Thoughts and Notes from CA

アメリカ在住、外資系企業歴30年の日本人会社員。 アメリカでの生活、海外での子育て、外資でのキャリア構築、そして現地に暮らして見えてきたアメリカ政治のリアルまで、日々の体験を通じて気づいたことをゆるく発信。 グローバルに挑戦する日本人が、少しでも勇気を持てるような発信を目指しています。

「今年も一時帰国か~」と感じる瞬間

家族の一時帰国とお父さんの一時帰国期間がずれるというのはよくある話。今年は久しぶりに5週間ほどアメリカで一人暮らしをし、今一時帰国に向けての空港で一杯飲んでいる。

 

私は2013年の11月にアメリカに移住した。コロナ禍で、一時帰国できない年が1年だけあったので、今回はちょうど10回目の一時帰国だ。歳時記に「一時帰国」を夏の季語として登録してもいいんじゃないか、というのは在米日本人の共通認識だと思う。それだけ、子どもの夏休みが長いアメリカにおいて、一時帰国というのは在米日本人の夏の風物詩なのだ。多分、共感できる人数はかなり少ないと思うが、私の「あぁ、今年も一時帰国なんだなぁ」と思う瞬間をいくつか共有したい。

 

思ったより志を達成できない

家族が先に一時帰国してしばらくの一人暮らし。これだけで、不思議と時間は無限にあるように感じられる。普段は家族との兼ね合いでできない、あれをやろう、これをやろうと、「自分は何でもできる!」と不思議と錯覚してしまう。

 

が、結婚する前に何でもできていたかというと、決してそんなことはない。同様に、読もうと思っていた本は読めず、行こうと思っていた所にも半分も行けず、前からやりたいと思っていたこんな趣味をかじってみようと思いつつ何も変わらず、気づいたら日常の些事に追われて帰国を迎える、というのはあるあるではないだろうか。

 

10年目ともなると、自分の限界も知っているのであまり多くは求めない。今年はガレージジム設立プロジェクトを遂行し、家に散らばっているトレーニンググッズをガレージに集め、新しい道具も勢いで購入し、ガレージの壁にペンキを塗ったりしてホームジムを作った。さすがに今年は5週間なので、満足いく成果をあげることができた。問題は家族にどう説明するかだが、それは後から考えよう。

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空港のバーでビールを飲む

アメリカはビールが旨い。日本の「生ビール」が好きで、こちらでもアサヒやキリンを飲む人もいるが、私は断然アメリカのビール派だ。マイクロブリューワリー王国のアメリカのビールが私の喉にはあう。しばらく、旨いクラフトビールが飲めないと思うと、これは最後に飲むしかない。

 

そして、不思議と空港で飲むビールは旨い。体感としてどんなに少なく見積もっても3割増しくらいで旨い。旅への高揚感、広い空間、多国籍に人々が行き交う活気、そういったものが作用しているのか、私はとにかく空港で飲むビールが不思議と大好きだ。なお、妻も「空港ビール」が好きで、アメリカ国内旅行に行くときは、必ずビールとナチョスを楽しむ。

 

そして、一時帰国前の空港のビールはまた格別だ。私は3週間ほど日本に帰るので、やはり帰国前に溜まりに溜まった仕事の整理と不在時の引き継ぎ処理などでかなり忙しい(アメリカ基準の忙しさだが)。仕事からの解放、一人暮らしを終えた自分への慰労、日本の家族に会える高揚、などに浸りながら「空港ビール」を飲むと、「あぁ、今年も一時帰国の季節になったか」と思うのだ。

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ペットボトルのお茶

そして、長いフライト、入国審査と税関検査を終えて、はれて日本に入国となる。でも成田空港って海外の方も多いし、雑然とした空港感が強いので、そこに降り立っただけでは、「あぁ、日本に今年も帰ってきたなぁ」とは、私は感じない。

 

税関検査を終え、リムジンバスのチケットを買い、家族にLINEをし、そしてコンビニでちょっとしたものを買い込む。買うものはもちろんその時々だが、私は必ずペットボトルの冷たいお茶を買う。そう、アメリカには、絶望的にない冷たいペットボトルの無糖のお茶だ。

 

スーツケースを脇におき、リムジンバスの到着を待つ。滑り込むようにバスが停まり、スーツケースは手際よく係員の方がバスに積み込んでくれ、バスに乗り込む。「清掃されたバス」って感じの匂いを吸いながら、なるべく空いてそうな席に腰をかける。緩やかに発進するバス。そして、おもむろにコンビニの袋からペットボトルのお茶を取り出し、流れていく空港の景色を見ながら、蓋をひねり、ペットボトルのお茶をグビリと飲み込む。「あぁ、今年も日本に帰ってきたんだなぁ」って思いがマックスになる瞬間だ。

 

国内のお茶メーカーはこんなシーンのCMを作って欲しい。在米日本人の心を鷲掴みにし、この市場は独占できるはずだ。マーケットが小さすぎて費用対効果はあがらないと思うが。

 

親に「おかえり」と言われる瞬間

親が健在の人は一時帰国中に親元に世話になることが多いだろう。わが家は、「私の両親の家」と「妻の両親の家」と「AirBnBとホテル」を同じ期間ずつ泊まり歩くのが恒例。

 

最寄りの駅に到着し、大量のスーツケースを抱えてバスかタクシーに乗り込み、親に「駅から今向かってます」とLINEをする。重い荷物をえっちらおっちらと抱え、ドアフォンを押し、よいしょっと家にはいる。

 

前入りしている妻と子供が「ひさりぶりー」と迎えてくれ、そして親が「おかえり」と行ってくれる。アメリカに住んでいる人の事情は様々だ。会社の辞令で短期で働いている人もいれば、グリーンカードや市民権を取得し、生活の拠点をアメリカに移している人もいる。それでも、「おかえり」と行ってくれる場所が、今住んでいる国以外にあるのは、ありがたいことであり、短い人生において一つの実りであると思う。

 

鰹(時々鱧)

「家族に会うのが一時帰国の一番の目的」。もちろん、みんなそう言うさ。そして、もちろんそれは決して間違ってはいない。でもみんな表立っては言わないが、「もう一つの一番」があるんだ。別にどっちが上とかはどうでも良い。でも、家族と会うのと同じくらい「日本の食事」を楽しみに一時帰国するんだ。

一時帰国をする前に、「日本に帰ったら絶対に食べるものリスト」を作らない人は、よっぽどのビギナーか、よっぽど食に頓着のない人だろう。一時帰国して、「日本の食事は健康的」という世界の定説にさからって太ってアメリカに戻るんだ。

 

日本に帰って必ず食べると心に決めているものは沢山ある。「あぁ、旨い!」と思うものは、もちろん沢山ある。だが、これを食べて「あぁ、日本に帰ってきたんだなぁ」と思うものは私は以外と少ない。タイトルからネタバレしているが「鰹」は、食べた瞬間に「あぁ、今年も日本に一時帰国したんだなぁ」って思う。不思議とアメリカには、マグロはあるが、鰹は非常にマイナーだ。冷凍のたたきなどは日本スーパーで売っているが、日本の「夏の鰹」は日本でしか味わえない。おろした生姜とにんにくをのせ、脂ののった鰹を口の中に放り込む、日本の夏と日本そのものを感じる瞬間だ。

 

それと、夏が旬の魚と言えば鱧だ。骨切りした鱧に梅肉をつけて食べる、「これはアメリカには絶対にないやつだ」という気になる。鱧は残念ながら、私の一時帰国先である東京では、良いものがあったり、なかったりなので、食べる年と全く食べない年があるが、鰹と同様に「日本に帰ってきた~」という味だ。

 

以上、私の「今年も一時帰国したなぁ」案件を共有させてもらった。自分はこんなのがあるという方、是非共有ください。

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