ktdiskのブログ

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Amazonの次の一手は何をもたらす?

Google, MySpace, and YouTube cracked open for the masses the means to produce media and the advertising that sustains it, creating tens of billions of dollars in market value and billions more in new revenues. Now, by sharing Amazon's infrastructure on the cheap, Bezos is taking that same idea into the realm of physical goods and human talent, potentially empowering a whole new swath of businesses beyond the Internet itself.
GoogleMySpaceYouTubeは不特定多数の人々に対してメディアや広告を作成・配信する手段を開放することにより、100億ドルの市場価値と数十億ドルの売上を生み出した。そして今、アマゾンのインフラを安価に共有することにより、ベゾスは物理的なモノ、人の才能にも同じ考えを適用し、インターネット自身を超え、ビジネス全体を潜在的にエンパワーしようとしている。


Amazonがとんでもない会社になろうとしている。
Googleの大きな功績は、非常に安価な検索連動型広告を世に送り出すことにより、中小零細企業に自社の製品やサービスを潜在的な消費者に認知させる手段を提供し、彼らを大きくエンパワーメントしたことにある。
そして、Amazonが今やろうとしていることは、中小零細企業に自社の製品を消費者に届ける手段を、圧倒的な低価格、かつOnDemandに提供するということ。他者に提供できる製品があるのに、それを消費者に届けるIT及び、物理的なインフラ(倉庫など)を持たない人を強烈にエンパワーメントしようとしている。


このアマゾンが社会にもたらすインパクトは大きく2つ。
1つは現在ビジネスを運営している中小零細企業のオペレーションの効率性を大幅に押し上げるということ。

  • ディスクスペースをOnDemandに提供するAmazon S3
  • コンピュータの処理能力をこれまたOnDemandに提供するAmazon EC2
  • そして、物理的な在庫・配送業務だけでなく、受発注処理の支援もなされるFulfillment By Amazon

この3つのサービスを活用することにより、従来は大企業にのみ許された物流オペレーションのアウトソースと製品・サービス開発への注力という「本業への集中」が中小零細企業にも可能になる
このエンパワーメントにより、「あの会社の製品はすごく好きだったのに、一般受けしなかったか・・・」というため息とともに倒産の憂き目にあう中小零細企業が減少するだけでなく、オペレーションの効率化に伴うコスト削減を価格の低下という形で消費者が恩恵にあずかる例もでてくるだろう。


2つ目は事業をおこすということへの参入障壁が一気に下がり、製品・サービスの提供者が爆発的に増加するということ。
良い製品があったとしても、生産したものを在庫し、受注したものを配送するためのインフラを整えるのはかなり骨がおれる。ネットオークションで個人的に小金を稼ぐことまではできても、いざ自分で倉庫を持ち、より多くの人に製品を提供しようというところまでは踏み出せない人は多いはず。そういった、「個人の枠を超えて法人として事業をおこせる潜在的な力」はあっても、もろもろの初期投資を考え断念してしまう人の参入をこのアマゾンのサービスは強烈に促すのではないか。

More importantly, some venture capitalists have noticed, and they're encouraging their startups to consider using Amazon services to save money and get to market faster.
より重要なことに、ベンチャーキャピタリストも気づき始め、彼らの投資しているスタートアップにコストをセーブし、より早く市場に参入するためにアマゾンのサービスを使うことを検討するように促している。

新興企業の立ち上げを支援するベンチャーキャピタルの中で上記のような話があるくらい。来年あたりから、爆発的に利用が増えることが予想される。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブサービスの公開からわずか一年たらずで、ウェブサービスを利用して作られた無数のサイト経由でアマゾン商品を購入したユーザは、数千万人にのぼった。・・・<中略>自社の生命線たる商品データベースを公開することで、アマゾンはネット小売り業者から、eコマースのプラットフォーム企業へ、テクノロジー企業へと変貌を遂げたのである。これがアマゾンのWeb 2.0化である。
ウェブ進化論』 〜第三章 P.116、117〜

ウェブ進化論』でAmazonWeb 2.0化についてふれられているが、更なる進化に向けて野心的に取り組むベゾス。eコマースのプラットフォーム企業、テクノロジー企業という枠に収まりきらないAmazonのチャレンジは始まったばかり。今後の動向に目が離せない。

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