これまでWeb 2.0企業であると「宣言」するだけだった楽天。それが2007年、APIの公開などで「実現」に向かう見通しであることが、11月16日の決算説明会の席で、初めて明らかになった。
上記の記事へのトラックバックは、本エントリーが23番目。大量のトラックバックを集めいているところはさすがだが、あまり肯定的な意見はない模様。ざーっとすべて見たところ批判は下記の3つに大別される。
上記1つ1つは納得感があるが、私が大きく違和感を覚えたのは下記の内容。
APIの解放についても、単純にショッピングサービスだけでなく、楽天が持つさまざまなサービスのAPIを解放できるようになる。つまり、経営体制を変えるという側面だけでなく、ユーザーから見ても、よりシームレスにサービスをご利用いただけるようになるでしょう。
今更自社内のシームレスさを売りにするのか・・・。
他社サイトとのシームレスな連携にまで踏み込み、よりよい商品を見つけることのできる可能性が消費者に広がったり、より多くのトラフィックが発生することにより楽天会員サイトの販売機会が広がるなどの効果をうたうならまだWEB 2.0と言うのもわかる。
しかし、楽天内部のシームレスさを喧伝するとはお寒いことこの上ない。自社の縦割り解消というのは、おおっぴらに得意げにやることではなく、こっそり恥ずかしげにやることではないのか・・・。
あともう1つ気になったのが、ワンストップショッピング。
また、ワンストップショッピングを実現したいという楽天にとっては、単純にモノを売るだけではなく、情報も売っていくという意味において、ポータルは非常に重要なサービスであると考えています。
物理的な制約のある実店舗であれば、1つの場所に行けば何でも手に入るというワンストップショッピングというコンセプトは消費者にとってはメリットはそれなりにあるが、クリック1つで他のサイトにいけるインターネットの世界でワンストップショッピングを目指すというのはいかがなものか・・・。
消費者のためのワンストップショッピングではなく、「みーんな自分のところで買ってほしい」という楽天の都合のためだけのワンストップショッピングではないのか・・・、と突っ込まずにはいられない。
もっとも、ITリテラシーのあまり高くないお年寄りの方などは、ユーザIDやパスワードがいくつもあるのは確かにわずらわしいため、楽天のデジタル・ワンストップショッピングはものすごくウェルカムかもしれない。そういう意味では、楽天のWEB 2.0化というのは、「爺殺し2.0」と言うにはふさわしいかもしれない。