Nicholas Carrの"Google preparing to police web"というエントリーを呼んだ。ポイントは下記のとおり。
- 最近、サイトにアクセスをしたり、リンクをクリックすることで感染する種類のウィルスが増加している
- これはウィルスの伝染ルートが、メールソフト/メールからブラウザ/ウェブサイトにシフトすることを意味する
- CGMの普及に伴い、サイトオーナーが悪意がなくとも、ウィルス感染を引き起こすコンテンツを自身のサイトにあげてしまう危険性がたかまっている
- Googleはこのトレンドに対応し、すべてのウェブサイトについてウイルス感染の危険性の有無をチェックし、検索結果にそれを反映させることを計画している
「Googleがウェブを監視し、取り締まる準備を着々と進めている」というようないかにも議論を呼びそうなタイトルに反し、珍しくNicholas Carr自身は自分のポジションをだしていないのだが、コメント欄は賛否両論で大盛り上がりの様相を呈している。
主だった反論は下記の通りで、おおよそ予想の範囲内と言える。
- Googleは警官としてウェブを取り締まろうとしているが、誰が彼らが警官になることを認めたんだ
- 自分の身は自分で守るから、Googleがわざわざ情報をフィルタリングしてくれる必要はないよ
- フィルタリングが正しいかどうかに疑問がある、間違う可能性があるから情報をフィルターすべきでない
また、肯定的な見解は下記の通りで、これまたおおよそ想定の範囲内。
- 自発的にサイトをチェックし、その情報をユーザのフィードバックしてくれるなんて助かるじゃないか
- 別に感染の疑いのあるサイトを表示しないと言っているわけではないのだからよいのではないか
- Googleが嫌ならYahoo!を使えばいいじゃないか
「検索で表示されたサイトがウィルス感染を引き起こす可能性があるか否か」というのは、そのサイトの価値を判断するための一つの情報であり、Googleのページの重み付けのアルゴリズムにロジックが一つ加わったくらいに捉えるのが私の感覚では妥当。上述の肯定的な見解にもあるように、ウィルス感染する危険性を表示してくれるならそれはそれでありがたいことこの上ない。
それでも、ムキになって食って掛かる否定派がいるというのはGoogleによる情報統制に対し懸念を持っている人が多くいることを示唆する。Googleが何かをする度に過剰反応して怒る人がでてくるというのは大分お約束になってきた感があるが、Googleによる情報統制に対する抑止効果と捉えれば、そういう層がある程度いることそのものは悪いことではないが。