RTCカンファレンスに参加をしてきた。今回のお題は 『新興市場の功罪』。経済産業省の経済産業政策局の方も私人として参加されており、色々勉強になることが多かった。勉強になったポイントを以下記載し、いくつかコメントをつけたい。
新興市場での昨今の不祥事の背景
少し拡大解釈しているところもあるが私なりにまとめると下記の通り。
起業家、投資家、資金調達の場を提供する市場、資金調達を支援する証券会社、それぞれが金融リテラシーが不十分、未成熟であることに起因。
各ステークホルダーが未成熟であることは納得。尚、近視眼的で、目が$マークにすぐ変わるという点については、アメリカ人の方がよりあてはまるので、3点目を除いては日本に固有の問題ではないように思う。特に、ライブドア事件にフォーカスをあてるのであれば、「東京地検が功を急いだ」ということと「もっと未成熟なマスコミが過剰にあおった*1」という2つの要素のほうが原因としては大きいだろう。
より整備をすすめるべき起業インフラ
特にアメリカと比較すると、日本の起業インフラは下記のような問題がある
公的調達というのは、初めて聞いた言葉だったが、要するに官公庁が民間企業に仕事を発注すること*2を公的調達と言うらしい。2、3点目は政策として国が推進するには限界があるような領域にみえるので、1点目が経済産業省が旗を振ってすべきことという印象を受けた。利権が色々と絡みそうな分野だけに、一筋縄ではいかないように思うが、こういう案件をスピーディーかつ、大胆に実行に移すことこそ官僚に求められることのように思う。
新規産業を振興するための経済産業省の取組み
新興企業を支援するために下記のような取組みが現在なされている、もしくは計画されている
個別の施策について細かくはまだ勉強しきれていないが、色々支援をしている各種プログラムは充実してきているというような印象は受けた。大分古い話になるが、1998年頃にネットベンチャー企業を立ち上げようとして、色々なつてをたより当時の通産省に資金援助をお願いにいったことがあるが、その時は「前例がないので」という理由で無下に断られたことがある。それと比べると正に隔世の感であり、この10年あまりで時間はかかったものの大分仕組みも整備されたとの印象を受ける。
多種多様な支援制度をどのように認知・普及させるかについて少し悩まれているようであったが、担当者がブログを作って起業家との開かれた対話の場を作る、とか各種制度の更新をRSSで配信するなどのベタな方法はある。
ただ、起業を志す人全てに認知させるのは果てしなく長い道のりなので、エンジェル、ベンチャーキャピタルのような起業の過程で必ず起業家が接触する支援者層にフォーカスして、お国の制度も有効活動するよう宣伝をしたほうが効果的なように思う。情報の伝え方ももちろん重要であるが、制度の受益者がプロアクティヴに情報を集めることが最も重要であることは忘れてはならない。