日経ビジネスの11月13日号で"米グーグルの採用協奏曲"という記事があった。要旨は下記の通り。
- 採用のハードルの高さが会社の成長を阻害していることをブリンがアナリストに認めた
- 今第三四半期は1日平均16人が入社するなど採用のペースをさらに上げている
- グーグル社員へのアンケートの結果から定量的なグーグルへの適性評価指標を作成するなどして、採用期間・面接回数の削減をはかっている
最近、Googleについてのこの手の記事に対するリアクションとして、「まぁ、これでGoogleも普通の会社になりさがった」というのが"普通"のリアクションになっているが、その殆どが反射的なエントリーであまり面白みがない。
企業規模の拡大に伴い、規模に応じた仕組みを作っていくのは経営として当たり前の話で、その仕組みを作ったこと1点をもって、「仕組みを整備するGoogle=大企業病」と決めつけるのは、いかにしても拙速。その構築した仕組みが意図と外れた形式的なものにならないようなマネージがされているかどうか、をみることこそが重要なんではないだろうか。
グーグルの新規採用者が受けた面接は、年初は1人平均6.2回だったが、6月には5.1回に減った。・・・<中略>面接を担当した社員に、面接後1週間以内に評価を提出するよう命ずることを検討している。現在は厳密な期限がない。
『日経ビジネス 11月13日号』 〜米グーグルの採用協奏曲〜
大組織で面接の効率化に伴う面接回数の削減を目標に掲げると、本来の目標である効率化の部分が時間と共に薄くなり、面接回数を減らすこと事態が目的となる「手段の目的化」がおきる。この「手段の目的化」が起きないように、
- 効果的な面接かが行われるかどうかを測定する仕組みもあわせて構築する(例えば、削減前と削減後の雇用社員の成果を比較する、など)
- 面接回数の削減そのものが目的となっていないか、人事担当・経営者が目を光らせる
なんていうフォローを如何にうまく、なおかつGoogleらしくやるかにこそ、本当は焦点をあてるべきだ。
まぁ、そんな内情まで何でもかんでも表にでることはないのは百も承知だが、ついでに言えば実際に企業にインタビューしにいって、そのあたりのところまで突っ込んで聞いてきて、記事としてまとめることこそ、お金を払って記事を購入する「日経ビジネス」や「Wall Street Journal*1」に求めるところだったりする。
*1:なお、この"米グーグルの採用協奏曲"はWSTの記事の翻訳