『年収10倍手帳』を購入。アフィリエイトの写真と異なり、本物はシックな通常の手帳なので、持ち歩くに特に不便しないのでご心配なく。下記のルールの元、自分が何に何時間使ったのかをがしがし手帳に書き込んでいく。

  • 記入は30分単位(細かすぎると記入が大変で、記入そのものをしなくなってしまう)
  • 早起きして出社前に1時間程自己投資しようとしているので、毎日の起床時間を記載
  • 健康のために駅まで歩いたり、腹筋をしたりしているので、その実績も手帳に記載
  • 投資とも空費ともとれるようなもの(仕事関係の飲み会など)は、ざっくり30分単位で分割
  • 毎週日曜日に1週間の実績を集計し、今後の改善ポイントを検討

尚、具体的には下記のような感じ。


私は行動分析魔なので、記録そのものは意外に苦もなくできる。ノートパソコンを常に持ち歩いているので、パソコンでの管理も考えたが、やってみた実感としては、これは手帳でないとできない。実際に手帳に書き込んでいる時間は電車の待ち時間などが多いし、パソコンを開ける状況を作り、パソコンを開き、さらにファイルまで開く、というのは30分単位の行動実績把握のためにかなり長い道のりであることがよくわかった
で、1ヶ月の実績は下記のような感じ。

消費の時間 投資の時間 浪費の時間 空費の時間
3月24日週    50%   40%   7%   3%
3月31日週    47%   42%   5%   6%
4月7日週    37%   40%   16%   7%
4月14日週    35%   41%   13%   11%

投資の時間がかなり多く、空費と浪費の時間は我ながらなかなか絞れていると思う。上記のような結果になった要因は主に下記の点にあると思う。

  • iPODで英語を勉強したり、本を読んだりし、隙間時間を自己投資に向けることが習慣付いているため
  • 英語を使う仕事環境に意識的に身をおき、仕事時間を英語勉強時間にできる環境を整えているため
  • 平日は仕事が忙しいが、土日は子供と過ごす時間をなるべく多くとるようにしているため(勝間式では子供との時間は投資の時間に算入できる)
  • 仕事中に意味はないけど参加を余儀なくされる無駄な会議が殆どないため
  • くだらない番組が多いので、朝のニュースを除くとテレビは殆ど見ないため

一方で、実際に現状把握をしてみると下記のような新発見、再認識があった。

  • 空費の時間は平日の飲み会の回数に大きく左右される
  • 軽い飲み会ならよいが、2次会まで行くと空費の時間がぐっと増える
  • 出張などの移動時間が多い時に、浪費を投資に変えるための工夫と計画が非常に重要
  • 通勤時間などの隙間時間は、仕事のことに頭がいくことが多く、意外と投資ができていない
  • 浪費・空費の時間を極限まで増やそうとするとかえって集中力が保てない
  • 仕事が混んでくると疲れから早起きができなくなりがちなため、仕事量のコントロールも必要


実績を把握できると問題点や改善に向けてのアクションプランが当初想定通りざくざくとでてくる。多少手間がかかったとしても現状をきちんと分析することの重要性を再認識することになった。「測定できないものは管理できない("You can't manage what you can't measure.")」。やはりドラッガーは偉大だ。

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