マイクロフォーマットを使用すれば、自分のサイトやブログに情報をはっておくだけでコンテンツ・アグリゲータ*1がそれをかき集め、パブリックに対して情報を公開してくれる。
例えば、hParttimeというバイト募集情報についてのマイクロフォーマットがあったとすると、自分の店のサイトに募集情報をはっておけば、コンテンツ・アグリゲータがそれを収集・整理し、バイトを探している人にその情報を提供してくれる。街のラーメン屋が店の前に「アルバイトの募集」なんて張り紙をしておくのと比較にならないほど多くの目の人に触れる。
マイクロフォーマットが普及すれば、上記のようなことが実現され、フロム・エーのようなバイト募集者から掲載料をとり既存のバイト情報をアグリゲートしているメディアに少なからず影響を与えるだろう。
下記が単純化したフロム・エーのビジネスモデル。
②の部分で中抜きによるコスト削減が実現されるというのは、マイクロフォーマットに関係なくインターネットの世界では一般的な話し。
本当に重要なのは、①の部分に対する変化。
募集者から発信される情報が爆発的に増えることとマイクロフォーマットを使用してバイト募集情報を発信するコストがゼロになるということがポイント。
コンテンツアグリゲータが膨大なバイト募集情報を片っ端から集めて、Google Newsのように自動的にバイト募集紙面を作成し、検索しやすい形で情報をアルバイターに提供するなんてことが実現できれば、バイトの募集をしている人とバイトを探している人の距離は一気に縮まる。
ただ、良質の情報だけが発信され、タイムリーにその情報がアップデートがなされるわけではおそらくない。数万円の掲載料を払っている従来のモデルであれば、課金するという行為がフィルタリングの役割を果たすため、フロム・エーに掲載されているバイト情報は実在する信頼に足る会社による募集であることも担保されるし、その情報の鮮度もある程度は確保される。
一方でインターネット上に散らばるバイト募集情報なんて、電柱や電話ボックス(最近みないが)に張り紙がしてあるバイト募集情報ほども信頼がおけない。石ころだらけの情報からどうやって本当に募集をしているという玉の情報を選別するかが解決すべき大きな問題になる。
既存のバイト情報誌が、小額の掲載料を支払ったサイトの情報のみ収集するという、従来と同様に課金というフィルタリング機能を残しながら、インターネット技術を活かして余計なコストを削減するというモデルをいち早く築き、情報を囲い込むものが先行者利益をえて、台頭するのではないかと個人的には予測するが、実際はどうなるのかみていきたい。
*1:インターネット上の情報を収集、整理し、エンドユーザへと配信する業者や個人。