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ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

ドリコムの株主総会で聞いてみたいこと

Internet Trend

ドリコムが決算を発表した。財務諸表から情報を読み取ろうとするのも投資家のリテラシーと言った手前、決算短信をざっと読んだので、同社の株主になった気分で少しコメントをしてみたい。余計はお世話だが、私が仮に株主であれば、下記4点については株主総会で是非経営者に突っ込んでみたい。

ドリコムマーケティングの「のれん代」5.5億円の妥当性

ドリコムは2006年12月1日に(株)ベストパートナーが設立した会社を6億円で持分の60%を取得し、後にドリコムマーケティングと名称を変更している。ドリコムの平成19年3月期(以下当期)売上が8.4億円だったことを考慮すると相当にアグレッシブな投資ではあるが、それ以上に巨額の「のれん代」を(株)ベストパートナーに支払っている点が非常に気になる。
右記は決算短信のP.25の記載だが、ここからドリコムマーケティングは設立されたばかりの、資産現金9千万円オンリーの会社ということがわかる。一般的に「のれん代」はその文字のごとくその企業のブランド力のようなBSに反映されない無形資産の評価額をさすものであり、設立したばかりの会社に巨額の「のれん代」を支払うことに違和感を感じる。
一方で、別の資料には新規設立会社の従業員数は27名と記載されており、唯一の資産である人材を評価したと見ることもできる。一人当たり2千万円でドリコムグループの従業員として購入したと見ることもできる。とすれば、株主総会では一人当たりがどれくらいの売上をあげることを想定して本金額を設定したのかは是非聞いてみたい。

短期借入金7億円の使途と返済プラン


連結BSをみると当期に短期借入金が7億円計上されていることがわかる。これが財務活動によるキャッシュフローを大きく押し上げ、営業活動によるキャッシュフロ+投資活動によるキャッシュフロー=▲11.6億円というかなり厳しい状況を何とか支えている。
ただ、昨年上場をして、資金調達をしたばかりで、当期売上金額相当の7億円の短期借入というのは、使いっぷりもさることながら、借りっぷりも相当な大判振る舞いだ。この7億円の主要使途については、株主としては是非確認したいところだ。しかも、2007年4月26日という次期決算期では(株)ジェイケン取得のために13.2億円のキャッシュアウトが見込まれている。一方で、当期現金残高は4億円足らずであり何とも心もとない。
(株)ジェイケンが相当なキャッシュリッチ会社であるとか、増資による資金調達の目処がたっているだとか、短期借入金7億円の返済目処というのはものすごく気になるところ。資金ショートでゲームオーバーの可能性も十分にあるため、返済プランについては必須確認項目だろう。

販管費削減のためのアクションプラン


ウォールストリート的な見方をすれば、売上が上がらなければ販管費を削減すれば良い、人件費が赤字の要因になっているのであれば、人を削減すればよいという発想になる。短絡的なその発想を全肯定するものではないが、経営者は少なくともこの問いに対する明確な答えを持つ必要がある。
前期に対して、当期は給与手当が約4倍になっている。現状を維持するなら「単純に販売パワーを考えれば4倍なのだから(株)ジェイケンを外しても売上は4倍の28億円(前期の売上は7億円)はやってくれるんだよねぇ」という突っ込みや、「人員を増加したのに売上が伸びないというのはスキルミスマッチであり、よりスキルフルな人に入れ替える必要があるのではないか」という指摘は、経営者の考えを評価する意味でも是非聞いてみたい

投資有価証券1.5億円と受取配当金0.28億円の詳細

当期にBSに投資有価証券1.5億円、PLに受取配当金0.28億円が計上されている。ざっくり配当利回り20%と考えれば、超優良投資でとても結構なこと。だが一方で、私の感覚では3%を上回ればかなりの高配当利回りなので、20%と突き抜けてよいこの数字をみると、「おまえさん達、なんか変なことしてないよねぇ」と少し訝ってしまう。
「こういうご時世なので、敢えて確認させて下さい」と軽いタッチで是非聞いてみたい。


色々書いたが多分に自己流のため、不勉強な点があれば指摘をして頂きたい。尚、私が財務諸表を見る上で気にするポイントは下記の通り。

  • BS、PL、CFも大事だが、注記情報にこそ重要な情報が隠れているのでじっくり見る
  • 前年同期比で大きなギャップがある項目はあるか、あったらその原因を考えてみる
  • あれっと思ったり、自分が理由を理解ができない内容は流さない


株主でもないのに上記のようなエントリーを書くとひんしゅくを買いそうだが、だが私の勤める外資系企業のビジネスが不調な時の社内ビジネスレビューの厳しさは上記の比ではない。株式を上場するということは、市場の厳しい目にされされ、経営を律するという効果を望んでのことでもあるだろうから、色々な問題や見解が株主総会で提示され、経営改善に向けての有益な議論がなされるとよいと思う

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