40〜50代の男性の中で筋トレ熱が高まっている、という話は以前から耳にする。その理由としては、
- 「働き改革」の成果として余暇の時間が増えた
- 大きな出費や初期投資なく気楽に始めることができる
- 人生100年時代に向けて健康意識が高まっている
など様々な理由があげられている。かくいう私も最近筋トレに力をいれている。道具を揃えていくのも、金銭的にゆとりのある40〜50代の趣味の醍醐味だ。ダンベルや懸垂バーなどのちょこちょこした道具に加え、先程トレーニングベンチをぽちったところで、なかなか楽しんでいる(勿論、家族の白い目にさらされつつも了承はちゃんとえた)。
実際に筋トレをしてみると、なぜこんな地味なことが40〜50代の男性が好むのかわかる。上記にあげたことは勿論そうなのだが、一番の理由は、
- 自分の脳力の伸びや可能性を実感したい
というところにある気がする。
40代というのは働き盛りの年だ。それなりに大きな仕事を任され、周囲との信頼関係もきちんとあり、若手を育成する機会にも恵まれる。20代と30代で培った経験を最大限に活かしながら、最も良い仕事ができる年代だとわれながら感じている。が、その反面ピークに差し掛かり、伸び悩みを感じる時期でもある。勿論、身を粉にして働いたり、学習をすれば、まだまだ伸びる余地も十分にある。が、25年近く研鑽してきた仕事の能力というものに、さらに磨きをかけてさらに高みを目指すというのは簡単ではない。
- 自分の強みを一旦崩して再構築する
- 全く経験のない領域の勉強をして芸風を広げる
- 得意をさらに突き詰めて磨きに磨きをかける
勿論、これらは可能であるし、そうやっている人も沢山いることは承知している。が、ここから更に上を目指すというのは時間も相当かかるし、仕事により多くのリソースを振り分ける修羅の道なのだ。繰り返すが25年もの時間をかけて培ってきたものを、さらにグレードアップするというのは並大抵なことではない。
私自身は、修羅の道を突き進む強者ではなく、今までの財産を活かしながら仕事をして、仕事以外の人生の充実を追求していくほうが合っている。なので、最近は夜遅くまで働いたり、土日にも仕事をするという生活からは足を洗い、家族とより多くの時間を過ごすようにしており、充実した生活を送っている。
が、仕事を通して成長と自己実現をある程度してきた人にとって、自分の成長が止まるというのは物足りなくもあるし、怖い思いもある。そこで筋トレである。今まで筋トレをしてこなかった人が一日に1時間筋トレをする習慣を身につけると、効果は目に見えて現れる。見た目だけでなく、回数や負荷が増すというわかりやすい指標があるため、自分の成長を実感しやすい。さらにタンパク質や炭水化物の量などを定量的にコントロールするという数値管理の要素は私には仕事柄もあって馴染みやすい。一日1時間の努力で伸ばすことができる余地は仕事では限られているが、筋トレであればかなりの自分の可能性を感じることができる。自分への投資としてはコスパが良い上に、仕事以上に投資をふんだんにしないといけない健康領域であるため、ついつい時間をそちらに使ってしまう。同年代でハマる人がいるというのもよく分かる。
本エントリーでは、仕事で伸び悩むおっさんが筋トレにはまる理由をかなり自分目線で語らせて頂いた。当ブログの読者は私と同年代の方が多いと思われる。他の視点などがあれば皆さま是非共有ください。