Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

2007年予測 ソーシャルネットワークの国際展開はうまくいくのか?

6. Social Networks Fail To Expand Internationally Due to Local Competition: MySpace wants to make it in Japan and China, but local sites like Mixi already dominate those markets. Likewise, France’s Skyblog won’t make it big in the US when they expand next year. You can already see this cultural difference in the case of Cyworld, which is too cute for mainstream Americans: they’re targeting young girls and will end up competing for the tween market, rather than the general population.
ソーシャルネットワークは、ローカル企業との競合により、国際展開に失敗する。
MySpaceは日本や中国に展開をしたがっているが、Mixiのようなローカル・サイトが既に市場を支配している。同要にフランスのSkyblogも翌年アメリカに進出しても大きくならないだろう。Cyworldの例で文化の差が存在することが見受けられる。Cyworldは通常のアメリカ人には可愛すぎる。一般の人々を対象とするのではなく、ニッチなマーケットで戦ってくことになるだろう。

MySpaceがその資本力をベースにして、日本に展開してもMixiに勝つことができないという予想については納得できる。ウェブサービスからのシェア獲得、即ち乗換えを画策する時に、考慮すべき最も大きなファクターは「スイッチング・コスト」だろう。
例えば、ブラウザのホームページをYahoo!からGoogleに変更するためにブラウザの設定を変更する手間や、はてなRSSに登録している購読ブログをエクスポートし、LivedoorReaderにインポートする手間が「スイッチング・コスト」。
上記の例は所詮個人レベルの話だが、SNSというのは構築した他ユーザとのつながりそのものにサービス価値があるため、「スイッチング・コスト」は格段に高い。マイミクに登録している人と、自分が所属しているコミュニティをそっくりそのままMySpaceに移行する手間をイメージすれば、如何にそれが高いコストか容易に想像できる。
それに言っては何だが、大量のアクセス数をさばけるか否かという以外に、技術面、機能面でSNSに大きな差別化要因があるとは思えない先行者利益がとにかく大事なビジネスモデルのようにみれる。
なので国籍を同じくするもの同士でのコミュニティが確立しているところに、国外から参入しようとしてもなかなか難しいだろう。


MySpaceMixiのように特定の何かに特化したわけではないSNSは上述のように国際展開は難しいと思うが、特定の領域をすごく深く掘り下げた特化型SNSだと、まだ国際展開が可能な気もする。
ジェネラルなSNSと比較して、機能面でも差別化もでやすい上に、日常会話で使用する言語以外に、特化した領域における共通の言語を有するため、他国の人間でもつながりやすい
MySpaceの日本展開はきっと失敗するが、国外の特化型SNSが日本に流入し、いくつか開花するということは今年中に起きる可能性は高いだろう。

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