web2.0企業に見るビジネスモデルとワークスタイルというエントリーで、O'ReillyがWEB2.0の代表としてあげている企業の利用料、及び広告収入の有無が整理されている。
Web2.0系のサービスは必ずしも広告収入に依存しているサービスばかりではないようです。というより、広告を収入にしているのは少数派ですね。
との記載があるが、より厳密に言えば、「というより、収入があるのは少数派ですね」ということになると思う。
また
ベンチャー企業が利益を上げる前に、大企業が買収をすることはよくある。
そんな場合は、明らかに利益が目当てじゃない。
開発チームと、それまでに作ったソフトウェアが欲しいだけだ。
というらいおんの隠れ家 - ポール・グレアム「就職なんてもう古い」の記載が引用されており、ベンチャー企業の価値は、あげている利益はさておき、提供サービスの品質や開発者のスキルによって測定可能という考え方も紹介されており、納得もいく。
上記をふまえ、提供サービスの品質や開発者のスキルをどのようにはかるかという点に少し考えを進めてみると、その企業の提供サービスのユーザ数、アクセス数、蓄積されたデータ数あたりを測定の指標として利用することが多いのではないかと想像される。
もちろんあまりアクセスを集めていないサービスでも、鋭い眼力できらりと光るサービスや人を見極め先行投資をするということももちろんあろうが、それにしても優れたサービスには結果として自然とアクセス数はそれなりのついてくるものであろう。また上記の数字があがることにより、多くのユーザからのフィードバックによる機能向上、及びデータベースの価値の充実などの結果がついてくるというのが最近の流れでもあるので、固定客/固定アクセスの数は企業価値の代替指標の1つにはなりうる。
そんな折に下記のようなサービスを提供する会社が現われたのは象徴的な出来事と言える。
shelldoは単一の機能ごとに分かれているツールで構成される、いわゆるウィジェット型のデスクトップツール。ユーザーがサービスの利用に応じて「シェル」と呼ばれるポイントを貯められるのが特徴的だ。・・・<中略>。
selldoの本格的リリース時には、ユーザーが貯めたシェルポイントをキャッシュバックできる機能を提供していく構えだ。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094434,00.htm
要は充実した機能ということ以外に、使えば使うほどキャッシュバックされる可能性のあるポイントを付与するというインセンティヴをユーザに与え、利用者/アクセス数を増やす企業がでてきたということである。まぁ、テレビの世界では、番組の面白さだけでなく、豪華な視聴者プレゼントで視聴率を稼ぐなんてことはよくある話だし、真っ向から否定するものではないが、アクセス数を集めることそのものが目的化しすぎることについては注意が必要だと考える。それはあくまで手段であり、結果としてサービス・機能の向上やデータベースの充実が伴わなければ実態の伴ったアクセス数とはいえまい。