読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

Google経済圏における士農工商

Internet Trend

Nicholas Carrの"MySpace peddles its eyeballs"というエントリーでは、

  • MySpaceは、現在バナー広告に収益を依存しており、膨大なページビューを効果的に現金化できていない
  • よって、検索エンジンと提携し、クリック連動型の広告を導入し、効率を高めようとしている
  • その膨大のページビューを獲得するために、MySpaceとの提携の権利を巡ってGoogleMicrosoftが激しいつばぜり合いをくりひろげている
  • MySpaceアドセンスの支払い最低補償や現金前払なんて権利をかちとることもできるかもしれない

なんてことが書かれている。


確かに、Googleの開示資料をみてみると

In connection with our AdSense revenue share agreements, we are periodically required to make non-cancelable guaranteed minimum revenue share payments to a small number of our Google Network members over the term of the respective contracts.

というように、Googleはごくごく一部のパートナーとは(おそらくAOLなどは入っていると想像される)、支払いの最低保障契約などを取り交わしているということが記載されている。
Googleという経済圏で経済活動をすることのリスクなどは色々語られているが、こんな大層な身分の方がいるとはうらやましい限りだ。これをとっかかりにGoogle経済圏における階級を士農工商という4パターンに分類して、軽いタッチで分析してみたい。

  • "士" Picasaのように買収されGoogleの中にとりこまれた企業

優れた技術、魅力的なサービス・データベースを持つ会社はGoogleに買収という形でとりこまれる。多くの起業家が目指すインターネット企業の成功モデル。
この階級に属するものは、その技術力を最大限に活かす環境が提供されるし、買収されることによってえた資金で隠居することも可能。武芸に優れたものが殿様に召しかかえられるといった感じか。
多くの人の羨望の的である反面、一国一城の主でありたい起業家は本当にここをゴールにしてよいかどうか疑問視する向きもある。

  • "商" AOLのように売上の最低保障が認められたパートナー企業

圧倒的なページビューをかき集めることのできる企業は、Google経済圏の中で活動するものの、ある種対等なパートナーとしての関係を構築できる。
高いページビューという上納金を献上し続ける限り、他の経済圏に移ることなどをちらつかせながら、かなりの高待遇をうけることのできる階級。
殿様による統治への脅威になるほどの力も持ちえるが、それが故に上場企業はGoogleの豊富な資金力で召しかかえられてしまうなんてこともありうる。

技術力や独自性などを駆使して、注目を集めるサービスを開発した企業は、課金・独自の広告収益がなくとも、アドセンス収入のみで会社を維持することはできる。
武士のように召しかかえられ自由が利かなくなったり、「商人」のように高いページビューという上納金を納め続けるというプレッシャーがないある意味気楽な階級。
ただし、万一アドセンス狩りなどにあってしまった日には吹き飛んでしまうというとんでもないリスクを抱えているため、Google経済圏に依存しない収益の柱を築くか、「武士」、「商人」などの階級に昇格することがやっぱり必要。

  • "農" アドセンスで小遣い稼ぎをしている個人ブロガー

「商人」とともにGoogleの売上の半分を稼ぎ出す。気軽な日曜農業感覚でやる人から、それで生計をたてるというまで気合をいれてやる人まで規模感は様々だが、「アドセンス狩り」という「打ち首」にあうと、経済圏から追い出されてしまう。全体に対する貢献度が高い割りには、高い年貢を強いられ、「打ち首」におびえなければならない。


こうやって並べてみると、言わずもがなだが、アドセンスで小遣い稼ぎをしているブロガーも、Googleにとっては、階級こそ違えど、AOLなどと同様の取引先であることがよくわかる(たまに自分がGoogleの顧客と勘違いしている人がいるが・・・)。しかも、「疑わしきは罰する」というルールに抗うことのできない中小零細の取引先である。
「まぁ狩られたら、それはそれでいいや」というカジュアルな感じの人は良いが、アドセンスで生計を立てようとチャレンジする人は、自分のいる階級のリスクの大きさを十分に認識したほうがいいだろう。

Creative Commons License
本ブログの本文は、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 非営利 - 継承)の下でライセンスされています。
ブログ本文以外に含まれる著作物(引用部、画像、動画、コメントなど)は、それらの著作権保持者に帰属します。