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ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

マッキンゼーのクラウドコンピューティングの定義

Nich Carrのエントリ経由で知ったのだが、マッキンゼー"Clearing the air on cloud computing"というレポートを発行しており、そこに諸説あるクラウドコンピューティングの定義がのっており、流石にきれいにまとまっているので紹介したい。

1.Hardware management is highly abstracted from the buyer
2.Buyers incur infrastructure costs as variable OPEX
3.Infrastructure capacity is highly elastic (up or down)
1. 買い手にとって、ハードウェア管理が高度に抽象化されている
2. 買い手はインフラコストを変動的な事業運営費として負担する
3. インフラのキャパシティは高度に伸縮性がある(上がる方にも下がる方にも)

というのがクラウドの条件として紹介されている。面白いのがクラウドを定義する上で、クラウド(Cloud)とクラウドサービス(Cloud Services)をはっきりわけており、クラウドサービスというものがクラウドと混同されていると強調している点。GmailSalesforce.comのようなサービスは、上記の1.と3.のみを満たすクラウドサービス(Cloud Services)であり、マッキンゼーのレポートではクラウド(Cloud)とは別定義となっている。


そして、補足として、いくつかのクラウドの特徴があげられているので、それも紹介したい。

Enterprises incur no infrastructure capital costs, just operational costs and operational costs are incurred on a pay-per-use basis, with no contractual obligations
企業はインフラを資本コストとして負担せず、運営コストとして負担するに過ぎない。運営コストは従量課金制に基づいて負担される

インフラのコストがCAPEXではなく、OPEXとして処理されるという点がポイントと思う。CAPEX/OPEXという言葉になじみのない方も多いと思うが、従来であれば多額の初期投資をして大規模なシステムを構築したのだが(Capital Expenditure)、クラウドの世界では大きな初期投資はなく、使いたい分だけ、必要に応じて支払えばよい(Operation Expenditure)、と言っているに過ぎない。

Capacity can be scaled up or down dynamically, and immediately, which differentiates from traditional hosting service providers
キャパシティは劇的、かつ即座に増減させることができ、これが従来のホスティングサービスとの大きな違いである。

月単位での契約どころか、今欲しい容量を今欲しい分だけを使用できるというのが、クラウドならではの新しい点だと強調されている。

The underlying hardware can be anywhere geographically
稼働しているハードウェアは地理的にどこにでも存在しうる

ハードウェアはユーザにとって高度に抽象化されているため、ユーザはハードウェアが日本にあるのか、アメリカにあるのか、中国にあるのか、など全く気にしなくてもよいとのこと。


まぁ、紹介しておいて何だが、"A recent study has found 22+ definitions of clouds. Many Definitions exist on cloud computing!"と銘打って、「おれが調べた限りは22以上もクラウド・コンピューティングの定義があって、ややこしいので、おれがきれいにまとめてやるぜ!」と意気込んでいる割りには、あらためて眺めてみると結構普通で23個目の定義が追加され、余計混乱をきたしているんじゃないかという気がしないでもない。


個人的には、日本人にとって一番わかりやすいクラウド・コンピューティングの定義は、"クラウドっていうのは、要するに「あちら側」のことではないのか"というエントリーで触れたとおり、「あちら側」っていうのがシンプルで良いと思うのだが・・・。


かなり、まとまりのないエントリーとなったが、レポートそのものは突っ込んだ面白い考察がいくつかあるので、別エントリーでちゃんと紹介したい。

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