Nicholas Carrの"Two views of Web 2.0 in business"というエントリーで企業によるWEB 2.0関連技術の活用状況についての統計データが掲載されており興味深い。
ForresterはWEB 2.0関連技術をブログ、WIKI、Podcasts、RSS、ソーシャルネットワーク、タグの6つと定義し、CIOを対象に企業における上記技術の利用動向について調査をしている。
- 89%のCIOが上記の6つの中のいずれかを活用している
- 35%のCIOが上記6つの全てを活用している
結果は上記の通り。いずれかの技術を活用している企業が9割近いのはそんなものかと思うが、全ての技術を活用しているという企業が3割を超えるというのは私には驚き。企業への普及は急速に拡大しているとみることができる。
そして、もう一つ興味深いというか、さもありなんというのが下記のくだり。
In another sign of what the future holds for Web 2.0 in business, the Forrester survey found a clear preference among CIOs for buying a full suite of Web 2.0 tools from a large, established vendor.
ビジネスにおけるWEB 2.0の将来に何がおきるかを示すもう一つのサインとして、Forresterの調査は、CIOは、「大規模ITベンダー」から、WEB2.0関連技術の「フルスイート」を調達したいと考えていることを発見した。
いわく、74%のCIOが「フルスイート」を期待しており、71%が「大規模ITベンダー」からの調達を期待しているとのこと。これは直感的には納得感のある結果。というのも、各6つの技術を自社に最適な形でとりいれ、自社のITインフラを強化、さらにはワークスタイルの変革することがCIOに求められる責務だとすると、「大規模ITベンダーによるフルスイート」が存在すれば、その責務から相当程度開放されるからだ。
CIOの立場で考えるに、個別の技術を自分の責任で選択するより、「統合化された」という枕詞のついた一塊を調達した方が選定作業がはるかに楽だし、「大規模ITベンダー」であれば、ツールにより実現されるワークスタイルなどの提案もあわせて期待できるし、改善要望なども会社対会社で要求しやすい「大規模ITベンダー」のほうが組み易いと考えているのだろう。
「CIOが楽だから」というと身も蓋もないが、見方を変えれば個別の企業でどの会社のサービスをどのように活用するかを考えるより、技術選定並びにそれに伴うワークスタイルの構築に長けている特定の企業が実施したほうが効率的とみることもできる。メインフレームからオープンシステムへの流れの中で、システムインテグレーターやミドルウェア・ベンダーが現れたように今後この領域で様々なプレイヤーが現れることは容易に想像できる。
どんなタイミングで、どんなプレイヤーが現れ、全体としてどんな流れに進んでいくのか今後注意してみていきた。