本日紹介するのは『会計と経営の七〇〇年史』。あまりに重厚なタイトルで思わず尻込みしてしまいそうになるが、ご安心頂きたい。やれ貸方だの、やれ借方だのの会計知識は、本書を楽しむ上では一切必要はない。エピソードと人物の織り成す面白おかしいストー…
夏といえば、アメリカに住むわが家にとっては日本への一時帰国の季節だ。昨年は、コロナ禍で帰国を見送ったので、この夏は久しぶりの日本への帰国だ。東京都の小平市は私の帰省先だ。東京都の多摩地区で育ち、大学まで多摩圏内で過ごした私は、小平市に滞在…
アメリカの大統領選というのは4年に一度のお祭だ。昨年の日本における自民党総裁選もかなり盛り上がったが、アメリカの大統領選というのはあの比ではない。職場では政治の話題というのは極力避けられる傾向にあるが、大統領選の時期だけは抑えきれずに政治…
アメリカ社会の分断は深刻な状況にまで至っている こういった言説はドナルド・トランプがヒラリー・クリントンを破り、大統領に就任して以降、お決まりのものとなっている。広がり続ける経済格差、健康保険加入者の減少、未だにくすぶる人種差別、などの様々…
「ウクライナの歴史をおおざっぱでも良いので理解したい」 ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、そういう興味を持った人は多いだろう。 おおざっぱに歴史を理解する際に誰もがまずは参照するのがウィキペディア。『ウクライナ』の項目にその歴史がまとめら…
私は仕事が嫌いではない。若干前近代的ではあるが、仕事の高いハードルを超えた時の達成感というのは格別であるし、仕事を通して築いた人脈というのはかけがえのない資産だ。また、培ってきた専門性を活かしながら成果を出すのは楽しくもある。だが、「好き…
40〜50代の男性の中で筋トレ熱が高まっている、という話は以前から耳にする。その理由としては、 「働き改革」の成果として余暇の時間が増えた 大きな出費や初期投資なく気楽に始めることができる 人生100年時代に向けて健康意識が高まっている など様々な理…
このコロナ禍で否応なく「保健所」に注目が集まっているが、本日紹介する『保健所の「コロナ戦記」』は、保健所管理職としてコロナ第一波から、最前線で獅子奮迅の働きをしてきた関なおみさんの独白。東京都に住む方は必読とも言えるオススメの本だ。 保健所…
「保育園に預けた子供の迎えにいかなければならない、せめて夫に連絡させてほしい」 と懇願しても、◯◯◯は、 「早く帰りたいなら、早く認めて楽になれよ」 と迫ったという。 上記の文章の◯◯◯の中に漢字三文字を入れなさい、と聞かれたらどう答えるだろう。殆…
「あなたが日本の大企業に勤めていたら、今頃離婚していたと思う」 ある晩妻とワインを飲みながら話していたら、不意にそんなことを言われて驚いた。幸い、私は新卒の頃から外資系企業に務め、現在はアメリカの現地企業に勤めているので、離婚を免れることは…
仕事で英文メールを書かないといけないという人は多いだろう。本題にさっと入りたいのだが、書き出しで苦戦をしている人は意外に多いのではないか。書き出しの言い回しをググっているうちに、10分〜15分時間を使ってしまったという経験は誰にでもあるだろう…
初作の『サピエンス全史』は、われわれサピエンスがどのような歩みを辿って地球上で最も繁栄した種となったのかという過去の話、二作目の『ホモ・デウス』は今後ホモ属はどのように進化していき、サピエンスはどのような進化をとげるのかという未来の話、そ…
読書の醍醐味の一つは、自分の先入観や固定観念、常識を覆され、視野が広がり、新しい目で物事を眺められるようになることいわゆる「目から鱗が落ちる」体験をすることだろう。<中略>まさにそのような醍醐味を満喫させてくれるのが本書『サピエンス全史』…
金融庁検査局と言うと、どうしても半沢直樹のオネエ検査官の黒崎駿一が頭に浮かんでしまうが、「霞が関のジローラモ」との異名を持つ異色の金融庁官僚が実在するらしい。ノンフィクション作家大鹿靖明氏の新作『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』…
先日、ボストンに衆議院選挙の投票のために行ったが、最近は下記のようなサイトで政党別、候補者別の政策がわかりやすくまとめられており、とても参考になった。例えば、選択的夫婦別姓制度の導入について、「賛成、やや賛成、どちらとも言えない、やや反対…
衆議院選挙の投票をしにボストンの領事館に行ったというエントリーをあげた。民主主義への能動的な関わりとして清き一票を投じるという義務感は自分に備わったものとしてあるのだが、一方で「一票投じたらそれで良いのか」という疑問が浮かんでくる。なので…
先日、ボストンに家族旅行にいってきた。東海岸のノースカロライナ州に住むわが家から飛行機で2時間弱の近さで、ニューヨークほどの喧騒はなく、ノースカロライナほど田舎でもなく、歴史を感じる文化レベルの高さを感じる都市で大いに楽しむことができた。「…
仕事で英文メールを書かないといけないという人は多いだろう。本題にさっと入りたいのだが、書き出しで苦戦をしている人は意外に多いのではないか。書き出しの言い回しをググっているうちに、10分〜15分時間を使ってしまったという経験は誰にでもあるだろう…
多様性というのはアメリカ社会で生活をする上で、常につきまとう悩ましいテーマだ。出身国も文化も違う人たちのるつぼの中で生活すると、自らの常識が世界の常識か、相手の常識に感じた自分の違和感は正常かどうかを自問自答することに常に迫られる。 他愛も…
日米のワクチン接種率の比較を本ブログで紹介してから2週間ほどたった。予想通り私の住む米国は、箱根駅伝で抜かれる時に一瞬だけテレビにうつる大学の如く、日本に華麗に抜き去られた。日本は接種率が60%に達し、米国は未だに55%程度なので、あっという間…
2021年9月16日時点で日本でワクチンを2回接種した人の数は53.2%。1ヶ月前の37.9%と比較すると+15.3%となる。これは私が住んでいるアメリカから見ると爆速とも言うべきペースだ。我がアメリカ合衆国は、同じ時点で55.0%と辛うじて上回っているが、この1ヶ月…
アメリカに住むわが家にとって夏の日本への一時帰国は一年の最大のイベントだ。コロナ禍で日本への一時帰国がしばらくできていないが、日本に住む家族と一緒に時間を過ごし、日本の美味しい料理の数々を堪能することを、家族全員がとても楽しみにしている。…
「あなたのどの宗教を信仰していますか?」 というのは、アメリカに住み始めて8年近く経ち、未だに直接的に聞かれたことはないがが、いつも「聞かれたらどのように答えよう」と頭の中であれこれ答えを考えている問いだ。アメリカは、キリスト教のプロテスタ…
ソニーが1.1兆円という過去最高益を20年度の決算で叩き出したらしい。2010年から2014年までは、殆ど純利益赤字という状況からすると見事な復活劇と言って良いだろう。これは2012年にハワード・ストリンガー氏からCEOのバトンを受けた平井一夫氏の手腕の成果…
仕事で英文メールを書かないといけないという人は多いだろう。本題にさっと入りたいのだが、書き出しで苦戦をしている人は意外に多いのではないか。書き出しの言い回しをググっているうちに、10分〜15分時間を使ってしまったという経験は誰にでもあるだろう…
「世界はどうしてできたのか、また世界は何でできているのか?」、「人間はどこからきてどこへ行くのか、何のために生きているのか?」という問いに対して、人間がこの三千年の間にどのように取り組んできたのかを一冊にまとめてしまおう、本日紹介する『哲…
「本要約動画」というのは、YouTubeで確固としたカテゴリーを築いたと言っても過言ではない。アメリカ在住の私は、新聞や雑誌などの日本の書評が身近にないので、YouTubeの「本要約動画」は散歩中に聞き流すお気に入りのコンテンツだ。 が、その一方で最近の…
「良い文章を書きたい」 文筆家に限らず、こういう想いを持っている人は多いはずだ。特にブログが浸透し、誰でも自分の文章を世に発信できるようになった現在、そういう想いを持っている人はますます多くなっているに違いない。その一方で、 どうすれば文章…
仕事で英文メールを書く機会が増えている人は多いだろう。慣れないうちは、時間もかかるし、自分の書いた内容に自信が持てないものだ。本題に早く入りたいのだが、導入部でつまづき時間がかかるというのは、よくある悩みだろう。 送るメールの背景を簡潔に書…
政治家としてやりたいことはない、政治家をやりたい人 4年に渡る取材とエジプト時代の同居人からの情報を始めとする貴重な一次情報。そういった事実の積み上げで、都知事小池百合子の実像を浮き彫りにしようという意欲的なノンフィクション作品が『女帝 小…