- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2007/10/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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"「学ぶことのスペシャリスト」に学ぶ"というエントリーで以前、『無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法』を紹介し、それ程高い評価はしなかったのだが、今回の時間投資法はなかなか面白かった。
- 「時間」というものを人生における最も貴重な資源として捉え、
- 有効活用するために「何にその資源を配分しないのか」ということにフォーカスすることの重要性を説き
- 筆者の経験に基づき、資源配分が適切かどうかを如何にモニターし、そして如何に改善をするかという点について、具体的な事例と共にそのノウハウが惜しげもなく公開されている
というあたりがポイント。
まぁ、正直なところ、1点目、2点目は最近よく言われていることではあるので、それ程目新しいことではないのだが、3点目については筆者独自の説得力のある手法が紹介されており、なかなか参考になる。
特に私の中で目から鱗が落ちたのが、下記のくだり。
どんなにいい方法でも、やることがたいへんだったり、自分の考え方と合わなかったりして、習慣化できるものが少ないからです。すると、どうせ習慣化しないのだがか、ということでやること自体をあきらめてしまうことが多い。
しかし、そこは考え方を転換してください。十の方法を試して、一つでも自分の習慣として残ったら、それはもうけものだということです。
この十に一つというのは私の経験則からきています。試さないものは決して習慣化しませんが、十試せば一つの習慣が、百試せば十の習慣が手元に残っていきます。
・・・<中略>たとえば私の場合は、一日一つは何かあたらしいことができないかと考えています。そうすると、一ヶ月に数個くらいは新しい手法として残りますので、一年たつと、それなりにいろいろな時間管理の方法が新しく加わってきて、バージョンアップされているわけです。
『無理なく続けられる年収10倍アップの時間投資法』 〜基礎編 P.35〜37〜
時間を有効活用するためのノウハウを紹介している本やブログのエントリーは数え切れないほどあれど、「十の方法を試して、一つでも自分の習慣として残ったら、それはもうけもの」とここまで割り切った考え方をしているものはそうはないのではないだろうか。なるべく多くの手法を消費しなければ、全体的な効率性があがらないというアウトプットではなくインプット志向の考え方は私にとっては非常に新しかった。また、時間投資のスペシャリストである勝間さんの経験則に基づいて定量的に示されている点がさらに説得力をましている。
また、本書は少なくとも私にとっては読み物としても相当面白い。決して筆者のねらっているポイントではないと思うのだが、下記のようなことを大真面目で語られていることが私には非常に滑稽に感じられ、「そ、そんなぁ」と思わず笑ってしまう。
たばこのおかげでアイデアがわくという人もいますが、たばこはあくまで、自分の気持ちを落ち着けるための小道具ですから、必ずしもたばこでなくいいはずです。
・・・<中略>もし、すっきりと落ち着きたいのであれば、代替手段としてハーブティーを飲めばいいことです。
『無理なく続けられる年収10倍アップの時間投資法』 〜基礎編 P.68,69〜
お酒はつきあい上やめられない、と思っている人も多いでしょう。私もそう思っていました。しかし、ウーロン茶やグレープフルーツジュースを飲みながら、楽しく会話することは問題なくできます。見た目もウーロンハイやグレープフルーツハイを飲んでいる人と変わりません。
『無理なく続けられる年収10倍アップの時間投資法』 〜基礎編 P.71〜
煙草はやめたが、酒はやめられない(やめるつもりもないが)私には若干耳が痛い話だが、勝間さんのエキセントリックな性格が本書の中で上記のような形で随所にあらわれており、楽しんで読める。
ノウハウ本に対して嫌悪感がある方もいるかもしれないが、読み物という感覚でも面白い本であるので、私は本書は色々な方におすすめをする。