id:essaさんの"「双方向」ということの痛みがわかってる識者もいる"を読んだ。
で、思い浮かんだのが、『30歳からの成長戦略』に記載されている下記のPhrase。
論理的思考方法にとらわれればとらわれるほど、自説を曲げない傾向が強くなる。事実か論理で間違いを犯したりしていない限り、正解は一つであるということを暗黙の前提にしている思考法だからだ。・・・<中略>たくさんの真理が主観的に存在すると唱えたフッサールの提示した解決策は、異なるたくさんの主観的真理をぶつけ合って「妥当」な線を探しあおうというものだ。
- 作者: 山本真司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/12/23
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (72件) を見る
『30歳からの成長戦略』 〜P.187〜
自説に対する批判に対して、自分の主観的真理に基づいて理論武装を徹底的にするというのは、実はそれ程難しくない。よほど元からピントがずれた議論でなければ、何とでも理屈で正当化することは可能なものだ。たまに、終わりなきコメントの応酬合戦がなされているエントリーをみるが、大体は主観的真理に閉じこもり、その中で自らの正当性を保つ理屈を互いに捻出しあっているというケースが殆どだ。
GoogleMapとCraigslistという2つのウェブサイトがあり、そのどちらがウェブサービスとして優れているかを議論するより、マッシュアップしたらどんな新しいサービスを提供できるかを考えたほうがはるかに生産的であるのと同様に、自説に反する説がぶつけられた時に、自説と他説をマッシュアップすることによって、どんな新しい説を生み出すことができるのかを考えるほうが有益である。
沢山の真理があることをまず理解し、他の人の拠り所としている真理を理解しようとしたり、自分の今持つ真理を突き放すことも厭わない、それがBlogosphereで楽しくすごすための「双方向リテラシー」なんだろう。
尚、こんなものがあるというのをid:essaさんで知ったのだが、"日経ビジネス編集長の終わらない話 2.0"はなかなか面白い。紙におこすなら当然カットされてしまうような失言に近い発言もそのまま公開されているというのもそうだが、日本有数の経済誌である日経ビジネスの編集長が「Podcastを楽しみながらいつも聞いてます」というリスナーの声に子供のように喜んでいる構図が微笑ましい。素でやっているが故に、それに対する評価が高ければ無邪気に楽しめるのだろう。しばらく本誌とあわせて楽しめそうだ。