ktdiskのブログ

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Google.orgという社会への配当

GoogleGoogle.orgという慈善事業"会社"を設立した。慈善事業をやらせても、Googleはやはり普通でない。"Philanthropy Google’s Way: Not the Usual"というNYTの記事を読むにポイントは下記3点。

  • Google.orgはNPOではなく、営利企業という形をとっているが、別に利益を追求することなく、投資したお金が利益に転じなくても、「知ったことか」というスタンスをとっている
  • NPOでないがゆえにGoogle.orgは様々な制約から解放されて、物品販売、VCからの基金の拠出、ロビー活動など柔軟かつ、広範な慈善活動をすることができ、慈善事業の新しい可能性が試されることとなる
  • とは言え、一般的な株主利益の視点から、利益をださないと広言する事業に巨費を投じることや、Googleの経営状況が悪くなった際の当事業の継続性への疑問の声もあがっている


この取り組みについてあれこれ考えるに、下記のGoogleの資本政策・ガバナンス構造についての理解は必須。

  • Googleの議決権は、一般の株主でなく、創業者が殆ど保持している
  • Googleは配当を現在していない
  • Googleは人的資本の厚みを増すことを資本政策の中心としている

要するに自分たちの腕で稼いだお金をどこに還元するのが、一番自分達にとって楽しいのかを考えた結果、議決権上少数派の株主に配当金という形で還元するより、ばぁーんと超低燃費車の開発に資金を投じるなどの形で社会全体に還元したほうが、自分達は楽しいし、お金の稼ぎがいもある、ということなのだろう。
「誰のために働くのか、誰に自分の成果を還元するのか」という問いに対して、「お金を拠出している株主に配当する」のではなく、「自分たちが属する社会に配当する」というほうが、やはり浪漫がある。

少なくとも連結子会社で社会貢献を行うことは望ましくない。営利企業でやるという実験はおもしろいが、それは創業者の(あり余る)個人資産でやるべきではないか。
Google.orgは社会貢献のイノベーションになるか

個人資産だけでなく、議決権もあり余っているのがGoogleの創業者。「短期的な株主利益は重視しないけど、買いたければ買えば」という前提でGoogle株を購入しているわけだから、Google.orgという取り組みが株主への背信であると思う株主に残された手段は売却しかないのではないか・・・。

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