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ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

ヤクルトレディにみるダークマター風味

id:essaさんのメタファーは相変わらずうまく、面白い。

銀河系というものは、見える物質だけでは説明できない動きをしている。宇宙は、見えない物質、「ダークマター*1」で満たされていることが、だんだんわかってきた。
このダークマターというものに、「エンパワーされた個人」を重ねあわせると、ネットによる経済の構造変化のイメージがつかみやすいと思う。
・・・<中略>
これから、グーグルを中心とするネット列強は、本格的にダークマターの獲得競争に入るのだと思う。
そしてその競争は、銀河のコアの反対側、周縁の方に向かう。
銀河と銀河の間には広大なスペースがあって、そこにはまだ獲得されてない大量のダークマターがある。

GoogleAmazoneBayなどのネット列強が実施している「個のエンパワーメント」*2を、光学的に観測できない「ダークマター」を素粒子論や天体物理学の視点から解明しようとしている試みになぞらえている。語呂も良いし、新しい技術で現在存在を認識できていないものの存在価値を認識しようという点がぴったりで、ダークマター主導経済とはよく言ったものだと思う。
このダークマター主導経済の発展は、ネット列強の覇権争いを分析する視点としてきわめて重要であるとともに、経済全体のパイを拡大する力が非常に強いという点で少子高齢化時代の現在見えている唯一の前向きな解決策であり、ものすごく重要だと思う。



ただid:essaさんのエントリーの中で唯一鼻についたのが下記のくだり。

そういうダークマターの存在を徹底的に無視しているのが日本経済であり、その象徴が、見える組織のヒエラルキーのトップである経団連だ。

「徹底的に」この手の流れを無視しているのが経団連と、経団連が槍玉にあげられているが、「徹底的に」と強調するほどのことなのか疑問を感じる。典型的な日本企業は終身雇用を雇用政策の中心にすえる半面、季節工・パートタイマーなどの流動的な人材を積極的に活用してきたのも事実であり、その過程で終身雇用という枠から外れる労働者をエンパワーしてきたわけである。ヤクルトレディなどはその顕著な例であり、保育所を完備などの施策を通じて日本のおかあさんをエンパワーし、社会進出を助けてきたわけである。程度の差こそあれ、これは明確に「個のエンパワーメント」であり、40年前に発見されたダークマターに他ならない。


確かに、ネット列強のようなアプローチで未だ発見されていないダークマターの発見に経団連に所属しているような企業が注力することは考えずらいし、ヤクルトレディちっくな彼らのエンパワーメントにはあまり期待できないという点は理解できる。ただ、活用が可能になったダークマターの受け皿としては、その価値がクリアである以上、非常に大きな役割を期待してよいのではないだろうか。彼らとて団塊の世代が大量にさっていくなかで、不足しているマンパワー、不足しているスキルをよりオンデマンドに調達したいにきまっている。


今年はまだ日本ではちらほらという感じだが、来年は日本大企業によるダークマター活用が一段と進み、活用の方向にむかった企業が年末あたりに日経ビジネスあたりでとりあげられるようになるんじゃないだろうか。

*1:宇宙にある星間物質のうち自力で光っていないか光を反射しないために光学的には観測できない物質のことである。「ダークマター」とも呼ばれる。

*2:この「個のエンパワーメント」についてについての私の考えは、"eBayの本当の功績"というエントリーで思いっきり書いたのでそのPhraseに興味のある方は是非ご一読頂きたい。

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