『図で考えるとすべてまとまる』を読んだ。
- 作者: 村井瑞枝
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2009/09/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最近は、この手の本が増えてきたので、発散と集約を繰り返すブレーンストーミングをとりいれたり、フィッシュボーンチャートを活用するなどのシーンを多く見るようになってきた。ただ、知っていることと実際にできることの間には、結構大きな隔たりがあるのも事実で、フレームワークを活用しようとして結局まとまりきらずにしりつぼみになるというシーンをよく見るし、私自身も頓挫することがままある。本書で紹介される、「因数分解」、「マトリックス」、「表」、「比較」、「線表」、「コンセプト」、「プロセス」という7つの必勝パターンも、型としておさえるべき基本パターンとして大変参考になるが、引き出しから出した後にうまく活用するにはかなりの経験が求められる。本エントリーでは、フレームワークにはめようとして先に進まない時の典型的なパターンを整理し、活用に向けてのアイデアを提示してみたい。
軸や視点の引き出しが少ないため、整理しきれない
売上が上がらない原因を、客単価が低い、客数が少ない、という2つに分解し、さらに客数が少ない原因を新規顧客が少ない、既存顧客のリピートが低い、という風に「因数分解」していくというのはよくあるパターンだが、こういうことができるのは、「因数分解」という思考法を知っているというよりむしろ、「売上があがらない理由の因数分解の定石」を知っているからと言ったほうが正しい。
沢山あげられたアイデアをフレームワークに落とし込む時に、整理するための軸や視点の引き出しが多ければ多いほど、考えるスピードが速くなるし、応用もきく。逆に、「マトリックス」、「プロセス」などを知っていても、より具体的な活用方法に多く触れなければ、実際に利用するのは難しい。3C、5 Forces、4P、SWATなどのおなじみのフレームワークをおさえることはもちろんのこと、プロの作った図に多く触れ、軸や視点の引き出しを多く持つことは非常に重要と思う。
細部にとらわれすぎ、取捨選択ができず、まとまりきらない
顧客を新規と既存にわけたとしても、既存顧客の中でまったく今までコンタクトのなかった他部署を新規とみなすか、既存とみなすか、はたまた既存顧客のグループ企業をどちらとみなすか、など間におちて、きれいにわかれないケースがよくある。きれいにまとめようとしすぎるあまり、思考を整理して考えを深めるという本来の目的からはずれ、きれいに枠に落とし込むことそのものが目的になると、大抵うまくいかない。
初めて見た人にとって直感的にわかりやすいかどうか、という視点で、細部にこだわりすぎず一度整理し、もれたり、微妙な位置づけになったものが、全体に影響を及ぼすほど重要かどうかを判断するというアプローチが重要。