ktdiskのブログ

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サラリーマン化/大企業病をやっつけられるか

ユニクロが今けっこう面白い。「成長しなければ死んだも同然」、「即断即決、失敗と判断したら素早く撤退」など、教科書や雑誌などで再三言われているが、「言うのとやるのとでは・・・」という感じに一般的にはあまりできないことを、エネルギッシュに推進する、そんな柳井さんの姿は、はたから見ていて爽快感がある(不快感がある方もいようが・・・)。
でも、今後見ていく上でもっと面白そうなのは、企業規模が大きくなることで必然的に発生する「サラリーマン化/大企業病」へどのように取り組むのか、そしてそれらを今後やっつけることができるのか、できないのかという点だ。

柳井は「普通の日本の大会社」と同じ意思決定のメカニズムが働き始めたことにも危機感を覚えた。現場で決めれば済む事柄まで、報告・承認を求める。責任があいまいになるという意味で組織にはびこる無責任体制と根っこは同じだ。
取締役の大苫直樹は、その苛立ちに気づいていた。柳井への報告でこんなやり取りがあった。
大苫 百貨店に出店したいが、売り上げは確保できても収益性が落ちる可能性がある。
柳井 収益性が落ちたら意味ないでしょう。
大苫 でしたら、商品を替える必要があります。
柳井 替えたらいいでしょう。それができないんだったら、会社にいても仕方ないでしょう

『2005.9.26 日経ビジネス ユニクロ作り直し』

上記は記事を読みながら、笑っちゃ悪いが笑ってしまった。上記のやり取りは要は「利益をあげるという責任から私を開放してくれれば、売上目標の達成は責任が持てます」、「私ではない誰かが利益率が高く、消費者にとっても魅力的な商品を作ってくれれば、売上と収益について責任を持てます」と大苫さんが主張して、それがはねつけられたというように見えてしまう。
「じゃぁ、誰が利益や魅力的な商品開発に責任を持つんだ、それができないどころか、責任を持つつもりもないようなら、会社にいても仕方ないでしょう」、という怒りの声が聞こえてきそうだ。取締役を含めた社員皆が、「私の責任範囲はこっからここまで」と区切り初めてしまい、会社全体を俯瞰してみると全社員でちっとも必要な範囲がカバーされていない、それを無責任体制と言っているのだろう。常に全体を俯瞰してみる立場としては、そのいらつきはいかばかりか・・・。

それでも会社の規模が大きくなるとともに、安定を求める勢力が出てくる。新しい提案に反対が多い、議論ばかりする、報告・承認待ちが多い・・・。・・・<中略>危機感を募らせる柳井は今年、外部の血を入れて、再び戦闘集団に会社を変えようとしている。
『2005.9.26 日経ビジネス ユニクロ作り直し』

「新しい提案に反対が多い」、「報告・承認待ちが多い」はさておき、「議論ばかりする」というのは少々耳が痛い・・・。「あるところまで深まったら、議論なんかしていても何も生まれない。有能な奴がうまくやりぬくように死に物狂いで頑張るというステージにとっとと移れ!」そんな感じだろうか・・・。
「サラリーマン化/大企業病」を吹き飛ばし「戦闘集団」への転身がはかれるのか、仮にやるとしたらどんな風にやって、どんなところが問題になるのか、普遍的なテーマだと思うので今後注視して見ていきたい。

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