本を読んだり、ネットを徘徊したりすると目から鱗が落ちるようなアイデアと出会うことは非常に多い。一方で、「読んで目から鱗が落ちただけではだめ」とか、「何冊も自己啓発書を読むよりも、2〜3冊に書かれていることを確実に実行するほうが大事」とか、頭では理解しているが、めぐり会ったアイデアをはらに落とし、実行するというのは案外難しい。この難しさから目をそむけ、目から鱗がおちる爽快感を味わったほうがよいと、次の一冊に手を伸ばすこともしばしば・・・。
出会ったアイデアの中には、実行に移せたものもあれば、実行に移そうとチャレンジしているものもあれば、既に忘却の彼方のものもある。その差は、一体何だろうとあれこれ考えていたところ、すごい考えにめぐりあった。
知識や頭で理解していることが必ずしも行動に移せるわけではありません。アイディアを生み出すことと、それを発展させ行動を移していくことでは、別のプロセスが必要なのです。コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる
- 作者: 伊藤守
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2002/07/24
- メディア: 単行本
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そして、今私たちがもっとも必要としているのは、ユニークなアイディアだけではなく、そのアイディアを行動に移すことのできる、もうひとつのアイディアなのです。
『コーチング・マネージメント』 〜PART1:WHAT'S COACHING? P.26〜
「ユニークなアイデアを行動にうつすためのもう一つのアイデアが必要」、ここ最近であった言葉の中で最も強く納得させられた一言。たしかに、行動・習慣化できたアイデアとできなかったアイデアの違いは、「行動に移すためのアイデア」があったか否かに大きく依存している。
例えば、"読書中の付箋とブログ活用術”というエントリーで、私の読書法を紹介しているが「本は読みっぱなしにしないで、重要な箇所を自分にすりこむ」ということがそもそものアイデア。そして、そのアイデアの実行をささえているのが、「読んだ本の気になった箇所をいつでもどこでも取り出せるように書庫ブログに書きとどめ、iPhoneで書庫ブログを電車の待ち時間などにちょこちょこ見る 」というもう1つのアイデア。また、「持ち運びやすく、安価で、スタイリッシュな付箋を持ち歩く」というさらにもう1つのアイデアが、本の気になった箇所を記録するという習慣を支えている。
情報があふれている時代なので色々なアイデアに遭遇するのはもはやそんなに難しくはない。なので、今後は新しいアイデアに出会うことではなく、「それを実行に移すもうひとつのアイデア」を見つける、もしくは考え出すことにこだわっていきたい。