Thoughts and Notes from CA

アメリカ東海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

「都議会セクハラ野次」問題は騒ぎすぎ

都議会で塩村あやか都議会議員に対して飛ばされた野次について、大盛り上がりのようだが、不謹慎だの、犯人探しだので騒ぎすぎだ。野次の内容は確かに品性下劣だし、職務中の発言としては不適切極まりないし、これだけ話題になっているのに言った本人たちはだんまりを決め込んでいるというのも卑怯千万だし、こういう発言を何も言わずに流すというのも問題だ。でも、それにしても騒ぎ方の方向性に疑問を覚えるし、政治のトピックとして最もホットなのがこの問題というのもいかがなものかと思う。また、犯人探しだの何だので盛り上がってガス抜きされて、大本の妊娠や出産に関わる現状の改善、解決に向けての施策の実現の方に議論が及ばないんじゃないかと不安を覚える。このままじゃ、声紋分析して、議員が特定されて、その議員が謝罪、反省、辞任して、皆の溜飲が下がって一見落着になってしまうのではないだろうか。
また、塩村議員だってその場ででた下品な野次に対して一喝したのに数の論理で押されて否応なくというようならまだしも、言葉につまってそのままその場は退散というのも、私の正直な気持ちとしては心もとない。そういう不見識な議員をその場で引きずり出すとか、そういう不見識な発言があって笑い声が議会でおこるというようなことだから各種の施策が実現に向かわないんだと切り返すとか、そのくらいの技量や胆力を議員として磨いていって欲しい。そういう力強さもないと、保育園の待機児童の問題とかを解決するために、根強く存在する既得権益をもった抵抗勢力を丸め込んだり、叩き潰したり、正に戦いを勝ちにもっていくなんてことは期待できない。後日会見をひらいて「声紋分析します」とか、「侮辱に対する処置の要求」いうのもよいのだけど、そっちの犯人探しに力を注ぐのではなく、盛り上がっているうちに元々ご自身が提起した問題のほうに軸足を移していったほうがよいのではないだろうか。

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