「2006年の予想・予測」についての「まとめサイト」的なものです。今のところ65個リンクが並んでいますが、これからさらに、追記・追記で増えていくと思います。
読んで共感した「2006年の予想・予測」があったら、トラックバックをどうぞ。
今年は、よりインタラクティブに「英語で読むITトレンド」を続けていければと思っています
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060102
梅田さんのブログでは今年は上記のような取組をされるらしい。インタラクティブさがあってのブログなので参加をしてみたい。
"By 2006 a single-answer technology other than Google will emerge as the favored answering service and will remain in power for at least two years"
2006年中にGoogle以外の単一回答技術が最も好まれる回答サービスとして登場し、少なくとも2年間は覇権を担う。
http://www.longbets.org/148
「Several Predictions for 2006」で紹介されているものをいくつか読んでみたが、一見するとべたなようで
- 検索技術の向上という、十分な革新の余地があり市場ニーヅの高い領域という手堅さ
- Googleが検索・回答サービスで後塵を拝すという大胆さ
という二面性があり、上記の予測が意外と面白い(この予想にAgreeしている人が5%と、結果がでているのもまた面白い)。
まず、検索技術向上という点について見ると、
There exists an enormous need to solve a question with a simple, complete, multi-tiered answer and not a list of results as provided by every search technology of today. And, because people don't think in search terms, the need for this technology to answer human-phrased, rather than boolean-phrased questions is apparent.
現在の検索技術が提供するような検索結果のリストではなく、簡潔で完璧で多層的な答えを提供することにより問題を解決して欲しいというニーズは非常に強い。人は検索ワードで物事を考えるわけではないので、ブール式の検索ワード*1ではなく、人間の言葉による質問に対し回答をして欲しいというニーズがあることは明らかである。
という指摘通りのニーズは確かに存在し、はてなの人力検索、教えて!Goo、Google Answersなどの人を介した検索サービスがそういったニーズをひろっているのも事実である。もちろん、これらのサービスはインターネット上にない情報をインターネット上に引き出すという機能も持っているため、検索技術がどんなに向上をしても完全な代替にはなりえない。が、仮にそうだとしても、問いかけに対する回答の質という面で両者のギャップは大きく、技術革新の余地は十分にある。
検索技術の向上の方向性については
- Web Pageのカテゴリーわけをより精緻にするという検索対象サイドでの革新
- 検索ロジックをよりPeronalizedするという検索主体サイドでの革新
という2つの面が考えうる。
前者について言えば、リンク解析によるWeb Pageの重み付けをさらに推し進め、
- 検索結果として表示された後クリックされたかどうかを判定し重み付けに反映
- 5W1Hの中のどのタイプの質問に最も対応するWeb Pageなのかカテゴリーわけ
など検索対象となる無数のWeb Pageに対し色付けをすることにより、検索結果の精度をあげることができると考えられる。人力ではとても無理なデータ処理を求められるが、検索性の向上のためのデータの整理の仕方としては最適という巧みなカテゴリーわけをうみだしたものが大きなアドバンテージをとるのだろう。
後者について言えば、同じ質問をしたとしても人によって求める答えは異なるという考え方から、メール/ブログ/ブラウザの履歴などのインターネット上の検索者のふるまいを解析し、それを検索結果に反映させるなんてことができれば、その質は飛躍的に向上すると考えられる。例えば、「蒸し鶏 レシピ」という検索をしたとしても、手軽にレンジで作りたいという人と蒸篭を使用しプロ顔負けのものを作りたいという人では、求める答えは異なり、検索者が、手をかけずなるべく美味しい料理を志向している人か、じっくり手間暇をかけた本格的な料理を志向している人かは、インターネット上でのふるまいを分析することにより可能になるように思われる。
上記の点からGoogleの切り拓いた新しい検索技術をさらにおしすすめるものがあらわれるかどうかを2006年は注目したい。
一方で、新しい検索技術を切り拓くのがGoogleでなく、何故他の会社であるのかという点については、残念ながらエントリーの中では一切触れられておらず、また正直なところ私の中でも、"other than Google"の理由は見当たらない。ただ、Googleの覇権を脅かすという視点で考えると方法は、
- Social Bookmarkや写真管理のような情報整理の周辺技術ではなく、検索という中核技術において革新をおこし、検索市場におけるポジションを確固たるものにする
- Googleの検索をはるかに上回るほどの"何かと皆がよくつかう無償WEBサービス"(MS Officeの無償WEBサービス化など)を提供する
のいずれかしか思い浮かばない。仮に周辺で技術革新を起こしても、集客力/開発力/資金力というGoogleのCompetencyをもってあっという間に追いつかれてしまうことが容易に想像される。なのでGoogleの覇権を脅かすのであれば、"検索"という中核の領域においてそのサービスを凌駕することが、勾配は非常に厳しいが山頂に辿り着くための数少ない道となると思われる。
ただ、Gmail、Blogger、Desktop、Google Ansewers、Google Newsなどのサービスのラインナップをみるにつけ、最も"次の革新"に近いのはやはりGoogleである気がし、上記の予測をタネにあれこれ考えた結果として、Googleの強さを再認識することになった・・・。