- 作者: 村上憲郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/01
- メディア: 単行本
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英語の勉強に関連する本は書店に溢れかえっているが、その中身は(1)きちんと確立された英語勉強の方法論、(2)英語の学習教材、(3)英語勉強のコツ、の3つに分類されると私は考える。本書は、位置づけとしては、書籍のタイトルとしては(1)のような香りが漂い、18万部売れているというので、そういう読み方をされている方もいるかもしれないが、本書はレベルとしては(3)くらいであり、これを元に自分の勉強方法の骨格を構築することは私はあまりオススメしない。
常に仕事で英語を使うことが余儀なくされる人が、少ない仕事外の時間で如何に英語の勉強をするかを考えるためのアイデアを得たくて、参考資料として読む分には悪くないが、「英語環境」にあまりされされていない人が本書の内容を鵜呑みにして、自身の勉強プランを確立するのは危険だ。
名詞の説明をする形容詞には、「いい」が「悪い」しかないと割り切ってしまいましょう。分からない形容詞は、いい形容詞か悪い形容詞―ホメてるか、けなしてるかのどちらかだと。実際、ほとんどの形容詞は、そのどちらかに分けられるんです。
『村上式シンプル英語勉強法』 〜Chapter1 英語を読む P.42〜
「ビジネス英語」にフォーカスし、既にある程度仕事で英語を使っている人にはこれはかなり大事だと思うし、私も非常に参考になった。相手の言っていることの趣旨を理解することがまず第一なので、あんまり形容詞や副詞の微妙な表現を気にしすぎて、辞書をいちいちひいていては仕事が滞ってしまう。ただ、これは英語を耳で聞いたり、目で見た際に、ほとんど無意識に形容詞、副詞を判別する人には参考になるが、初学者にはあまりあてはまらないだろう。
外国人と酒を飲むような場面においては、もう少し応用が必要になってきます。最初のうちは、外国人相手に何を話していいのか、話のきっかけがつかめないなど、いろいろと困ることもあるでしょう。
そこでオススメしたいのは、自分自身に関する100の文章を、もちろん英語で、前もって作って丸暗記しておくということ。仕事、家族、友人、趣味、スポーツ、出身地、好きな食べ物・・・。まず自分についての100パターンの英文を作っておくのです。・・・<中略>
とにかく、強引に自分の用意した100の話題に持っていく。これで外国人との夜のつき合い、パーティーやレセプションなどのつき合いでも、2時間くらいはなんとかなるもの。会話をしながら間を持たせることが出切るんです。
『村上式シンプル英語勉強法』 〜Chapter5 英語を話す P.120、122〜
これもパーティーやレセプションで外国人と頻繁に話すレベルの人には大変参考になる話だが、そこまで到達することが当面の目標の方には参考にならないし、揚げ足をとるようで恐縮ではあるが、これは「勉強法」とは言いがたい。
英語を勉強を進めていく上で非常に重要なのは、効果が高くかつ自分にあった勉強法を確立することと必ずくる倦怠期をのりこえるための工夫をすることだと思う。本書はかなり読みやすく、学校の先生にはだせないビジネスの世界の生々しさがあるため、気分転換に読むには非常によい、即ち後者のためには役に立つと思うが、前者の部分に活用することは繰り返しになるがあまりすすめられない。
"30歳からのビジネス英語 英会話学校に通うなんてやめなさい"というエントリーで紹介したが、これから英語を勉強しようと思っている方が、自分の英語勉強法の骨格をつくるのであれば、『英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法』を強くすすめたい。
英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法
- 作者: 森沢洋介
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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