Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

"想定の範囲内の収穫" < "想定の範囲外の収穫"

前回の"転職先を評価する尺度と優先順位 - Casual Thoughts"というまとまりのないエントリーに対し、はてブのコメントを通していくつかの示唆に富むアドバイスを頂いた。アドバイスを頂いた方参考になりました。どうもありがとうございます。本件は、私が今一番頭を使っているトピックなので、前回に引き続き転職ネタを。


過去のキャリアの転換をはかる大きな決定を思い返して見るとあることに気付く。それは、
   "想定の範囲内の収穫" < "想定の範囲外の収穫"
という不等式がいつも成り立つということ。
即ち、部署や会社を変わるという意思決定をする際には、必ず「新しい職場にはこういう魅力的な人がいる」とか、「新しい職場ではこういうスキルを身につけることができる」というようなあらかじめ想定・期待していることが必ずある。ただ、実際に新しい職場に飛び込んでみれば「全く当初想定していなかった素晴らしい人との出会い」や「当初想像もしていなかった仕事からえた経験やスキル」というものも必ずあり、そういった"想定の範囲外"の経験はいつでも"想定の範囲"を上回るものだった

「仮にどんな仕事にアサインされても、自分のだせる最高のパフォーマンスでその仕事をこなし、相手の満足、望むらくは感動を引き出すことに腐心する」というのが今となっては30代になってしまった私の20代の際の仕事に対するポリシーだった。

なんてことを以前書いたが、自分の選んだ仕事から"想定の範囲外"の収穫をどれだけ多くえるかも、自分のパフォーマンス次第、なんてことを今になってみて思う。そうやって考えると、手持ちの少ない情報で悶々と悩むより、えいやぁで自分で選んだ職場に飛び込んで、「自分のだせる最高のパフォーマンスでその仕事をこなし、相手の満足、望むらくは感動を引き出すことに腐心する」方が大事なのではないかと思ってきた。大枠で意思決定を間違えなければ、きちんと結果をだせば、良い人・良い仕事・良いお金は後からついてくるものだ


今まで読んだ本の中で気になるPhraseにタグをつけて"Casual Thoughtsの書庫"という別ブログにまとめているのだが、最近"Career"というタグをよく眺めている。その中から自分の今の心境にあうPhraseを引用してこのエントリーの締めとしたい。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

でも環境変化の中でゴチャゴチャと精一杯努力していると何とかなるのも事実だった。「捨てる神あれば拾う神あり」で、いろいろな新しい発見や予期せぬ出会いが私に新しい機会をもたらしたからだ。
三四歳のとき、もっとモノをよく知っていて、もっと客観的で、それゆえ「もう少し力をつけてからでも遅くない・・・・・・」なんて考えて、冒険しなかったらと思うと、ぞっとする。モノが見えてなくて良かった。今、心からそう思うのだ。
たしかに「四四歳の私」は、一〇年前「三四歳だった私」に比べて、圧倒的にモノが見えている。いろいろな経験を積んだ。たくさんの人を見てきた。でもモノが見えている分だけ、新しいこと、未経験なことについて、ネガティヴに判断するようになってはいないだろうか。これを「老い」と言うのではないのか。
ウェブ進化論』 〜第七章 P.238〜

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