Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

20代のキャリアにおける「鶏と卵」

「仮にどんな仕事にアサインされても、自分のだせる最高のパフォーマンスでその仕事をこなし、相手の満足、望むらくは感動を引き出すことに腐心する」というのが今となっては30代になってしまった私の20代の際の仕事に対するポリシーだった。


入社当時に配属された部署というのは正直私があまり関心がある仕事ではなかったが、当時はまだ"ひよっこ"という意識が強かったので、とにかく結果をだすことに専念をした。「こんな仕事をするためにこの会社に入ったわけではない」と言い残し、会社を去る同期も1〜3年目くらいの間に結構多かったが、それほど器用かつ、狡猾でない私はどちらかというと目の前にある仕事をこなし、そこで結果をだすのが精一杯で、自分の関心が本当にどこにあるのかということを真剣に考える余裕も正直なく、とにかくアサインされたプロジェクトで結果をだすことにがむしゃらになった。


初めに配属された部署の仕事は結局、その道のプロフェッショナルになるという意欲がふつふつとわく程の興味は最後までうまれなかった。だが、比較的に専門性の高い領域であったので、入社1〜3年の間でみっちりチームリーダークラスの責任をおうことが習慣付き、リーダーシップやチームマネージメントについて学ぶことができ、今となってはその経験が非常に大きな糧になっている。
また、そこでの仕事振りが認められ、他の部署から是非うちで一緒に仕事をしないかと誘われることとなり、より関心がわく仕事をする機会をえることとなった。


「自分のだせる最高のパフォーマンスで仕事に取り組む、その結果としてより高レベルかつ自分の関心が強い仕事にめぐり合える」、いつからかそんな正のスパイラルが働くようになり、冒頭に紹介したようなポリシーが正しいとの確信を次第にえるようになった。


Of course it was impossible to connect the dots looking forward when I was in college, but it was very, very clear looking backwards 10 years later. Again, you can't connect the dots looking forward. You can only connect them looking backwards, so you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
もちろん大学にいた頃の私には、まだそんな先々のことまで読んで点と点を繋げてみることなんてできませんでしたよ。だけど10年後振り返ってみると、これほどまたハッキリクッキリ見えることもないわけで、そこなんだよね。もう一度言います。未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。
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かの有名なスティーヴ・ジョブスのスタンフォード大学の卒業祝賀スピーチで上記のようにふれられている通り、「未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない」わけであり、いわんや経験未熟な会社に入りたての人に「本当の自分のゴール」と「それに向けて今やるべきこと」がクリアにわかるわけなんてない。すごく一生懸命考えたらわかるかもしれないが、そんなことを始めたら今の仕事なんて手につきっこない。そんな時間の使い方より、今目の前にある仕事を自分のだしうる最高のパフォーマンスでこなし、その中から色々なことを学び取り、そして周囲の自分に対する信頼をえることのほうがよっぽど大事だと思う。


「高い成果」には、「よりよい仕事、よりよい仲間、よりよいお金」が自ずとついてくる。そうやって全体の底上げをはかった後で、自分が歩んできたドットをどうやって将来に対してつむぎ合わせるのかを考えても絶対に遅いことなんかない。


「鶏がさきか、卵がさきかの議論になっちゃうんだけど」なんて枕詞があるが、こと20代のキャリアにおいては「まず目の前の仕事で最高の成果をだすことが"さき"で、自分がやりたいと思う仕事をおっかけるのは"あと"」というのは私の中では確信に近い。


こんなことをつらつら書くと「あぁあ、年とっちゃったな・・・」って感じですが、こと20代の前半の皆さまはどう思われますか?

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