Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

2007年予測 マイクロフォーマットの足踏みは今年も続くのか?

id:yomoyomoさんの"海外著名ブロガーの2007年予測をざっと集めてみる"というエントリーで海外の著名のブロガーの2007年予測のインデックスが紹介されている。ざーっと読んで見て興味をひいたものをしばらくの間紹介して、コメントをいくつかつけてみたい。

  • Related to the above, structured data will be a big trend next year - see our post on 'Google's structured data play' from September this year. What will be particularly interesting to watch is how microformats, the Web community's open standards for structured data, will fare. At this point, it looks like Google is forging ahead with its own structured data standards - and largely ignoring microformats. Although both Microsoft and Yahoo have shown some support for microformats, is it enough to stop Google?

"Structured Data"が大きなトレンドになる。'Google's structured data play' という9月のエントリーを見て欲しい。特に注視してみるべきは、マイクロフォーマットというウェブ・コミュニティにおける標準の"Structured Data"がどうなるかだ。この点については、Googleがマイクロフォーマットをまったく無視して、独自の"Structured Data"を作りあげるかもしれない。MicrosoftYahoo!がマイクロフォーマットをサポートしているが、彼らはGoogleを止めることができるだろうか。

Googleが独自の技術で"Structured Data"の浸透を試み、マイクロフォーマットという神輿を担ぐMicrosoftYahoo!と対決するという構図がなかなか面白い。


マイクロフォーマットの問題は技術的な枠組みはそれなりに決まっているのに、今ひとつ普及していないことだ。技術が本当に世間に受け入れられる時は、電子メールのように一気呵成に広がるが、現在のマイクロフォーマットにはその勢いはあまり見られない。技術が有無を言わさず生活・仕事の利便性を向上させるという力がないことが原因なのだろう。


話としてはよくできており、話題にも良くのぼるものの、なかなか普及にいたらないという技術はよくある。RFIDなんかは実証実験の枠からなかなか脱することができない良い例だと思う。なかなか普及に至らない理由としては、

  • コンセプトは良いが、技術それにまだおいついていない
  • 周辺技術が未発達、文化的に社会に十分浸透しないなどのように環境がおいついていない
  • その技術を浸透させようというカリスマ的なイノベーターがいない

の3パターンが考えられるが、マイクロフォーマットはどうなのだろうか。
今まで提供されていた技術的な枠組みが今ひとつだったのか(1点目)、普及するには単に時期尚早なのか(2点目)、Googleが独自の"Structured Data"でうってでたりすれば、少なくともその見極めはできるだろう。


3点目は『ウェブ人間論』の受け売りだが、これもおっしゃる通り。マイクロフォーマット普及・進行に向けてのカリスマ的イノベーターが出現するのか、それも今年の見所の一つだろう。

ウェブ人間論 (新潮新書)

ウェブ人間論 (新潮新書)

本の未来は最終的に平野さんのおっしゃるとおりになるのかもしれないけど、そういう未来を作ることに誰がどこまで情熱を持つかという問題が、現実的にはものすごく大きいのです。まず、出版社の人たちが本当にそっちにいきたいのかどうかは疑問ですね。

・・・<中略>技術そのものが足りないとかそういう問題ではなく、技術に関する感性とプロデューサー能力を併せ持ったカリスマ的なイノベーターが出てくるかどうかが鍵を握ります。

ウェブ人間論』〜第三章 P.137,138〜

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