大分前だが、『ウェブ進化論』の出版記念イベントに参加した時に、梅田さんから下記のような発言があり、
Web2.0の会社がここから先どうなるのか?
Googleにはなれない。それはプラットフォームだから。その周りにいることになる。
パネラーだったR30さんも同様に「そうそう、Googleはプラットフォーム」という感じに大きく頷き、参加している他のブロガーの方達も同様に頷き、とりあえず私も頷いておいたのだが、実は恥かしながら「Googleはプラットフォーム」という言葉の意味がよくわかってなかった。
「えっ、未だにわかっていないの?」という方は読み飛ばして頂くとし(読んだ上で理解の足りない部分を補って頂くにこしたことはないが・・・)、内心腹の底からわかっているわけではなくてドキドキしてる方はご一読を。
<そもそも「プラットフォーム」ってどういう意味か?>
私の場合、そもそもプラットフォームという言葉が腹におちてないので、まず理解につまづく。
プラットフォーム(Platform)とは、コンピュータにおいて、主に、オペレーティングシステム(OS)やハードウェアといった基礎部分を指し、自動車などの機械設計においては構造などの基本部分(自動車では「車台」と呼ばれる)を指す。
Wikipediaには上記のような説明があったが、これではよくわからない。「GoogleはOSになった」とか「Googleは車台になった」ではますます意味不明だ。
"Web2.0とは、集合知を利用するために、Webをプラットフォーム化すること。"
というエントリーの下記の説明は私のような素人には強烈にわかりやすい。
Webをプラットフォームと捉えることは、単に技術的な云々ではなく、(データ処理アルゴリズムを要とする)プラットフォームに集まったユーザーが、その上で、様々な活動を展開していく…、そういうプラットフォームだと捉えた方が良さそうだ。
・・・<中略>「何か」を提供するのではなく、「何かするための何か(=プラットフォーム)」を提供する。
そうプラットフォームとは「何かをするための何か」なのである。インターネットを利用して様々な「何か」をする人たちに、それをするための「何か」を提供しているのがGoogleなのである。だから、「Googleはプラットフォーム」という言葉の意味は、Googleは「何」をするための、「何」を提供しているのかを考えればわかるはずだ。
インターネットの世界には、「情報を発信する人」と「情報を探し求める人」の2タイプの人しか存在しない。そう考えると、「発信する」、及び「探し求める」という行為をするための「何か」がプラットフォームだということができる。
そうすると
サービス名 | サービスを使って発信できるもの |
---|---|
Google Adsence | 自社・自社製品の広告 |
Google Local | 自分の持つ位置情報に紐付いた何らかの情報 |
Google Base | 自社で販売している製品情報・募集している人員情報など |
Google Print | 書籍の内容 |
Blogger | 自分が世に伝えたいメッセージ |
なるほど「発信する」ための「何か」は上記のように沢山提供しているし、
サービス名 | サービス使って探し求めることができるもの |
---|---|
Google Search | 自分が入力した言語に適したウェブ上の情報 |
Google Local | 自分の入力した位置情報に紐付いた何らかの情報 |
Google Print | 自分が入力した言語の記載されている書籍 |
Google Blog Search | 自分が入力した言語に適したブログエントリー |
「探し求める」ための何かも沢山提供しており、まごうことなくプラットフォームであることがわかる。
だが、上記のように整理していくと「他のプラットフォームを提供している企業との大きな差は何か?」、「他の企業がしばらく太刀打ちできないほどの覇権を確立してるなんて言えるのか」という疑問が浮かんでくる。Adsenceを提供している会社は沢山あるし、ブログを作成できるサイトも沢山あるし、検索機能を提供しているサイトも山ほどある。
プラットフォームとしてGoogleは他のウェブ・サービスと何故一線を画しているのか、次回のエントリーで下記の点について詳しく書いてみたい。
- 「世界中の情報を整理し尽くす」と掲げる構想が大きい点
- 「何かをするための何か」を作るための「何か」を提供している点
- 卓越した技術力を元に「あちら側」に新しい知を創出している点
- 1国の規模をはるかに超えるプレイヤーが参加する経済圏のルールを規定している点
(つづく)